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次(つぐ)の駅

 日常の変化。

 

 朝、スマホからをセットした目覚ましの音楽が流れる。

 LISAの「紅蓮花」でテンションあげた私は、マッハで制服に着替え朝ご飯を食べる。


 私の名前は都築桃花(つづきももか)、星城学園に通う16歳の高校一年生だ。


 晴天の空の下、私は駅へと走る。

 改札の駅員さんに定期を見せ、電車に乗り込む。

 ギリギリセーフだった。

 私が乗ると、同時に電車のドアが閉まる。


 学生や出勤の人達で満員の中、ドア近くの手すりに身体をもたせる。

 私はイヤホンをかけ、星城学園前駅までの15分間、自分の好きな音楽をかけ、世界に浸り、ぼんやりと車窓を眺める。

 いつもと変わらない景色。

 

私は近くのつり革を見た

 ぼんやりくすんで見えた。

 もうすぐ、学校に着く。

 私は視線を逸らして、また外の景色を見た。


 学園前に着いた。

 私はイヤホンを外し、電車を出た。


 次の日


 私はいつもの音楽で目を覚ます。

 朝食を食べ、制服に着替えると、駅へと向かう。

 改札の駅員さんにゆっくりと定期を見せ、電車に乗る。


 テンションがあがらない日はこんなものだ。

 私はイヤホンをし、周りとのかかわりを遮断する。

 外を眺める、ちょっとだけ景色が色褪せて見えた。

 電車の天井を見る。

 ちょっとだけ驚いた、大きな黒ずんだ染みが見えた。

 もうすぐ学校へ着く。


 私はイヤホンをはずし立ち上がる。

 電車の扉が開いた。


 つぎの日


 私は音楽が鳴る前に起きた。

 のんびりと制服に着替え、まったりと朝食をとる。

 それからいつもより、早く家を出る。

 早起きは三文の徳と、外の空気を思いっきり吸い込んで一歩を踏みだす。


 家から出たら、途端に身体が重く感じた。

 学校に行きたくない。

 そう思いながらも、足は駅へと向かう。

 ・・・電車に乗りたくないのか私。


 私は改札を抜け、電車に乗っていた。

 この車両はいつもより、人が少ない。

 私は長椅子に腰掛け、イヤホンをする。

 車窓を見た。

 家から出た時の青空と違い、外はどんよりと暗い。

 車内を見る。

 すべての人の顔が歪んで見えた。

 片頭痛かしら・・・私は視線を車窓へと戻す。

 窓に映るのは、後ろに座っている老人と子供がこっちを大きく目を開け、見ている姿だった。

やっぱり歪んでいる・・・どうでもいい。


 電車は駅に着いた。

 私は迷いながら駅に降りた。



 つぐの駅


 私は目覚ましをかけなかった。

 ふらりと起き上がり、ぼんやりと朝ご飯を食べ、まったりと制服に着替え外に出た。

 今、何時だろう・・・遅刻しないかな・・・まぁいいや。


 私は顔の見えない駅員に、定期券を見せると、電車に乗り込んだ。

 車内には、三人の乗客、みんな顔が黒ずんでぼやけて見えない。

 考えるのが億劫になってくる。

 私は長椅子に腰をかけ目を閉じた。


 閉じた瞼の先に赤みがかった光を感じる。

 気になって、私は目を開いた。

 外も周りも夕焼けより、真っ赤の世界だった。

 ま・・・いいか。

 私は目を閉じる。


 駅に着いた。

 

「ここで降りなきゃ」


 誰かが言ってくれた。

 

・・・もういいよ。


 電車の扉が閉まった。


 私の乗った電車は、赤い海の中を走り、つぐの駅へと走り出した。



 これは元ネタはご存じの方もいるかと思いますが、ホラーゲームの「つぐの日」です。

 私は遊んだことはないのですが、ゆーつべの動画で見ました。ひたすら横スクロールのゲームで、主人公は知らない内に、巻き込まれるんですけど、普通、気づくだろとツッコミ(それがいいのか)を入れたくなります。

 本作は主人公は気づいています。

 果たしてつぐの駅とはいったい・・・。

 ホラーっぽいでしょ。

 次回もよろしくお願いします。

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