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ありがとう、、、。(前編)  作者: チャー丸
第1章 幸福
9/23

第8話 お、おっ、お義父さん!

今年も、暑い夏が来た。



去年の夏、アカが実家に戻ってからもうじき1年が経つ...。



オレももう4年生!今年で卒業の年だ!



ヨネはアカが学校を辞める事に驚いていたが、



そんな家庭の事情ならしょうがないと、



二人で笑って送り出したのだった!



アカからはたまに、野菜やサツマイモが送られてくる。



そして離れても、



4月25日!



年に1回は何があろうと必ずメールする約束をした。



3人で卒業しようと、初めて例の場所を見つけて誓った日は、



偶然にもオレと愛子が付き合い始めた



4月25日



日にちは偶然にも一緒で、



愛子との記念日のちょうど2年前の事!!



大学1年に入ったばっかの頃だったようだ...。



この頃は3人とも原チャリボーイで見知らぬ地を散策していたときに見付けた秘密の場所。



オレは日にちなんて忘れていたが、アカはとても嬉しかったらしく、



カレンダーに丸を付けて印しをつけて忘れないようにしていたようだ。



アカがいなくなってからのテストは大変だったが、



ヨネと一緒に辞書を片手になんとかやって来た。



『なぁヨネ、コサインってなんだっけ』



「ちっちゃくサイン書けばいいんじゃん?」



『おーサンキュー!じゃあテスト用紙に小さく藤原....って書くかい!!!ボケー!』



『数学の試験に自分のサイン書いてどーすんねん(笑)』



二人で勉強するとこんな感じだ。



またヨネがおもしろいボケをするんだよなぁ



でついついツッコミを入れてしまう。



でもヨネの場合、天然なのが怖い...



こんなんでほんとにそれなりになんとかなっているのだろうか...?



まぁ、ちゃんと留年せずに4年生になれたんだからうまくいってるほうだろう...。



多分...。



しかし何回補習を受けたかわからない!



そう[サプライズ]を[偶然]と解釈してしまう、二人のレベルだから補習の10回や20回は訳ないようだ!



留年だけはしたくなかったから



テストの前は超頑張った!



頑張ざるをえなかっただな。



そう、オレと愛子は卒業次第結婚しようと考えていた。



だから留年だけはできないのだ!



もちろん愛子も了解だ。



特にプロポーズの言葉はなかったが、付き合ってちょっとして『愛子と結婚したい』っていった記憶はある。



お互い相思相愛なら言葉なんていらないのだ!



愛子と付き合うようになって1年3ヶ月!!



ここらへんのデートスポットは全部行き尽くした。



愛子も免許をとって自分でワゴンRを買い九州のこの青空の下を元気に走りまわっている。



最近のデートはもっぱらこのワゴンRだ。



ずっと重いクラッチの180SXだったのでやっぱりATはらくちんである。



180にかまわなすぎか、ワゴンRにヤキモチかどうかわからないが、



久々に乗ろうとするとエアコンが壊れていることもあった。



…180ちゃん夏にそりゃないぜ!



夏にエアコン無しの車は信号待ちしてるだけで、汗が吹き出してくる



…オイ冷たいのだせよー



ハンドルを叩いてみるが180はシカトである。



180はいい気味と笑っているのだろうか?



もっといっぱい前みたいに乗ってくれって、うったえているのか?



これだけは謎のままだ。



オレもヨネも早々であるが就職の内定通知をもらっていた。



ヨネは車好きがこうじて、チューニングショップで働くらしい。



技術を身につけたら自分でお店を持ちたいらしい...。



手先が器用なヨネにはお似合いだ!



オレはというと、運送系のトラックドライバーになる予定だ



何しろ接客やノルマなんてもんは相変わらず苦手でこの先も、克服できそうもないから。



【キーンコーンカーンコーン】



今日もいつも通りの授業が終わる。



今日は愛子のお父さんに挨拶しにいく事になっている。



お母さんの方とは何回か会っているのだが、お父さんの方は初めてだ!



「オーイ。タケ今日バイトか?」



『いや休みだけど今日愛子のお父さんに会わなきゃいけないんだ...。』



「早ぇーなもう挨拶か?うちらはまだまだだな(笑)。」



ヨネはそう!アカが好きだったリナちゃんと今も付き合っている。



もうじき1年らしい。



いつもは長くは続かないヨネも今回は長く続いている。



自分でも、めずらしいって言っていた...。



「じゃあタケ頑張ってこいよ!

オレはこのあとリナとデートだからさ。

遅れるとうるさいんだ」



夏の4時!



