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7話 もう愛月がメインヒロインでいいよな

・・・ん、ここは、どこだ・・・?


「あなたにとっての私ってなに?」


誰だ、この女の子、見た事がある気がする


「勝手に呼んだのは悪かったよ、でも、貴方は私なんだよ?」


?何言ってんだこいつ


「ねぇ、一緒に居てよ」


・・・さっきから、何言ってんだお前、それと人の話し聞いてくれ


「そっか、でも大丈夫だよ、悠月は私の」


おい、人の話し聞けって、それと何で俺の名前を



「づき」


「っんっ」


誰だ、誰かの声がする


「悠月!!」


「!っ、あい、ら?」


ここは、どこだ・・・?あれ、俺何してたんだっけ??


「!よかったぁ、起きた」


「お、俺は・・・」


あれ、本当に何してたんだっけ・・・?ん?ほう、たい?


「悠月、あの女の子に後ろから刺されて大量出血で気失ったんだよ?大丈夫?」


・・・!あ、そうだ、俺あの女に後ろからか、刀で腹を刺されて・・・!


「っ痛っ!!」


俺は包帯が巻いてある部分をつい触ってしまった、当たり前だが傷口に触れたようなもんだからすっごい痛い、しかも包帯も何重に巻いてるのに染みてきてるんだが


「い、一応魔法と薬を使って治療しておいたけど、大丈夫、じゃなさそう、だね」


「っあ、あぁ、すっげえ痛い」


この世界に治癒する魔法あるのか、流石異世界?平行世界?だな、・・・ん?治癒って、・・・そうだ、あの女はどこに行ったんだ・・・?


「な、なぁ愛月」


「ん?なに?」


「あ、あの刀を持った女はどこに行ったんだ?」


ここ、部屋の中、だよな?どこ探しても居ねえし、愛月はどこにも傷跡もないし生きてるし、どこ行った?


「!あ、うんあの女の子は今外にある木に縛って何もできないようにしてあるよ」


「・・・え?、お、お前あの女に勝ったのか!?」


「え、う、うん」


・・・まじかよ、ひ弱そうな体してるのにどうやってあの女に勝ったんだよ、いやあの女もひ弱そうな体してたけどさ、え、本当にどうやって勝ったんだ?


「お、お前どうやって勝ったんだ??何も道具も持ってなかったのに」


「どうやって勝ったって、組手で」


・・・刀を持ったヤツを組手だけで太刀打ちできるって何者だよ、俺、いつから気絶してたんだ・・・?俺が覚えてるのは愛月がえっと、自分と何か周りにある物を交換??だっけか?できる能力しか知らねえんだが


「そ、そうか、お前凄いな組手だけで刀に太刀打ちできるなんて」


「小さい頃にお父さんに習ってたからね」


嬉しそうな表情で言う反面、何故か段々暗い表情になった、聞いちゃまずかったか・・・?


「そ、そうか、えっと悪い、な」


「!う、ううん大丈夫、小さい頃は気にしてたけど今は昔ほど、じゃないから」


苦笑いしながらそう言った、その表情にはこちらにもわかるぐらい無理をしている表情に見える。


「そうか」


・・・そうだ、こいつは思ってる事が表に、顔に出やすいんだった、はぁ~、気絶してから記憶が混乱してるな、もうちょっと何か思い出せそうだな


「っそ、そういや、ここはどこなんだ?どっかの家っぽいが」


「あ、うん、ここは私の家だよ、ごめんね少し散らかってて」


愛月はそう言いながら立ち上がり、俺の周りに無造作に置かれた服、後は、し、下着を拾い奥の部屋に行った。


「・・・ん?これって、ベッド?」


俺、気絶してベッドに寝かされてたのか、・・・ん?ベッド・・・!!えっ、つまりこれって、もしかして・・・?


「・・・っ、甘い匂いがする」


おい、何やってんだ俺、人のベッドの匂い嗅ぐとかどこの変態だよ、しかも同性のベッドじゃないぞ?異性のベッドだぞ?・・・いや、ちょっと待て、必ずしもこのベッドが愛月のベッドだとは限らないぞ?父親、母親、もしくは他のきょうだいの可能性があるぞ?


「・・・いい匂いだな」


まぁ、愛月のベッドだったとしても仮にももう一人の自分なんだ、嗅ごうが嗅がないが自分なんだ、変態でも変人でも何でもない、自分の匂いを嗅いでるのと同じなんだ、問題なし


「眠くなる匂いだな・・・」


「自分の匂いって落ち着くよね」


・・・前言撤回、これすっげえ恥ずかしい事してるよね、いや、だって俺今枕に顔面埋めてるんだぞ?いや、本当にごめんなさい、気持ち悪すぎます


「っそ、そうか?」


「うん!嫌な事があったとしても自分の匂いを嗅いだ時って凄く落ち着く、特にベッドはね、自分の匂いがしみついてるから!」


俺は振り向くと同時にそう言うと愛月は満面な笑みでそう言っていた、先程までの暗い表情なんてなかったかのような顔だ、俺がやった事は返って良かったのかもしれない。うん絶対そうだ


「そ、そう、だな。俺も自分のベッドの匂い好きだぞ、落ち着くし心が休まるし」


「うん!そうだよね!沢山私の匂い嗅いでいいよ?落ち着いて怪我の治りも早くなるだろうし!」


・・・愛月って仮にも女の子、だよね?いやさ、いくらもう一人の自分といっても思春期の男に自分の匂い嗅がせる?・・・嗅がさねぇよ、変態じゃねぇか


「な、なんでお前の匂いを嗅いで怪我の治りが早くなるんだ?俺はお前じゃないのに」


「?え?悠月はもう一人の私だよ?私の匂いを嗅いだって悠月は私なんだらその布団の匂い、枕の匂いを嗅いだって自分の匂いなんだから落ち着くでしょ?」


・・・なんだその哲学?、すっげえびっくりだよ、え、もしかして遺伝子とか関係してるのかな?俺と愛月は同一人物だから遺伝子、血液は同じ、なのか?


