カメラがあったら良かったのに。
7月20日(土)の投稿です。
いよいよ夏本番となって来ましたね。夏バテにはお気をつけて下さい!!
「さっきの威勢はどうした!」
相手の実力もはからないで男は突っ込んで来る。……あ、こいつもバカか……僕は呆れながら男の剣を避けてまた体を元の位置に戻す。その間、0.05秒。まぁはたから見たら、剣を当てた筈なのに何食わぬ顔で立っているように見える筈だ。つまり僕のこの苦労は誰にも見てもらえないと言うことだ。グスリ……
僕がそんなコントを一人で繰り広げいると男の攻撃が止んだ。もう終わりかな?周りは男の攻撃で舞い上がった土が土煙を作り出している。
「ふふふ……あはははは…口だけだったようだな。」
どうやら僕は死んだことになっているようだ。よし、そのぬか喜びを潰してあげよう。
* * * * *
【視点:男】
男はご機嫌だった。自分の実力を評価し過ぎたガキを潰してやった。見た目が黒の髪と目でひょろりとした弱そうなこのガキは何もできずにただただ男の剣を受けるだけだった。こんなガキが男の部下20人を全員やるとは思えない。たまたま誰にも見つからずここへこれただけだったようだ。男は油断していた。しかもさっき殺した者が死んだことを確認していなかった。だからレインが傷一つなく、無傷で立っていることに気づつかなかった。
「さぁてルイス・オルジュを殺すか。」
男がルイスに剣を向けたとき、男の首に何者かの手が触れた。
「お兄さん、油断しちゃダメだよ?あと姉さんに剣を向けないでくれるかなって僕いったよね?」
その声はさっき殺した筈のガキの声で、そのガキが傷一つなく立っているのだった。
* * * * *
男は驚いているようだった。目を見開き、口は開きっぱなしだ。それがあまりにも面白かったので、思わずカメラがあったら良かったのに。なんて思ってしまったほどだ。そんな男に容赦するわけでもなく、僕は躊躇なく男の首を切り飛ばした。そして男には目もくれず姉のもとへ向かった。ルイスは気を失っているだけで目立った傷はおっていなかった。
「ふぅ……」
僕は ずっとしていた緊張をとき、肩の力を抜いた。後始末はあらかじめ連絡しておいた王都騎士団がそろそろ来る筈だから、そいつらに任せようと思う。どうせ面倒なだけだろうだって?別に僕がやってもいいんだよ?でも騎士団の仕事がなくなるじゃないか~
僕は姉さんを放置したまま建物をあとにした。
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