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ありがとう、、、。(前編)  作者: チャー丸
第1章 幸福
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第5話 『いたる決戦の日』


決戦の日



来てしまった!



今日は25日!もうお昼の12時だ。



寝ぼけながら家の全身鏡の前に立つ。



…おー!腹の肉!


…顎の肉!


…太ももの肉!


…身体が軽いぞ



全体的に減っている。



確実に一回り小さくなった。



しぼんだって表現がピッタリかもしれない。



良く頑張ったと身体をみて思う。



2週間で7.5kgまで何とか落とす事が出来た。



時には、空腹に負けそうになり、早々と寝たり、、、。



自分なりに超頑張った!!!



人間ヤル気になれば何でもできる。



オレでもできる。



それを実感した瞬間だ。



歯磨きをして、髪をセットし、着替えをして用意万端だ!!



『ヨシ!行くか!』



1人で自分に気合いを入れ、相棒の180SXに乗り込んだ。



今まで恋人だった180SXは、今日から相棒に降格である。



今から向かうのは、花屋さん。



オレがサプライズで考えて出した答えが花。



しかも真っ赤なバラを歳の数だけ贈る。



絶対キザで恥ずかしいけど、じゃ実際貰った事あるかと聞くと多分貰った事ある人なんて、かなり少ないはずだ。



しかも歳の数だけ花束を誕生日になんて。



でも花を貰って嫌いな人はいないと思う、、、。



という事で、バラの花束になった。



他にもケーキを買い、花束の他にもプレゼントを用意した。



洋服もユニクロだが、ちょっとオシャレ系のものを新しく買った。



…恋って大変だぜ。何かとお金がかかる(笑)



そんな事を思っているうちに花屋に着いた。



花を買うだけなのに緊張する、、、。



今時バラの花束なんて、、、。



『あの、、、。バラの花をえーと、19本!』



多分今のオレの顔は、バラと同じ色をしていたと思う。



「お客様、プレゼントですか?」



『えー、まぁ、、、。』



「きっと喜んでくれると思いますよー。最近は、買っていく人も少なくなりましたから、、、。』



…頼む。恥ずかしいから喋ってないで早く包んでくれ、、、。



『ですかねぇ、、、。』



「はい、どうぞ!ありがとうございました。頑張ってくださいね。」



『あっ!どうも、、、。』



あんまりカッコよくないオレにバラの花束のバリューセット



実に似合わない、、、。



…喜んでくれるかな?



ちょっと渡すのが楽しみだ。



トランクにそっと花束を置き、待ち合わせ場所に向かう。



この1週間オレなりに色々考えた。



…どうすれば好きになってくれるか?



…どうすれば付き合えるか?



…オレは、どうすればいいのか、、、。



考えていても結論は出なかった。



ただ、オレが愛子の事を大事に思う気持ち、、、。好きな気持ち、、、。愛おしい気持ち、、、。離したくない気持ち、、、。



今は誰にも負けないくらい愛子が好きだ。もし、愛子が寂しくなったらすぐに飛んでいく。そんな風に自分にできる事を行動に示そうと思った。



普通の人よりカッコよくないと思っていたオレは、そういう所で他の人より補うしかないと思ったのだ。



…思いだけは絶対負けない!



最近たまにハンサムなヤツに嫉妬すら覚える。



【ピロリロリーン】



””着きましたよぉ。””



…愛子だ。



””オレももう時期着くから少し待ってて!””



…送信!



…あと3分で着くな。



…あー!緊張で胃が痛てー!!



あっ!いた!!!



やはりそこに立っていた愛子は写真同様かわいいままだった!



以上に心臓が高鳴る、、。



さらに初対面だから化粧も増してさらに磨きがかかっている!



そんなオレはどうだ!



いけているのか?



2年前の写真を送り、ダイエットして、一応は痩せた!



でも生まれ持って来たポテンシャルのレベルが違う!



愛子クラス!これは化粧など、いらないだろ?そう写真で思ったくらいだ!



じゃオレはどうだ?



痩せていればまだイケる可能性はあるが7.5キロ痩せてもまだ太い!



そんなオレは車という武器と、バラの花束と、いろんな物で武装するしか無かった。



海老で鯛を釣る?



いやいや海老でカジキ鮪を釣ろうとしてる状態だ。



『ごめーん!待った?』



愛子の横に車をつけてウィンドウを開けた。



「ううん、全然。来たばっかりだよぉ。」




『じゃあ、行こーか?』



「ねぇ、カラオケ行かない?」



『うん、いいよ。』



そして決戦は切って落とされた!



どこに行くか決まってなかったのと、緊張してたのでカラオケの誘いは、助かった。



カラオケで歌っているうちに緊張も大分解れ、普通に色んな事を話せる様になって時間もいい時間になっていた。



…もう夕方か。そろそろ向かうかな?



