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8話 これで終わりだと思ったのに

・・・うん、惚れたわ、・・・俺って惚れやすいのかな


「っ、そ、そうかすっげえ嬉しいよ」


「!うん!自分以外は簡単には信じてはいけない!皆は責任の一つもなにも無い事を平気で言うからね~」


・・・俺、思ったんだが、こいつ最初会った時となんか性格?違くね?いや本当なんか違くね?


「ま、まぁ皆会話を繋げようと必死に適当な事言ってるしな、俺の周りでも必ずあるよ、そういうこと」


まぁ、皆が皆何を言って傷付いているかなんでわからないしな、本当に


「・・・まぁ、うん、そう、だね、でも分かってて言ってくる人、居ない?」


「え?」


分かってて言ってくるって、悪口、の事か?え、わからないんだが


「・・・ううん、やっぱなんでもない、忘れて?」


「っえ、あ、あぁ」


愛月は俯いていた顔をあげ笑顔で言った、偽りの笑顔だが。う~ん、忘れてって凄い気になるんだが、・・・まぁ、少し知り合いになった程度だしな、詮索しない方がいいな、俺の身のためにも


「うん、あ、それで匂いどう?落ち着く」


暗い話しは嫌なのか話しを紛らわしてきた。って言ってもこっちは凄い気になるんだが、どうしようか


「あぁ、良い匂いだな、落ち着く」


俺今どんな表情で言ってるんだろうな、ニヤけたアホ面してたら本当に嫌なんだが、無表情で言ってても嫌だし・・・うん、全部嫌なのかな


「そっか、良かったもっと嗅いでいいよ」


嬉しそうにしながら腕を鼻に押し付けてきた、匂いとしては甘い匂いだ、洗剤の匂いでもなく、表現のしずらい匂いだな、まぁ、とりあえずいい匂いだ


「っ、ちょ、お、押し付けんな口に当たるから」


「?別に口に当たっても平気だよ、あ、汚いかな?服」


腕を引っ込め服が汚れているか見ている、その目はとても真剣な目をしている、なんでそんな事にそんなに真剣になれるのだろうか、そう思った。


「い、いやそう言う事じゃなねえよ、逆だ、逆俺の口に服が当たって唾でもついてみろ?弁償しなくちゃならねえ」


実際に小学校の頃に女子の服が俺の口に当たって弁償しろって言われたからな、これだけは本当に勘弁してほしい、多分この世界の通貨と俺の世界の通貨絶対違うからな、しかも多分俺財布持ってきてねえし


「え?わ、私は別に気にしないよ?悠月の唾とかなら、他の人のだったら嫌だけど、にしてもそっか、私の服が汚れてたわけじゃないんだね、よかった」


結構真剣に困っていたのか俺の言葉を聞いた瞬間落ち着いた表情を浮かべた、どうやら本当に落ち着いているようだ、それと別に気にしないとも言われた。うん、すっごい過激なスキンシップしてる筈なんだけどな


「そ、そうか、てっきり引かれると思ったぞ、俺過去に服に口が付いちまって弁償されそうになったからな」


「っえ、そ、そんな事あったの?」


何故かかなり驚いた表情でこちらを見てきた、何故そんなに驚いているのかはわからないがかなり驚いている。俺何かなしたかな


「あ、あぁ、まぁ俺は何も悪くないから弁償なんてしてないけどな」


俺の口って服より汚いのかな、今更だけど、いや服の方が汚いよな?


「へ、へぇ~そうなんだ、悠月ってな、目が死んでるとか服を弁償しろとかなんか不幸、だね」


どうやらこの二つだけで俺が不幸だと思ってくれたらしい、うん、本当理不尽だよな、これ見た目なのに


「あ~、ま、まぁ、なまぁ多分悪気があって言ってるってわけじゃ、うん、ないと思うぞ」


俺、強がるなよ、これ完全に悪気があって言ってたと思うぞ、多分


「・・・悠月、これからは私だけを信じればいいよ、他の人達なんて何も信じなくていい」


「う、う~んそれは無理じゃないか?それだとお前とだけ関わっていく事になるし、多少は信じないと」


それができたら苦労しねえよ皆、はぁ~、にしても怖いわ、なんか愛月がヤンデレに見えてきたぞ


「そうだよ、悠月は私だけを見てればいいの、私だけを信じてればいいの」


体をこちらへ寄せ、余計に顔を近づけてきて言ってきた、俺の顔とこいつの顔の距離たったの数センチ、顔近すぎだぞおい、それと告白紛いな事言わないでくれ恥ずかしいにも程がある


「お、おい俺とお前は今日会ったばかりなんだぞ?距離的にも近すぎるし、お前の事そんな簡単に信じられねえよ」


あ、そうだ、そうだよ俺何でこいつの事信用しようとしたんだ?もしかして魅了されてと言うかマインドコントロール?されそうになったのか・・・?いや、それはねえな


「っ!あ、そ、そうだったね、ごめん。焦りすぎたね初日、というか数時間前に会ったばかりなのに、あはは」


おい、焦りすぎたねってどういう事だよ、何かそれ俺が帰れないみたいな言い方に聞こえるんだが、・・・え、俺帰れるんだよな??


