表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/42

カエルと箱

失敗した失敗した失敗した…やっぱりあんな奴ほっといて嘘がバレちゃえば良かったんだ。

何が「さっきのお礼です。」だ。

最初から私の名前見るためだったんじゃん!


ジョンの一味に名前がバレるなんてほんと最悪だ。

今夜って時間帯アバウトすぎるし、そもそも場所は!?

「はぁ~…」



フラフラと立ち上がり丸椅子に座る。

「お嬢、流石っす!大人っす!今度から姉御って呼ぶっす!」

何故かパメラさんが興奮している。


てか姉御は無いでしょ、あなたの方が年上だよ。

しかも、まだ顔赤いんだね。

興奮して赤くなってるのかもしれないけど、もうどっちでもいいか…


「今更ですがリリィと申します。まだ14歳なのできっとパメラさんより年下ですよ。なのでその…姉御は勘弁してください。」

「まだ14歳だったの!?それなのにあんな…リリィはすごいね!」

「あぁ、こっちこそ嬢ちゃん呼ばわりで悪かったなリリィ。確かに幼さはあるが、言葉もしっかりしてるし読み書きだって出来るんだ。もう立派な大人さ。こいつなんかはもう18なのにこんなもんだぞ。」


パメラさんが18歳なのは知っていた、何ならトーマスさんが25歳なのも知っている。

「こんなもんってなんすか!コレのどこがこんなもんなんっすかー!」

そう言ってパメラさんが自分の胸をわしづかみにしてトーマスさんににじり寄る。


「だぁー、そういう所がガキだっつってんだよ。てめぇの乳をつかんでんじゃねぇ!」

トーマスさんの言うとおりだ、色っぽさの欠片もない。

せっかく大きな胸なのに。


自分の胸に手を当てる。

これでも前よりは大きいし、年相応のはずだ。

でも、もう大人って言われてしまった。


私はこれ以上成長しないのだろうか…

「私なんてまだまだ子供ですよ…」

そうだ私はまだ子供だ、発展途上だ。


「なんだリリィ胸なんか気にしてんのか?そんなもんは関係ねーさ。さっきのあんちゃんだって魔玉くれたりしただろ。最後なんか手を握ったりしてたじゃねーか、ありゃ完全に惚れたな。」

それは完全にトーマスさんの勘違いだ。


まぁトーマスさんからそう見えてるって事は、やっぱり私は女性として見えているわけだ。

って事は完成系ってことで、やっぱりこれ以上の成長は…


「そうだよ、リリィは私なんかより大人だよ。」

トーマスさんの話を聞いてさっきのを思い出したのか、パメラさんはまた赤くなっている。


いや、それ大人の意味違くない?

あんまり大人大人言わないでほしい、だってまだ下の毛も…



そこでまたお店の扉が開いた。

「そろそろ忙しくなるかな。」

トーマスさんがそう呟いた。


そうか、みんな探検から帰ってくる時間なんだ。

外はまだ明るいが夕方に帰ってくるようじゃ遅いのかもしれない。

ジョンパーティもさっき帰ってきたわけだし。

このまま残ってもお仕事のじゃまになっちゃうかな。


「それじゃあ、そろそろお暇しますね。」

「おう、また来な。」

「また遊びに来てね。」

手を振ってお店を出た。


さっきもらったタグはまだ左手にある。

これが金券だったらジェシカさんにあげたのにな…

15$がどの程度の価値かわからない以上やっぱりお手伝いしなきゃだよね。

タグをポーチに仕舞いジェシカさんの宿屋へ向かった。




朝があんな感じだったからちょっと緊張する。

恐る恐る扉を開けてみるが中は静かなものだった。


「た、ただいまー。」

挨拶してみたが返事がない。


「入りますよー?」

一応人様のお家なので、お断りの言葉を口にしておく。


ジェシカさんもエマちゃんも留守なのかな?

好きなだけ泊まって行けとは言っていたけど、勝手に入っても良いんだよね?

居ないなら仕方ない、このまま自分の部屋へ向かうことにする。



部屋に戻り机に猫リュックを座らせて私も椅子に座った。

ステータスを確認する。


■■■■■

【リリィ・S・ホワイト】〈人族〉

【14歳】

【魔女見Lv2】[探Lv2][戦Lv2][拳Lv1][魔Lv2]、商Lv1、アLv1

 魔女セット、革の小袋、ゴブリンの木剣

■■■■■


やはりジョブが増えている。

商人があるような気がしたから確認したんだけどね。

アイテム商人は予想外だけど、貰えるものは貰っておこう。


パメラさんがトーマスさんに文字の事を指摘されていたし、計算も苦手っぽかった。

多分そのあたりが商人に関係ありそうって思ったら、実際そうだったみたいだ。

読み書きそろばんって言うしね。

ジェシカさんも宿屋をやってた時は、書き物とか計算とかやってたんだろう。

パメラさんも頑張って立派な商人さんになってほしい。


私の場合は元々出来たけど、多分契約とか取引とかお金のやり取りみたいのをした事がなかったから今になって出現したんだと思う。

ゴブリンの石を売れたのは運が良かった。


商人

能力〈筋E〉〈体E〉〈早E〉〈器E〉〈知E〉〈精E〉

スキル〈商人の箱〉


アイテム商人

能力〈筋E〉〈体D〉〈早E〉〈器E〉〈知E〉〈精E〉

スキル〈商人の箱〉〈アイテム鑑定〉


ステータス画面がアイコン式になったおかげで分かりやすくなっている。

とりあえずどっちも活性化しておく。


商人は随分とバランスが良いみたいだ。

アイテム商人は体力が伸びて鑑定できるようになっただけかな?

