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村長と私

主人公の性格が統一感がない気もしますが、作者も一緒に成長して安定感を出していきたいですね。


村長さんに一般常識を教えてもらった結果、ここはゲームによくあるファンタジー世界らしい。魔法は普通に普及しているし、獣人やエルフといった人間以外の種族も普通に生活している。

スキルのおかげで言語に不自由しないので、一般常識はゲーム設定を覚えるかのようにスルスルと頭に入って来た。


* 基本通貨はゴールドで、鉄貨(100G)、銅貨(1000G)、銀貨(1万G)、金貨(10万G)、ミスリル白金貨(100万G)となる。物価は日本とあまり変わらない。


* 魔力は誰もが持ち、生活に必要な生活魔法は簡単な練習をすれば誰でも使えるが、戦闘に役立つ攻撃力魔法になると先天的な才能が必要。


* 文明は中世に近いが、生活魔法のおかげで衛生状態が良いので病気や臭いが少ない等だ。



ちなみに当たり前だが、私の身元は判明しなかった。まぁ異世界から来ましたからね。

私が村長さんの家に厄介になって、もう1週間。そろそろ素知らぬ顔で居座るのにも限界を感じ始めている。


最初は身の振り方を考えるまでいつまでも居てくれて構わないと言ってくれていた村長さんも、さすがにそろそろいつ出て行くのかとプレッシャーを頻繁にかけてくる始末。

やれ旅には準備が必要だの、貴族様への紹介状を書くには時間がかかるから決まったら教えてくれだの会う度に言われている。


空気が読める日本人としましては、大変に心苦しい。しかし、私は自分が可愛い。

ここで屈して村長さんの家を出てしまうと、多分路頭に迷う。


しかし私だって、何もしてない訳では無い。

村長さんの善意をフルに使い、冒険者ギルドに登録(費用は村長さん持ち)し日がな一日ホーンラビットを駆逐する日々。

もちろん村長さんには稼いだお金を半分渡している。


ちなみに現在の私のステータスがコレだ。



ステータス


【名前】 ユリ・タナカ

【年齢】 29

【称号】 狂戦士 ウサギの天敵

【種族】 ヒューマン

【レベル】 27

【体力】 D

【魔力】 C

【攻撃力】 B

【防御力】 E

【スキル】アイテムBOX 転移

鑑定 自動翻訳

オンラインショップ

生活魔法(清浄、種火、手水)

【装備】 綿の服 革の靴 手斧

Eランク冒険者の証 50万G


…うん、これは村長も出てけって思うわ。

贅沢しなければ二、三ヶ月は生活できるくらい資金もあるし、腕っ節も旅をしても問題ないレベルだ。正直そこら辺の雑魚冒険者より強くなってしまったし、今の私は中堅冒険者ぐらいの実力がある。

でも言い訳すると、この狂戦士の称号の副作用というか効果のせいなんだよね。


【狂戦士】何がなんでも敵を殺す、そんな貴方へ贈る称号。防御力は弱くなるが、攻撃力が高くなり戦闘が優位になる。


どうやら最初のレベルアップで攻撃力が上がったと思ったら、称号の効果だった。

防御力が最低のFだったせいで変動が無いから気付かなかったけど、時間のある時に鑑定したらそう出ていた。


そして何がなんでも敵を殺すって部分にも隠れ効果というかデメリットがある様で、敵が近くにいると落ち着かなくてつい殲滅したくなる。結果レベリングしに出かけると、ついつい狩りすぎてしまうのだ。


ちなみにもう一つは


【ウサギの天敵】ウサギ型のモンスターを100匹倒した貴方へ贈る称号。ウサギ型のモンスターへの攻撃に2倍ボーナス。


…うん。何かゴメンね?









