1.5
書き直しがよく入りますが大筋は変えないようにします。
『行ったのね・・・』
実際にメアは彼を送り出したがその仕事を彼がこなせるとは思ってなかった。
爵位をもらうほどに優秀なメアにとってもその仕事はこなせない可能性のほうが高い。
少しでもまじめになるように・・・そんな思いで彼のこの仕事を託したのだ。
『怪我とかはしないうちに帰ってきてほしいなぁ・・・』
思っていることを口に出すと顔が熱くなってくる。
彼女はあのダメ男にホの字だったのだ。
そのため今まで説教という名目で呼び出したりしていたのだが、他の部下との対応の差を疑われたためこうして彼をしぶしぶ送り出したのだ。
彼女が彼に惚れたのはダメ男が好みなわけではない。
彼女は今でも始めて会ったときの事を鮮明に覚えていた。
『もう100年かぁ。』
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メアはそのときはまだ下っ端というべき存在だった。
悪魔の能力の質は才能、数は努力で決まる。
メアには前者が足りていなかった。
そのせいか彼女はうまく仕事の成果を上げれずに上司からの説教をうける事となった。
「おまえはそんなこともできんのか!!」
でっぷりと太った脂肪が怒鳴るたびに揺れる。
脂ぎった顔は怒ったような顔をしながらもその目線はいやらしく、彼女の胸に注がれていた。
『すいません。』
彼女には謝る事しかできなかった。
「本当にそう思っているのか?」
太く歪んだ顔が更に歪む
「ならばこちらに来たまえ。」
『えっえっ!?』
太った上司は彼女の前まで来るとその肢体を舐めるように見た後その腕を掴む。
メアにとってこんなに露骨にセクハラをしてくるのは (友達のサキュバス) を除いて初めてだったという事もあって強く拒否する事ができなかった。
怖い
彼女がそう思ったときだった
穀潰し(主人公)と会ったのは。
「来てやったぞ。」←口上
(また説教ですか?)←本音
このころも能力が発動したままになっており、いった事と真逆のことを喋っていたのだが、彼女にとっては彼がヒーローのように見えた。
「なんだ!おまえは!?」
実はこの時あの穀潰し(主人公)は入ってくる部屋を見事に間違えていた。
「ふん、貴様に名乗る名などない!このクズが!」←口上
(あっ、お取り込み中だったのね、さーせん。)←本音
『助けて!』
メアはデブ上司の力が緩んだ瞬間に抜け出すと穀潰し(主人公)の後ろへと逃げ込んだ。
「そいつを渡せ。」
見ず知らずの男にいいところだったのを妨害されたデブは怒り狂っていた。
しかし太った顔は眉間にしわを寄せる事ができずただ目を細めているだけだったが。
「頭に乗るなよデブ。」←口上
(あっはい)←本音
メアにとっては衝撃だった。
彼女の世界にとって最も偉かった上司に対してこんな口を聞ける人がいるのを見るのは初めてだったのだ。
「おい女、どっかいってろ。」←口上
(さっさと戻ったら?)←本音
「は・・・はい」
なんと紳士的な方だろうか・・・メアは言われるがままその場を離れた。
その後ろでは「貴様は首だ!」という声が聞こえた。
メアは帰って祈る事しかできなかった。
そして次の日
メアの中には申し訳ないことをしたという気落ちが渦巻いていたのだ。
悪魔にとってクビは死をあらわすといってもいい。
彼女は助けてもらった人を殺したのだと思い込んでいた。
しかしkのジョの元に届いた情報は違ったものだった。
「ねぇメア!あの糞上司クビになったてさ!!」
『えぇぇぇ!!』
彼女は驚嘆を隠せなかった
どうやって?
彼は何者なんだろう?
強い人だったな・・・ソレに比べて私は・・・・
そしてメアは強くなる事を決意する事になる。
そしてこれがメアが恋に落ちた瞬間であった。
ちなみに知られていない事なので仕方のない事だがあの穀潰しの頭にあった黒色の角はある悪魔の一族である事を指すことを知っていたならば彼女の上司もクビにならなかっただろう。
またメアもそのことを知るはずもなかった。
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『早く帰ってこないかなぁ・・・』
彼女の憂いは始まったばかりであった。
お読みくださってありがとうございます