第1話 マブダチ3人組
オレは、藤原 剛。工業大学に通う20歳の大学3年生。
1人ぼっちで田舎の大学に来た。
別に、大学に行きたかった訳ではないが、
高校の先生が、この大学ならコネがあるから楽に入れるぞ!と言う言葉に惹かれただけ。
高校を卒業してもやりたい事も何もない。
かといって、猛勉強していい大学に行きたいとは思わない。
オレは、一生懸命と言う言葉が嫌いだ。
だから自分探し半分、就職というツライ道からの逃げ半分で、この大学に来た。
「この授業つまんねーなー。早く終わんねーかな。」
オレの横で、机にふて寝しながらペン回しをしている男。
この男は、『ヨネ』
オレが1人で寂しくというより心細くかな?船にバイクを乗せて船からバイクで降りた時、でっかい荷物を抱えスーパーカブに乗って
地図を見ていたのが、ヨネ!!
ここら辺には、この大学しかなく
こいつは、オレと同じ大学に行く奴だと直感したオレは、男をナンパしたのだ(笑)
学部も同じ事もあり、今じゃよくつるむマブダチである。
そして、反対側のオレの隣で
カキカキ、、、、
とマジメにノートを取っているのが、
『アカ』
アカとヨネは、元々寮の隣同士。
あまり喋らずどっちかというとマジメな方で、オレとは正反対のような気がするが、アカもオレのマブダチである。
テストは、いつもアカのノートを借りていた。
マジメな人が周りにいると、非常に助かる。
大学のテストは、ノートの持ち込み可のテストが多い。
オレは、いつもアカのノートを茶色ルーズリーフにコピーしてテストを受けていた。
まさに悪知恵だけは、一級品!!
これが、全然バレないもんである(笑)
お互い全然違う性格だが、何故か一緒にいると心が休まるのがアカである。
【キンコンカンコン、、、、】
この鐘の音を待っていたかの様に立ち上がる。
もうチャイムが鳴る前から机の上には、教科書を片しカバンがあるだけ。
まるっきりヤル気0である。
『ふぁーー。疲れたー!!帰ろうぜ』
別にノートを取っていた訳でも先生の話をマジメに聞いていた訳でもないのに何が疲れるんだろうか(笑)
この後3人は、アパートまで車を飛ばしながら帰るのが日課である。
そう 3人の共通の趣味、車!!
土曜の夜は、いつも一緒に峠に走りに行く同志でもある。
まぁ、そういう風に洗脳した張本人はオレだ、、、。
元々は、オレ1人で180SXで、横にヨネを乗せ、夜な夜な峠に遊びに行っていたのだが、いつの間にかヨネは、S13シルビアを買い、アカはJZX70スープラを買った。
週末の夜のドリスポットには、不思議な魔力がある。
オレも初めて先輩の横に乗せてもらい、連れていって貰った時、自分の知らない世界に鳥肌がたった。
何だここは、、、。
車が横を向きながら走ってる!!!
本当に上手い人は、見てる人の視線を釘付けにする。
心を奪われると言うのはこの事をいうのか。それは、まさにヒーローのようだ。そして、同じ趣味を持った者同士が和気藹々と集まっている。
そんな不思議な魔力を持つ峠にオレだけでなく、ヨネもアカもハマったという事だろう。
そして、オレもその魔力に惹かれ初めて買ったのが180SXだった。
今はオレの恋人である。
車なんて、ただ移動する為に使う道具。
なんて人も結構いるが、オレはそう思わない。
オレの周りのみんなの車は、結構ボロいのが多いけど、みんなそれぞれ愛着をもってカスタムして車にLOVEして乗っている。
オレもその1人。
いつも通りの授業が終わった3人は、そんな恋人に乗り、アパートまで1つの山を3人で追いかけっこしながら越えて帰る。そんな毎日。
「タケ、あんま踏みすぎないでよ。ガソリン少ないみたいだから。」
アカの車は、パワーはあるが、ガソリンの減りも早い。お金のかかる恋人を持つと大変だ。
『大丈夫。オレもねーや。ハハハ』
バケットシートに座り、ガソリンゲージを見るともう1/4をきっていた。
アカのもガソリンを食うが、オレのも似たようなもんらしい。
「お先にー!」
不意をついてセフィーロのグリルを無理矢理付けたヨネの愛機13シルビアが先に帰って行った。
『ヨネ相変わらず帰るのだけは最速だな』
「タケだっていつも負けてないよ。」
『ちげーねーや。ははは。』
運転席から窓を開けてアカと話していたら、ヨネがどんどん行ってしまう。
『ったく!オレから逃げれると思うなよ!』
そうギアを1速に入れて家まで追いかける。
そんな日常だった。
ここから3人は行動が別れる。
帰ってきてメシを食ってバイト、、、。
学生は、お金がキツイ!!!
だから、働かなくては。
働かざる者食うべからずってね。
ここまでは3人一緒だが、職種が違う。
あの2人は焼肉屋のウェイター。
オレのバイトは、最速のピザ配達人。
自分で言うのもなんだが、バイクテクには、まぁまぁ自信がある。
といってもまだ4月。外回りの仕事はまだ堪える。
ヨネやアカのようにウェイターのバイトをしていたら、こんな寒い思いはしなくて済むけど、接客は大の苦手。
意外とシャイボーイ、、、、なのだ。
今日も最後の配達を終え帰っている途中、オレのP501のケイタイが鳴った。
imodeが始まったばかりの携帯で首からぶら下げるストラップが流行りアンテナは着信が来るとピカピカ光るアンテナが流行っていたそんな仕様のオレのケイタイが鳴った。
【ティロリロリロン、、、】
そして、すべてが始まる物語のこれが初メールである。
''''メル友になりませんか''''
このメールが、オレに届いていなければ、、、
オレは、どんな人生を送っていたのだろうか。