まだまだ空は明るい。



二人は学校の駐車場まで歩きながら語りあっていた。



『ちょっとさぁ緊張がハンパないんだけど、どーしたらいい?』



「まぁ誰でも1回は通る道だからなぁ...。

あっ!そうだオレの家に1日だけ髪を黒く出来る黒染めあるけど使うか?」



『マジ!?助かる!』



二人は車に乗りアパートに戻る。



アカがいなくなってからすぐ2人で通うにはなんか物足りないというか、変な感じだったが、



意外とすぐに慣れてしまった。



人間の順応性はすばらしいらしい...



アパートに着きヨネが黒染めを持って歩いてくる。



「ホイッ!」



『オットット!投げんなよ』



「頑張ってこいよ!」



『まかしとけって!』



…まかしてけとかいったけどなぁ...。



頭をかきむしる



…何て言ったらいいんだよ。



不安でいっぱいだ



『ウッ!』



…胃が痛てー!



緊張するとすぐ胃が痛くなるこのクセというか、症状はなんとかならないだろうか?



…考えてばっかいてもしょうがないな。



…帰って用意!用意!



今日は一応リクルートスーツに黒染め!そして革靴で決めてみる



全身鏡のワンターン!



『うーんバッチリだな!』



これぞ就職活動スタイル!



大人受けはバッチリのはずだ。



さて愛子を呼ぶかな...。



””おーい愛子用意できたよ。家で待ってるから仕事終わったらきてちょ””



…送信。



付き合ってすぐの頃はお互い、あだ名で呼んでいた。



愛子はあいたん。



オレ剛はたけたん。



ガラにもないので始めは拒否していたが、



何回も呼ばれるうちに悪くないもんだなぁと思うようになった



だが未だに若干照れる。



でも特別な呼ばれ方で呼ばれるこの親近感はたまらない!



なんかいかにも彼氏彼女みたいな...。



だが言われるのはいいが



言うのは恥ずかしいのであいたんではなく愛子で勘弁してもらっている...。



…待ち合わせは7時だったな。



…まだ時間あるな。



…考えても胃が痛くなるだけだしちょっと寝とくか。



……。



…………。



……………。



………………。



…んっーーー!ちょっと寝たかな?何時だ?



…6:45かぁ...。



…6:45...。



…6:45??。



『エーーー!!6:45だってーーー!!』



…遅刻かよ!オイッ!



急いで跳び起きた!



…アレッ?愛子じゃん!



ベッドのちょっと向こうの方に愛子がいる



「あっ!?たけたん起きた??」



『起きた?っていつからいたん?』



「15分くらい前かな?気持ち良さそうに寝てたから起こさず見てた(笑)

たけたんヨダレ垂れて、イビキかいてたよ。

っていうか鍵開けっぱで無用心だぞ。」



…えっ!?マジ?よだれ?



急いで口を拭いたがもうカピカピに乾いていた。



…うわっ!ハズー!



『っていうか7時待ち合わせだろ?なんで起こしてくれなかったの?』



「あーお父さん残業で8時くらいになるみたいだから、全然大丈夫だよ。

っていうかたけたん孫にも衣装だね

真面目にスーツ来てるし。ウッケるぅ。」



『う…うるさいっ!』



恥ずかしさ半分で愛子にデコピンをしてしまう。



『それより早めに行って待ってたいから、もう行こうぜ!』



「おー!たけたんやる気満々だね。」



『オゥ!第一印象が大事だからな。』



「で、髪黒くてスーツなんだ!ウケるぅ」



『愛子笑いすぎ!!』



「でさぁ、たけたんは何か言うこととか考えてあるの...?」



さすが愛子!



非常に痛いとこをついてくる



『えー!全くもって全然!!』



「ちょっとーー!大丈夫??」



『まぁなんとかなるんじゃん!

ちょっと待ち合わせのレストランまで運転してくんねぇ?

挨拶の言葉考えるからさ....。』



「たけたんしっかりね!あっ!たけたんひょっとして緊張で胃が痛いんでしょ?」



『うっ…うるさい!さぁもう行くぞ!』



人をからかって楽しむ女と、



頭パニック男は、



車に乗り込み待ち合わせのレストランに向け



…いざ出発!!



…はぁ...。



全然、いざ出発!なんてテンションじゃない。



大嫌いな歯医者に無理矢理連れて行かされる子供のようなテンションと言えばわかりやすいかもしれない...。



そんな感じだ。



でもここを越えなくては二人に未来は無い!



…気合いで行くしかねー!