きっと私は鑑定しなくても見れるからアイテム商人がゲット出来たのかも。

どうせなら箱士が欲しかったけど獲得方法が見当もつかない。



とにかくスキルを試そう。

商人の箱はがまぐちのお財布みたいなアイコンだ。

ちなみにアイテム鑑定は虫メガネみたいなアイコンだった。

別にいらないから使わない。


商人の箱を試してみると、がまぐちのお財布が5つ現れた。

多分アイテムボックスだけど、私のイメージのせいで変になってるんだと思う。

パメラさんや探検者さんが使っていた立方体と同じサイズだし間違いない。


がまぐちのお財布のイメージだし箱の数が5つだからお金用かもしれないけど、アイテムボックスだったら他の物も入るはずだ。

今はお金をあんまり持ってないから、他の物も入った方がありがたい。


ゴブリンの木剣をがまぐちの箱に横から突き刺した。

おぉー!刺さった。

すり抜けないって事はちゃんと認識してるって事だ。


手を放しても刺さったまま浮いている。

収納されないのかな?

そう思っていると、がまぐちが開きカエルの舌みたいなのが伸びてきて剣を食べる。

すごい!すごいぞイメージ力!ついにここまで進化したのか。


「カエルさん剣を返して。」

そう言うと今度はがま口が開き剣を掴んだ舌が伸びてきた。

手の上に剣を乗せると舌が引っ込みがまぐちが閉じる。

今は何となく声を出してやってみたけど、多分言わなくても思えば出来る気がする。

これはおもしろい!


今度は探検箱も出してみる。

バットを入れている箱も立方体サイズになっていた。

こっちは宝箱みたいな箱なのだからこっちは箱でいいよね。


箱さんバットを出して。と念じる。

宝箱が大きくなり口を開けてバットを吐き出す。

やっぱり出来た。


あっちはガマ財布ミミックで、こっちが箱ミミックだ!

そんな事を考えていると、がまぐちの箱とこっちの箱が変化する。

がまぐちの箱だったものがカエルの形になって、宝箱はちょっと丸みを帯びて目が付いた。

さっきまではただの無機物だったけど、とってもファンシーになった。

可愛い。



さらに箱からカエルにゴブリンの石を移してと念じる。

箱がペッペッと吐き出す石を、カエルがパクパクと食べる。


今度は箱に離れてもらってから、箱に向かってバットを投げる。

箱が大きくなってバットを食べた。

そして食べた後にはまた標準サイズに戻る。


「戻っておいで~。」

楽しくなって声をかけてしまう。

ちゃんと箱がそばに戻ってくる。


さっきは探検者さんみたいに箱をひっくり返してみようとか思ってたけど。

こっちの方が断然いいじゃん!ひっくり返るよりすごいし、可愛い!

カエルがピョンと跳ねて宙返りした。

対抗したのかな?君の方がすごいよ。



お財布以外の使い道を試したかっただけなのに色々やってしまった。

とりあえずカエル君はアイテムボックスって事で間違いないようだ。


せっかくアイテムボックスも増えたことだし整理もした。

箱の方にゴブリンの木剣と木の棍棒(無骨バット)を入れて。

これで2枠。


カエルの方に銅貨と小銀貨とタグ、ゴブリンの魔玉とゴブリンの石を入れる。

これで5枠。


銅貨は【1$】小銀貨は【10$】っていうアイテムらしい。

$はただのマークだ、別にドルって事じゃない。

だってお金の単位はデルだもんね。


ただ、預かり証の紙は処分したい。

今は室内だから出来ないが、後で外に行って燃やす予定だ。

さっき探検者さんの反応がちょっと変だったし、この文字はあまり人目に晒さない方がいいだろう。



【リリィ・S・ホワイト】〈人族〉

【14歳】

【魔女見Lv2】[探Lv2][戦Lv2][拳Lv1][魔Lv2][商Lv1][アLv1]

 魔女の服、魔女の靴


◆魔女見習い

・能力ボーナス〈器用C〉〈知力C〉〈精神C〉

・スキル〈毒生成〉〈薬生成〉〈攻撃魔〉〈弱化魔〉〈回復魔〉〈強化魔〉


◆探検者

・能力ボーナス〈筋力D〉〈体力D〉〈素早さD〉

・スキル〈探検地図〉〈探検移動〉〈探検脱出〉〈探検箱〉


◆戦士

・能力ボーナス〈筋力E〉〈体力E〉〈素早さE〉

・スキル〈強撃〉〈耐える〉〈走る〉


◆拳闘士

・能力ボーナス〈筋力D〉〈体力D〉〈素早さD〉

・スキル〈強撃〉〈耐える〉〈走る〉


◆魔法使い

・能力ボーナス〈知力D〉〈知力E〉

・スキル〈攻撃魔〉〈家政魔〉


◆商人

・能力〈筋力E〉〈体力E〉〈素早さE〉〈器用E〉〈知力E〉〈精神E〉

・スキル〈商人の箱〉


◆アイテム商人

・能力〈筋力E〉〈体力D〉〈素早さE〉〈器用E〉〈知力E〉〈精神E〉

・スキル〈商人の箱〉〈アイテム鑑定〉


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