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ありがとう、、、。(前編)  作者: チャー丸
第1章 幸福
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第2話 運命の出会い

””メル友になりませんか?””



……誰だろう。女の人かな??



””いいですよ。今ちょうどバイト終わって、家に向かってるんで、少し待っててもらえませんか?””


オレはバイクを端に寄せてあまり慣れていないメールを打ち送信ボタンを押した。



””はぁーい、わかりましたぁ^_^ ””



…”たぁ”だってよ。



…しかも絵文字付きかぁ?



…こりゃあ女の人だな。



オレの中で春の予感がした。



いつもはゆっくり帰るのだが、何かを期待するオレは、いつもの2倍アクセルを捻る。



捻ると言ってもミッションタイプの原付きNSR50だ。



オレの高校時代の青春マシーンで、こいつと船に乗り、船を降りたら、カブに乗ったヨネがいた。



そう言う訳で、バイト先には車の止め場所が無いから、オレのNチビでバイトにいた。



そんなバイクのアクセルを開けてマッハで帰った。



そう!オレは非常に単純でわかりやすい男なのだ。



家に着き、靴を脱ぎすて夜ご飯の用意をしながらケイタイを取った。



””今帰ってきました。っていうか、どこに住んでる人ですか?オレは、◯◯です。オレのアドレスは、どこから知ったんですか?””



…送信ポチ!



1番気になる質問を2つしてみる。



ちゃんと質問を書くと会話が途切れない。



そう恋愛マニュアルに昔書いてあった。



昔?いつだろうか?



もう高校時代多分女に飢えていた頃かもしれない。その頃に書いてあったような、、、。



そんなウル覚えの記憶を引きずり出して6年越しに今実践中である。



ケチャップライスを炒めていたのだが、どうもメールが気になってしょうがない、、、。



そして、卵を焼いていると、



【ピロリロリーン】



””お疲れ様でしたぁo(^-^)o

バイトやってるんですかー?何やってるんですかー?

私は、愛子って言います。高校を卒業したばかりの18歳です。友達が欲しくて、番号は適当でメールしました。住んでる所は、◯◯です。友達になってくれると嬉しいです(≧∀≦)ヨロシク!””



…◯◯?同じ県じゃん!!



…えっ?マジ、マジ??



…18?若っ!!



この時頭の中に勝手に愛子の顔を想像してしまう。



出てくる想像の顔は、自分のタイプの顔ばかり。



いつも勝手に美化して思い込んでしまう方だ(笑)



っていうか、そういうもんでしょ、、、。



色んな事が頭の中で妄想が渦を巻いている中、鼻に香る焦げた臭いで現実に引き戻される。



『うわっ!!真っ黒じゃん!』



誰も居ないのに叫んでしまった。



焦げた真っ黒けの卵焼きを見ながら



『プッ!!』



思わず1人で吹き出してしまった。



何をやってるんだろうと思ったら可笑しくてしょうがなかった。



今日の晩御飯は、卵焼きが黒い大盛りオムライス。



味は、当然微妙だ、、、。



ご飯を食べながら、ケイタイを手に取った。



””オレは、藤原剛。オレも◯◯県なんだけど!◯◯のどこの人??””



…ブラックメール送信!!



1人で意味もないフリで送信!!



酒も飲んでいないのに、久しぶりの女の子からのメールで、ウキウキだ。



全く20歳にもなって恥ずかしい。



テレビの前の机の上に失敗したオムライスと烏龍茶が、運ばれていく



テレビを見ながらオムライスを5口くらいたべていると,



【ピロリロリーン】



…メール返すの早っ!!



””剛さんは、どこですか?私は、◯△ですよ””



…『ぶっーーーーーー!!』



衝撃的な内容に食べていたオムライスを吹き出してしまった。



…隣の町じゃん!



偶然のメール!



それは、電話番号がメールアドレスだったからたまたまオレにメールをくれたのだろう。



最近は、迷惑メールも多くなりかけて電話会社がアドレスを携帯電話番号@から自分の好きなアドレスに変えましょうと呼びかけがされていた中、オレもアドレスを変えようと思っていたが、めんどくさくて、変えなかった。



むしろ変えてなかった自分にグッジョブ!マジ良かったと神様に感謝すら覚える。



そして、これまたなんとたまたま偶然の隣町!



シャイボーイが運命を感じ始めるのには、充分の素材だった。



それにしてもまだ3回しかメールをしてないのに、運命??気が早いにも程がある。



…とりあえず早くこの内容をお知らせしなくては。



””エッ?マジ!オレ隣町の◯??だよ。めちゃ近いじゃん。さっき返し忘れたけど、バイトはピザの特急便屋さんです。愛子さんは、何か働いているの?””



送信してから、もう夜ご飯なんかどうでもよくなって、メールの返事が気になってしょうがなく、ケイタイを睨み続ける。



【ピロリロリーン】



ケイタイが鳴ってから取るまで1秒。



これが早押しクイズのボタンなら今は負ける気がしない(笑)



””エーッ!!剛さん。めっちゃ近いですねー。運命とか感じちゃいますね。私は、7月から空港の方で仕事が決まってます。今は、ヒマ人プーさんですよー。””



オレは、ケイタイを握ったまま嬉しさのあまりベッドへロケットダイブした!!



…運命だって。



…運命って書いてあった!!



…運命って事は、いずれ結婚して、、、



『あなた、おかえりなさい。ご飯にする?お風呂にする?それとも…?』



…なんて事があったりしてー!!



ムヒョーーーーー!!!!!!!



もうここまでくるとただのバカで手がつけられない。



運命と言う言葉は、1人のシャイボーイを暴走させるには充分である。



しかし、運命と言う言葉がオレと愛子の距離をグッと縮めたのは間違いない。



今いっぱいの幸せをオレにいっぱい運んできている運命。



しかし、いずれ不幸せと言う名の試練を運んで来ようとは今の浮かれバカシャイボーイには、気がつくはずもなかった。

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