無い脳をフル活動して考えていると、



アッ!というまにレストランについてしまった。



中には愛子のお母さんがもうすでに待っていた。



「あらー たけー何?髪黒くして、スーツ着ておもしろいがね。」



…ハハハ、この親子は親子揃って同じ事を言う...。



お母さんと会うのはこれで5回目くらいだ。



『やっぱ第一印象って大事じゃないですか?』



お母さんはオレを見て笑っている...。



「でしょでしょ!なんか変だよねお母さん。」



愛子も一緒になってオレをちゃかす。



「たけー 待ってる間なんか食べればいいがね。」



『いやーすいません。緊張してのど通りませんよ。』



「あら やだぁ おもしろい...。」



二人で大笑いしている。



…もうマジこっちは全然笑えないんですけど...。



それにしてもツッコミといい笑い方といい、さすが親子!そっくりだ。



…オレも母さんがいればもっと素直に笑えるのかな?



と少し思ってしまった。



「あっ!来た!たけ来たわよ。」



…来た?



…来たってやっぱお父さんか?



二人とも人事でオレがカチンコチンなのを見て楽しんでいるようだ。



【コツ コツ】



足音が近づいてきてるのがわかる



全身の鳥肌が立ち、身震いがする...。



…来たのか?



…近くまで来てる。



…どーしよー振り返れない!



…あー!!もう行くしかないよな



…いったれーーー!!



『こ、、こんばんわ、私愛子さんとお付き合いさせていただいています、藤原 剛といいます。』



「なんね いきなり(笑)まぁとりあえず座りなさい。」



愛子とお母さんはやっぱり笑っている。



そうとう、ぎこちなかったのだろう!



「あんたが、たけね?愛子から話は聞いてるけどなんか話より体が大きないか?」



…お父さんそんな気にしてる所を...。



『はぁこっちの料理がおいしくて横に身長がのびてしまいまして...。』



「いやいや男はそんくらい、がたいがいい方がいい!!

まあとりあえず飲むか?すいませーんビール!」



「たけは飲めんのけぇ?」



『えっ?ハイ大丈夫です。』



…ヤベー本当は飲めないんだけどなぁ...



「とりあえず乾杯!」



…いやーお父さんは本当においしそうに飲むなぁ。



…こりゃオレも勢いで行くしかねぇ!



【グビッ!グビッ!】



『あーうまいっすねぇ』



…にげーー!。



…炭酸マズーーイ!



「おーいい飲みっぷりだどんどん飲みなさい。」



…さすがは九州の人だ超お酒が強い!



…それに比べてオレなんかもう世界が回る回る!



…顔が熱い!



…頭が痛い!



…倒れそうだ...。



そんな状況を察してか、助けてくれたのは愛子だった...。



「ちょっとねぇ!お父さん!タケあんま飲めないんだからそんなに飲ませないでよ。」



「な~にいってんだぁ~男、男っていうのは飲んでナンボなんだぞぉ。なぁたけぇ。」



『ハハハ。ですねぇ』



…お父さんいつの間にかできあがっちゃってるじゃん(笑)!



…そりゃビール2杯に焼酎6杯飲めば酔うわな。



お父さんはその後も陽気に話してくれた...。



とってもいい感じだ。



時間もだいぶ経ち、お開きの時間になった...。



「じゃあ、たけまた遊びに来なさいね。嫁にはあげられんが、うちの愛子と仲良くしてやってな。」



『えっ!?』



…嫁にはあげられん?



…どういうことだ?



「ちょっとお父さん!何言ってんの!?」



お父さんのいきなりな発言にオレだけじゃなく、



愛子もかなりビックリしている様子だった!



「愛子何いってんだぃ!

こういうのはちゃんと言っておかなきゃいかん!

たけ、うちは愛子一人娘だから婿をもらわなきゃいけんのだよ

それともたけが婿にくるかい(笑)?」



お父さんは酔っ払らってるせいか笑いながらいっている。



…ムコ??



…ムコ養子ってことか?



…そんな展開今まで考えてもみなかったな!



…こればかりは「ハイ いいですよ。」なんて簡単に返事なんて出来ない。



『はははは......。』



今のオレには笑うしかできなかった。



「じゃあ私、たけ送って行くから先帰ってて。」



『じゃあ今日はありがとうございました』



「ハイハイまた遊びに来なさいよ。」



お父さんは千鳥足でお母さんに引っ張られながら家の方へ歩いて帰っていった。



…ふぅ。よかった嫌われはしなかったみたいだ。



ようやく肩の荷が降りた瞬間でもあった。



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