「あ、あ~まぁ、そうなる、のか?」


「うん!あ、もし匂いが足りなかったら私を嗅がせてあげるから遠慮なく言ってね?」


「・・・あぁ、そうだな」


それだけは絶対勘弁してもらいます、変態すぎるだろ、何が私を嗅がせてあげるだ、こんな会話他人からしたら変人極まりないわ、まぁと言ってもこいつは俺だから、うん


「じゃあ、早速嗅がせてくれないか?」


流石にこんなド直球な事言ったら引くだろう、こいつも冗談のつもりで言ってるんだろうし。


「!うん!いいよ、怪我してるだろうから私が嗅がせてあげるね」


愛月は俺が怪我で動けない事を察し自分から笑顔でこちらへ近づいてきた、おいちょっと待てそこは引くところだろうが、おいちょっと近づかないで


「はい、嗅いでいいよ?落ち着くでしょ?」


愛月はベッドへ乗っかってきて俺の顔に腕を近づけてきた、それだけならまだいい、顔も近づけてきたんだ。普段他人と、特に異性と接触しないため、多分俺は真っ赤になっている。


「っあ、あぁ」


近い、近すぎる、こいつがもう一人の俺って言ってもこれは・・・意識しちまうよ。あぁ~、異性の自分に意識してる自分って凄くむなしい気がするんだが、いや、これはある意味レアなのかもしれない、自分に意識をするなんて聞いた事もない


「どう?落ち着くかな?」


「そ、そうだな、顔が近い事以外には落ち着くな」


こいつ俺のくせにすっげえ可愛い顔してるんだよな目も大きくてキラキラしてるし、俺なんて目腐ってるなんて言われたからな、親に。目が死んでるとかも言われた気がするが


「?もしかして、私の顔が近い事に意識してるの?」


こいつ平然とした顔で言いやがった、少しは恥じらいを持って言ってほしいんだが、俺がバカみてぇじゃねぇか


「あ、あぁ、お前がもう一人の俺だとしてもお前は男じゃなくて女だからな、しかも可愛い」


・・・自分が思った事を口に出すって、今更だけど結構気持ちいいんだな、心に溜めてるより


「!じ、自分に可愛いって言われるのって結構恥ずかしいし、す、凄く嬉しいんだね」


微笑みながら顔を赤くし、嬉しそうな顔をしている。いや、確かに自分に可愛いって言われて恥ずかしくない人なんて居ないだろうけど嬉しいって特殊すぎじゃね?


「そ、そうか?お前ぐらいなら普通に可愛いって言って貰えて嬉しそうな気がするが」


「・・・ううん、他人に言われても嬉しくないよ、自分に言ってもらえるから嬉しいんだよ、悠月」


・・・俺も友達全然、というかほぼボッチだから確かに自分が好きとは思うがそこまでじゃねぇよ、レベル高すぎだろ


「え、え~っとつまり、どういう事なんだ?」


「他人から言われてたとしても本心に聞こえない、でも自分から言われた場合本当に本心から言ってると思うから嬉しいんだ」


あぁ、なるほどそう言う事か、はっきり言わせてもらうぜ、この会話他人から見たらすっげえ意味不明だろうな、俺もいまいちわかっただけだから


「あ、あぁなるほど、じゃ、じゃあさ」


「ん?」


俺が思っている事を言ってくれるとは思わねえが一応聞いてみるか、あまり期待はできないが


「っお、お前に俺はどう見えてる?ぶっさいくか?普通か?か、かっこいい、方か?どれだ?」


っここは普通と言ってもらえると凄く助かる、ぶっさいくなんて言われたら俺の心は壊れるし、かっこいいなんて過激評価されたらされたで色んな意味で自信なくすし、お願いだ普通と言ってくれ、・・・いや、でもどちらかというとかっこいいと言ってもらいたい


「?そんなの勿論かっこいいよ?私が可愛いんだから悠月はかっこいいよ?」


・・・愛月を判断基準にした事はともかく、うん、すっげえ嬉しい、こんな事言われた事ねぇよ、あぁ、嬉しくて涙出るわ


「!ゆ、悠月?大丈夫?」


「・・・あぁ、大丈夫だ、かっこいいって言われて嬉しすぎて泣いただけだ、今まで目が死んでるとか色々言われてきたからな」


つい愚痴ってしまったが、うん、あまり女に愚痴りたくないな、しかも今日会ったばかりのヤツに愚痴る、うん、馴れ馴れしいな、気持ち悪い


「・・・悠月はかっこいよ、目死んでなんかないよ、私の目、死んでないんだよ?ほら」


愛月はそう言いながら俺の顔を掴み引き寄せた、そして愛月の瞳はとても真っ直ぐな目をしていた、黒と微妙に薄茶色、日本人の目に似ているがその目に引き寄せられそうになった。


「あ、あぁ、そう、だな生きてる、目だ」


「うん、他の人の言う事なんて気にしちゃだめだよ?皆思っても無い事言うからね、悠月は私の言う事を信じてればいいよ!悠月はかっこいいから!」


・・・たった一日、数時間でここまで仲良くなれるのはやっぱり同一人物だからなのかな?、うん俺今思い出したんだがさっきこいつに惚れて、そしてまた惚れたわ






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