「お願いですから、村から出て行って貰えませんか?」


ついに村長さんに土下座されました。

あ、いや…本当に申し訳ない。


村長さん曰く、私がホーンラビットの乱獲をしたせいでホーンラビットの価格下落が起こり、見晴らしの良い草原の村の周りで斧振り回してモンスターの頭をかち割る女の姿が村の幼い子供のトイレ事情を悪化させたらしい。


本来なら記憶の無い女性を追い出すのは忍びないが、地味に村の負担になっている以上出てって欲しいそうだ。

まぁ私はもう記憶のない無一文のか弱い女性では無いので、追い出されても仕方ないとは思う。


村に定住も考えたけど、最初の記憶喪失の設定が尾を引いて足元をすくわれる可能性があるのでやめた。

断じて遠回しに定住を拒否られたからではない。


しかし、この村長さんには本当にお世話になった。


子供でも知っている常識も知らない私に1から丁寧に教えてくれて、生活魔法も使える様にと特訓までしてくれた。

妻に先立たれ子供達も都会に行ってしまい、一人寂しくしている憐れな老人。


そんな彼に土下座までさせてしまった…


「村長さん…いえ、お父さん。」


「お父さん!?」


「私、旅に出ます!お父さんに恥じない最強の戦士になって、この村に帰って来ますね!」


「帰って来るの!?」


追い出す気満々で旅の用意をしてくれた村長さんから鞄を受け取り、私は旅に出た。

村長さんは最後まで混乱していたが、身体に気を付けてと見送りまでしてくれた。


正直、旅には出ようと思ってはいた。

いつまでも村長さんのお世話になる訳にもいかないし、ぶっちゃけこの村にも飽きていたし。

ただ、やろうとしてた瞬間に相手に言われると面白くないわけで…


うん…本当は異世界で右も左も分からなかった時に親切にしてくれて、一緒に暮していた村長さんの事をお父さんみたいだと思って甘えてたのは事実。

でも村に飽きていたのも事実。


せっかく異世界に来たみたいだから、いろいろな場所を見て回りたい。

私は村長さんと門番のお兄さん達に手を振り、意気揚々と出かけたのだった。


まぁ最悪村長さんには悪いけど、何かあたったら転移でこの村にいつでも帰って来れるからね!

気兼ねなく旅に出よう。









クーリシュ村村長ゴルロフの日記

一部抜粋


【今日身元不明のご婦人を保護した。国に問い合わせたので結果待ちだ。記憶が無いというので小さい子供でも知っている様な様々な事を最初から教えたが、やはり高貴な方なのか読み書きは出来ていたのですぐに飲み込んでいた。】


【あのご婦人はちょっと頭のネジがおかしいのかも知れない。記憶が無いからか?世話になるからお手伝いさせて下さいと言われ、断ると何故か冒険者登録をして狩りに出てしまった。身分証の代わりになるとかいう口車に乗るんじゃなかった…】


【国からの返答は、該当する人物はいないと返って来た。これは困った。】


【ユリさんはどうやらアイテムBOXのスキルを持っているらしい。容量も大きいし、商業ギルドにも登録して仕事を斡旋してもらえば生活に困る事は無いだろう。】


【どうしたらあんな薪割りの様にホーンラビットの頭をかち割れるのだろうか?村の子供達が怖がっているので狩りはしなくて良いと言ったが、遠慮しないでとお金を握らされた。解せぬ。】


【村の連中からの陳情が絶えない。ユリさんには悪いが、村を出て行ってもらうしかない。定住も視野に入れてるみたいな事も言っていたし、明日には出て行ってもらおう。幸いユリさんにはアイテムBOXもあるし、荷物も苦にはなるまい。道中の魔物や盗賊もあのレベルなら大丈夫だろう。本当は定住してもらっても構わない気もするが、生態系と今後の事を考えると厳しい。良い娘なんだがな…】


【嵐の様に行ってしまった。手のかかる子ほど可愛いとはよく言ったもんだな。お父さんか…イラッとする事も多々あったが、慣れると楽しい日々だった気もする。久しぶりに子供達に会いたくなった。今晩は酒でも飲もう。】

その内主人公の性格や話の方向性が決まって来たら、一話から修正するかもしれません。

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