第12話 みんな...。
目の前には、見慣れた車達がみんなこっちを向け、
眩しいハイビームでオレ達が立ってる夕焼けの教会を照らしていた。
…ヨネ...。
…みんな...。
…わざわざ来てくれたんのか...。
「オィ抜け駆けなんてすんなよな、みずくせー!みんなもうマブダチなんだからさ。」
…ソイチー...。
『わりぃ!みんな忙しいと思って言わなかった。』
「とりあえずオメデトな。」
ソイチに吊られてみんなもよって来た。
ヨネをみるとなんか照れ臭そうに、
人差し指で鼻の下を擦っていた。
…そっかぁヨネがみんなに伝えてくれたのかぁ...。
そんなヨネも近付いてきた。
「タケ本当おめでとう。今日はタケにもう一人、会わせたい人がいるんだ....。」
そう言うとヨネの後ろから誰かちょこんと顔を出している。
『アカッ!!』
前よりちょっと大人っぽくなってはいるが間違いないアカだ!
「タケ元気にしてた?」
『オゥばっちりよ!アカは?』
「元気だったよ。ビックリしたよヨネからいきなり今日タケ結婚するって聞いてさ。
ちゃんと僕も呼んでよ!まったく。」
アカはワザワザあのスープラで片道300KMを全開で来てくれたらしい。
お父さんも式場から出て来た...。
『お父さん!この人達みんな暴走族みたいな車に乗ってますが、
みんな大切な友達なんです。』
お父さんは何も言わず頷いている。
「言わなくてもわかってる...。
みんな暴走族とは思っていないよ。
たけはいい友達を持ったね。」
『ハイ!』
「ハイハイ!そこのお父さんもお母さんもみんなで写真とりましょ」
お調子者のソイチが言う。
「じゃあオレタイマーかけてくるからオレが戻って来て人生って言ったらみんなで最高!って右手あげるんだぞ
お父さんもいいですよね。」
ソイチがシャッターのタイマーを押しにいって戻って来た!
「じゃあみんないくぞ!人生、」
「『最高ー!!!!』」
【カシャ】
…母さんオレの周りには大切な人がいっぱいだよ。
…お金なんかに変えられない掛け替えのない人がいっぱいだよ。
…みんないい奴ばっかだよ。
…母さんオレを生んでくれてありがとう。
…大学に行かせてくれてありがとう。
…母さんが言ったように最後まで卒業するまでいて大切ななにかを見つけたよ。
…それは目の前にいるみんななんだ。
…母さんが生きてるうちにいいたかったけど今言わせてくれ!
…本当死ぬまで一生懸命育ててくれてありがとう。
…オレはもう大丈夫だよ。
…あの時はあんな泣いたけどもう淋しくないよ。
…だってもう一人じゃないから!
こうして幸せしかない二人の生活が始まった。
ずっと幸せなはずだった...。
ずっと守ってやるつもりでいた...。
愛子意外の人を愛す事なんてありえない!
この時はそう思っていた!
そう幸せと言う、運命の歯車が、はずれるあの時までは...。
第1章 幸福 完