「なぁ、聞きたい事があるんだが、俺ってこの世界から元の世界に帰れるのか?」


帰れないなんて言われたらどうするか、この世界で生きていく術なんて何もねえし


「えっ、あ、あ~えっと」


愛月は悠月から聞いた瞬間顔を青ざめ、顔を汗でいっぱいにしている。この反応、これは絶対に


「・・・俺、もしかして帰れないとか?」


人間って要らない願いだけは叶えてくれるよな、それとも俺の運が悪いせいか、どっちにしろ最悪だ、否定してくれ


「っ、ご、ごめん!話し相手が欲しくて、その、悠月の事何も考えずにクリスタル使っちゃって、本当にごめんなさい!」


・・・うん、最悪だ、本当に最悪だ、どうやって帰ればいいんだ・・・


「そ、そうか、えっとじゃあ、俺がこの世界で生きていく術はどうすればいいんだ・・・?」


「え、あ、うんそれなら別に大丈夫だよ、私仕事してるから一応食料の方では問題ないね」


愛月は笑顔でそう言った。そこで俺は思った、これって何か俺がこの世界に住み着くようにわざとやってないか?そう思う、いや、だって帰り方はわからないのに食料はあるって、絶対何か裏があるだろ


「・・・ここら辺、見た所結構貧しい暮らしをしている様に見えるんだが、俺とお前の食料なんてあるのか」


仮に俺がここに住めたとしても死活問題だけはなんとかしてほしい、・・・あ、そうだ忘れてた


「えっ、あ、えっとね、私街の方で働いててね結構お金もらえるんだよ、それでいつも私の分だけ買うんだけど、お金結構溜まっててね悠月の分くらいなら出せるなぁって」


愛月は何故か俺がこの家に住むことを前提にそう言っている、笑顔で、・・・いや、この際あまり言わない方がいいな、それより


「そうか、それは非常に助かる、死活問題だからな、それより」


そう、そんな事より、忘れていた、それはこいつが命を狙われている事


「愛月、お前の命を狙ってきたあいつ、どうするんだよ暮らしていくにもあいつが居たら安全にくらしていけないぞ?」


「・・・ぁ、そう、だったね、ちょっと待ってて?」


彼女は笑顔でそう言いベッドから降りて家から出て行こうとした、だが俺はそれを止めていた。


「!ゆ、悠月?寝てなきゃだめだよ!傷口が!」


「・・・いや、俺も一緒に行く、心配だからな」


一つ言っておく、俺が心配しているのは敵の事だ、嫌な予感がしたんだ、多分だが愛月はあの女を殺し、はしないと思うが念の為と


「っ!え、えっと、う、うんあり、がとう」


俺の言った事をそのまま受け取ったのか愛月は俯き礼を言ってきた、照れているのか頬が赤い、うん、可愛い


「あぁ、それより早くあいつのとこ、行こうぜ俺結構辛いんだ」


「!う、うんそうだね」


俺と愛月はなるべく慎重に警戒しながら家を出て女が居る木の場所へ行った




「え~っと、そのなんだ、あんたはこの状況でこいつを狙うのか?」


女が居る場所へ行ってみると女は大人しく縛られていた、以外だった、あんな殺人鬼絶対暴れてると思ったのに、暴れていなかった、いやむしろ何もしていなかった、それに対し俺は愛月の命をまだ狙うのか、それを確認するために問いていた。


「・・・いや、私は刀がなかったら何もできないからね、そこのお姉ちゃんの命は奪わないよ、刀を持ってたとしても返り討ちにされそうだし、なにより殺されたくないしね」


縛られているのにも関わらず結構余裕そうな顔で言っている、こいつは何がしたいんだ?


「っ、こ、殺しなんてしないよ、人なんて殺したくないし、まだ若い女の子なのに」


・・・つまり若くない女なら遠慮なく殺すって事になるんだが、いやそれは俺の解釈の間違いか


「・・・へぇ~、お姉ちゃん変わってるね、命を狙ってきたヤツを殺さないなんて」


「私は自分の手を汚したくないの、私はちゃんとした人だからね」


ちゃんとした人って刀を組手で太刀打ちできるのかな・・・


「・・・今更なんだが、あんた名前何て言うんだ?」


別に殺人鬼の名前なんて知りたくないんだが、一応命を狙ってきたヤツだからな名前くらい知って置いた方がいいだろ


「・・・篤姫」


「!へぇ~、そうなのか」


あれ、普通に教えてくれたぞどういう事だ、それに篤姫って、また日本名かよどうなってんだよこの世界


「篤姫さんか、良い名前だね、命を奪う以外には」


愛月のその顔は笑っていた、だが本当に笑っている顔ではなかった、皮肉たっぷりな笑みだった。まぁ、そりゃそうか、自分の命を狙ってきた者に良い名前ですね、で終わるわけないよな


「・・・お姉ちゃん、その笑顔怖いよ?」


「ん?まぁ、そりゃそうだよ、自分の命を狙ってきた人に本当の笑顔なんて出せるわけないし、それに悠月を後ろからおもいっきり刺したからね、良い感情なんてなにも浮かばないよ」


愛月は睨みつけるように篤姫を見ながらそう言った。篤姫は何故かそんな愛月を見ながら微笑んでいる。


こんな状況なんだが思うのもおかしいと思うんだが、結構嬉しいな、俺の心配をしてくれてるみたいで、うん


「・・・そっか、まぁそりゃそうだよね、それよりお姉ちゃん達気をつけた方がいいよ?私だけじゃないからね、お姉ちゃんの命狙ってきてるの」


篤姫も皮肉たっぷりな笑みでそう言ってきた、それについて俺はここまで気持ちが悪い笑みは見た事がないそう思った、そしてもう一つまだ終わっていないんだ、愛月の命はまだ狙われるんだ



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