永久の一日
「ふふっ、あははは!!」
途端に笑い出す柚子さん。
その顔はさっきまで悲しい顔じゃなく、涙を浮かべた笑顔。
頬はほんのりと染まっているが、その表情はすっきりとしたものだった。
「永友くん、いや、柚樹くん。私なんかを好きになっちゃ駄目だよ?明日にはまた柚樹くんのこと忘れちゃうんだから」
「駄目とか、なんかとか、そんなの知らないよ。柚子さんが忘れても、僕は柚子さんを忘れない。ずっと、何度だって柚子さんに恋してみせるから」
「本当に?本当にずっと?ずっと一緒にいてくれるの?」
まるで犬のように見つめてくる柚子さん。僕は彼女の手を握って、彼女の唇にキスをする。
キスは誓いの証。
あなたへと誓う絶対の意思。
「柚子さん、好きだ。これからもずっと、僕はあなたと一緒にいるよ」
「でも、だって、そんなの、ずるいよ、ゆ、ずき、くん」
顔を真っ赤に染めて泣く柚子さん。そんな彼女が愛おしくて、安心させるように体を抱きしめる。
嗚咽する彼女の背中をポンポンと優しく叩きながら、僕は彼女の頭を撫でていた。
「柚樹くん」
「もう、大丈夫?」
「うん。あはは、後輩に恥ずかしいところ見せちゃったかな?」
「ううん。大丈夫だよ。どんな柚子さんでも、僕は大好きだから」
「うっ、は、恥ずかしい言葉禁止!もうっ、本当に心臓に悪いから!」
「ごめんごめん、でも。本当に好きだから」
「……私も。私も好きだよ柚樹くん。柚樹くんの体、なんだか安心するの。やっぱり出会えたのは、運命なんだなぁって」
「うん」
「柚樹くん、ありがとう。こんな私と一緒にいてくれて」
「うん」
「ふ、不束ものですが、よ、よろしくお願いします」
「こちらこそ。絶対に、幸せにするからね」
目を瞑った柚子さんに顔を近づけて、またキスをする。
何度かは分からないけど。
何度誓ったか分からないけど。
何度だって僕は初めましてって言ってみせるから。
柚子さんのためだけに。
また明日、僕はあなたと恋をする。