『ちょっと行きたい場所があるんだけどいいかな?』



「いいよぉ。じゃあ、出よっか!」



向かう場所は、オレとヨネとアカ3人で山道をドライブしていた時にたまたま見つけた絶景ポイント。



この場所で3人頑張ろうと誓った場所で、よく落ち込んだり、1人になりたい時とかに来ていた。



更にシチュエーションって武器で自分の攻撃力を上げる作戦だ!




『着いたよ。こっち、こっち』



車から降り、手を繋ぎ例の場所へ向かう。



…あれっ?!いつの間にか手を繋いでる。



あまりにも自然に手を繋いでいて、気づかなかった。そのまま手を繋ぎ、やっと着いた。



『ココ!』



「うわぁー。超キレイ!すごいね。こんな場所があるんだぁ。何か地球って丸いって分かる様な気がするー。」



『愛子!ちょっと待ってて。忘れ物しちゃった。すぐ取ってくるから!』



「うん。」



オレは、愛子を近くのベンチに座らせ片道100mの道を戻った。



そう、あの似合わない花束を取りに、、、。



トランクを開けバラの花束を取る。



…あー!緊張してきたーー!



…もう後戻りできないよな。




…行くしかないよな、、、。



…神様、ちょっとだけ勇気を下さい。



頬っぺたを両手で叩き気合いを入れ、いざっ、出陣!!



『ヨシ!行くかぁ!』



この100mがどれだけ長く感じたかわからない。



喉はカラカラ、手は汗をかき、顔が熱い。多分またバラ色になっている。



完全フル武装状態だ!



これでダメなら何をしても無理!



なんとしても付き合いたかった!



卑怯だと言われてもいいと思った。



そのくらい写真の愛子に一目惚れしたんだ!



この恋が最後の恋なっても構わない!そのくらい思ったくらいだった。



ベンチに座り景色を見てる美女の愛子!



忍び寄る野獣のオレ!




一世一代の大勝負!



手をギュッと握り力を入れて後ろに立った。



…最善は尽くした!




…もうこうなりゃあ、当たって砕けるだ!!



『愛子!これ!お誕生日おめでとう。』



下を向きながら花束を差し出した。もう恥ずかしくて顔を見れない、、、。



『もし、良かったらオレと、、、。』



…言え、、、。



…言うんだ、、、!



…もう今しかない!!!




『結婚してくださいっ!!』



…結婚??




『あっ!いやっ!?間違えた。

あのー、付き合ってください。』



…カッコワルーー。



緊張のあまりセリフを間違えちまった。



生まれてきた中でこんな時間がゆっくり流れたと思った事はなかった。



その時、、、。



「あははは。剛さんらしいねぇ。どうもありがとう。誕生日に花束なんて貰った事ないから超感動したぁ。愛子も剛さんとお付き合いできたらなぁって思ってましたぁ。」



『えっ、、、?じゃあ、、、。』



「はい、私なんかで良ければよろしくお願いします。」



…産まれて来てよかった。



…もうどうしようもできない熱い思い、、、



気がついたら、、、。



愛子をきつく抱き寄せていた。



釣れてしまった!



海老でカジキ鮪が、、、。



夢みたいだ!



嬉しくて死んでもいいと思う程だった。



「あのさぁ、剛さん。今日この25日を記念日にして毎月25日には、必ず記念日メールを送ろうよ。その日は、メールの文字数いっぱい255文字全部埋めて今日のこの気持ちを忘れない様に。愛子は、今超幸せな気持ちだからっ!」



『わかった。そうしよう!』



2人でした初めての約束だった。



バラの花束に忍ばせたプレゼントにも気づいた様で子供の様に喜んでくれる愛子の姿が狂おしく愛おしい。



プレゼントは、イニシャル入りネックレス!2人のが合わさるとハートになるデザインだ。




ペアルックみたいなものが欲しかったので丁度よかった。



…もう19時か。



…そう言えば愛子門限があるんだったな。



『愛子、そろそろ送っていくよ!時間マズイだろ?』



「えっ?愛子友達の所に泊まるって言って来たから大丈夫だよ。」



…友達の所に泊まる、、、?



…大丈夫、、、??



…えっ?



『えぇーーー!!!そうなの??』



「ビックリしたぁ?」



…ビックリなんてもんじゃなかった!



…これがサプライズ返しってやつか?



『じゃあ、ウチ来る?』



恐る恐る聞いてみる。



「うん!!」



こうして美女と野獣は、付き合っていったのだ。




いつまでもずっと幸せでいれると思っていた。



この手を離す事なんてないと思っていた。



だって、運命の人だから!



しかし、運命とは非情なものだ。



ちょっと幸せすぎたから神様がヤキモチ妬いたのかな。



ちょっと幸せすぎたからバチが当たったのかな。



でも、どうしてウチら何ですか?



神様、他にもラブラブな人はいっぱいいるじゃないですか、、、。



神様、、、。



これも運命ですか??



これが運命と言うのならオレは運命を憎みます、、、。



が、しかし、まだまだ歯車が狂うのは先の話。



今のラブラブなバカップルには、気づきもしない先の話である。



そう、今は2人とも運命に感謝してもし足りないくらい幸せなのだから、、、。



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