1番好きな女の子との恋は諦めて幼馴染と付き合い始めたら
勢いで書いた作品です。
後日、修整加筆するかもしれません。
高校生2年になった僕、四村春斗には好きな人がいる。
クラスメイトの有鬼堂ミハルさん。
黒髪ロングストレートの正統派美人でスタイルも良いし、勉強に必死になってる様子も無いのに成績もトップクラス。
欠点が無さすぎて近くにいると自分と比較してしまって気後れするのが欠点だと思う、と僕の男友達は分析したりする。
「有鬼堂さん!好きだ!俺と付き合ってほしい!」
「ごめんなさい、好きな人がいるのであなたとは付き合えません」
学年1の美少女でしょっちゅう告白されているけど、今のところ全部断っているらしい。
それでも人当たりが良く誰からも好かれるような性格だから、嫉妬で女性から嫌われるという事もなく男女とも友人は多い。
僕も彼女を好きだけど、僕の幼馴染の桃島夏樹がミハルの親友で、僕とミハルはその繋がりのおこぼれ的な関係でしかない。
「ミーちゃんあんなカッコイイ人もふっちゃうんだね」
隣にいた夏樹がちょっと呆れの混じった声で話しかけてくる。
「好きな人って誰だろ?ミハルから告白すればすぐ付き合えると思うんだけど」
「聞いたんだけど告白しても振られる可能性の高い相手らしいよ、すでに彼女のいる人とかじゃないかなぁ?」
「ごめん!待たせちゃったね、じゃあ帰ろっか」
と話してるところで、ミハルがこちらに駆け寄ってきた。
2年生になってから3人で帰る事が増えた、というか最近は毎日だ。
「ミーちゃん、凄くモテるよね、告白してきた人ってサッカー部の次期エースとか言われてて人気のある人でしょ?」
「えっ、そうなの?サッカーに興味あまりないから知らなかったわ」
「好きな人に告白しないの?ミハルなら多少無理めな相手でも可能性ありそうだけど、、、先生の誰かだったり?」
「ふふっ、先生じゃないわよ、でも可能性はほとんど無いかな、その人には好きな人がいるし、いなくても私と恋人にはなってくれそうにないもの」
そう語るミハルは辛そうだった。
はあ……間違いなく僕じゃ無いんだよなぁ。
僕の好きな人は僕じゃない人に叶わない片思いをしている、それが切なくて苦しい。
「ミーちゃん、その人が誰かは教えてくれないんだよね、私の好きな人は教えたのに」
「ナッちゃんには話せないわ、それにナッちゃんも好きな人に告白してないじゃない」
「えへへ、それが上手くいきまして、私達付き合う事になりました」
と喋りながら夏樹が僕の腕に抱きついてきた。
いや、このタイミングで打ち明けるのかよ!
実は昨日、僕の家に来た夏樹との会話の流れで付き合う事になったのだ。
『春斗ってミーちゃんの事が好きでしょ?でももう諦めてるよね?私は春斗の事が結構好きだし幼馴染から恋人にならない?』
『それも良いのかな?じゃあ、付き合おっか』
それで何が変わった気はあまりない。
家が隣で双方の両親も友人で、物心がつく前から一緒にいて気安い間柄だ。
だから関係の呼び方が幼馴染から恋人に変わっただけ、まあこれから少しづつ変わっていくんだろうな、そんな風に考えていた。
「あ……そ……そう、上手くいったのね、おめでとう……」
そう震える声で祝福してくれたミハルの目からは涙がポロポロと溢れていた。
えっ、何でその反応?どういう事?
「どうしたの?ミハル」「ミーちゃん大丈夫?何で泣いてるの?」
「私……私が好きなのはナッちゃんなの!気付いたらどうしようも無く好きになってて無理だって分かってるのに……うう……」
え?は?えええ?ミハルと夏樹は同性なのに?
いや、今どき同性での恋愛にどうとか言う方が変なのかも?
好きな人が辛そうに泣いている姿に胸が締め付けられる。
僕が夏樹と恋人になったから、ミハルは苦しんでる?ミハルを苦しめてるのは僕?
「ミハルがそんなに辛いなら僕は夏樹と付き合うのはやめても、、、」
「そんなの駄目よ!」「それは絶対駄目、ナッちゃんを悲しませないであげて」
「僕はどうすれば……ミハルもそう言うなら別れたりしないけど」
「春斗はまだミーちゃんの事が好きなんだよね?」
「うん……ごめん、付き合っといて不誠実だとは思うけどまだ僕はミハルが好き、夏樹は幼馴染だし一緒にいて楽しいから恋人になれるのは嬉しいと思ったけど」
「私は春斗が好きよ、大好き、小学生の頃からずっと好きで今はもっと好きなの、私を好きになって貰いたい、その為なら何でもするから……」
ミハルに続いて夏樹まで泣き出してしまった。
そこまで好きになってくれたとは分からなかった。
夏樹には恋愛的に好きという感情はなくても、幼馴染として親愛的な好きという感情は少なからずある。
だから悲しませたくはないのだけども、嘘を吐きたくは無い。
「ねぇ、ミーちゃんは私の事どれだけ好きなの?」
「夏樹の事は大好き、ここまで誰かを好きになったのは初めて、夏樹の為だったら私だって何でも出来る!……夏樹が春斗くんと恋人になって、私が夏樹と一緒の時間が無くなっていくのは辛いけど我慢も出来る、、、」
「じゃあさ、私がミーちゃんの恋人になったらミーちゃんは春斗と恋人になってくれる?」
「えっ?それってどういう事?」
「3人で恋人になるの、私は春斗の恋人だけど、ミーちゃんとも恋人になって、ミーちゃんは春斗とも恋人になるの」
「それは……嫌では無いけど……いえ夏樹と付き合えるなら春斗と付き合っても、、、夏樹がそれで良いなら喜んでくれるなら夏樹の次ぐらいには春斗くんを好きになれると思う」
「ちょっと待って!?それっておかしくない?3人で恋人なんて」
「春斗は嫌なの」
「嫌では無いと思う……むしろ嬉しいけど、おかしいと思う」
「嬉しいならおかしくても良いでしょ?」
「良いのかな?」
「良いんだよ、3人で幸せになろうよ!」
「そこまで言うなら分かった、3人で恋人になろっか」
「ねえ、3人で恋人になった記念にキスしよっか」
「キスしたい!夏樹とキスしたいとずっと思ってた、夏樹と春斗がキスした後なら春斗ともキスしたい、夏樹との間接キスなら嬉しい」
「ごめん、正直頭の中がぐちゃぐちゃで話についていけてないけど、僕もミハルとキスしたいと思った事はあるし、夏樹とキスするのも嬉しいかもしれない」
キスの順番はすぐ決まった。
僕と夏樹がキスして、ミハルと夏樹がキスして、僕とミハルがキスして。
夏樹とのキスは少しドキドキしたけど、ミハルとのキスは顔が近くに寄っただけでドキドキして頭が焼け付きそうで胸が爆発しそうで、自分が倒れてしまわないか心配になった。
凄く嬉しい、嬉しいんだけどこんなのおかしくない?
僕の好きな人は僕の幼馴染が好きで、僕の幼馴染は僕の事が好き。
三角関係って誰かが不幸になるってイメージしか無いけど3人で幸せになれたりもするのかなぁ?
少なくとも今は3人とも笑顔でいられてるし、不安はあるけどそれ以上の期待を楽しもうか。
(・ω・)少しでも面白いと思って貰えたら
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