12話 俺はどうして愛月をそこまで好きなのかわからない
俺は思う、何故愛月の事を家族同然と言ったのだろうか、あ、そうだ、俺何で恋したからってこんなにも愛月を傷つけられてキレてるんだろ、なんか、わからないな
「っ!か、家族同然って兄ちゃんおかしいんじゃないのか!?話しを聞いている限り兄ちゃんはそこのお姉ちゃんに今日会ったばかりなんでしょ!?」
・・・確かにそうだ、今日あったばかりなのに経った数時間でこんなにも胸が痛くなるほどに好きになっていたり、家族同然になっていたりと、おかしい・・・、でも自分だから、自分と似ているから時間とか関係なく好きになったんだろうなぁ
「・・・あいつはもう一人の俺なんだ、家族同然なのは当たり前だ、そしてあいつは俺にとって大切な人だ、恋した人だ、経った数時間しかあってないのにな、不思議な気分だよ」
俺は自分が発した言葉の意味があまり理解できていなかった、頭の中はぼんやりとしていて相手に説明しているわけではなく、ただ思った事を発していたんだと思う、そして自分に言い聞かせていたんだと思う、愛月を会って経った数時間で好きになった理由を、納得したかったんだと思う
「な、何言ってるの・・・?もう一人の自分・・・?頭おかしいんじゃないの、例えあのお姉ちゃんがもう一人の自分だとして何で自分に恋するの!?」
お前らに頭おかいしいとは言われたくはないが確かにおかしいだろうな、自分に恋するなんて聞いた事もないし、生物的にありえないだろうし、でも俺が愛月に恋してるとは絶対に言える、今まで恋した事はないが直感的に言える、俺は思う、他人に恋するより自分に恋した方が安心安全なんじゃないかと、理由は特にない、でも自分自身だからこそ心を許せる
「・・・お前らには一生係ってもわからないだろうな、自分に恋するなんてありえねえ話だし」
「!そ、そうよ!」
そう言いながら篤姫はロープを解こうともがいている、男の方は完全に気絶しきっているようだ、そこで俺は愛月の怪我の事を思い出し
「・・・今からお前のロープを解いてやる、そしてそこの男連れて早く行きやがれ、俺は愛月の怪我を早く治さないと行けないんだ」
「!こ、殺さないの・・・?」
どうやら篤姫は自分達が殺されると思っていたらしい、どんだけ俺は鬼畜な事をしていたのかと再認識した、でも頭が働いていないのかそこまで鬼畜な事はしてないような気がした
「あぁ、殺さない、俺は愛月を刺した返しをしたかっただけだからな、それとお前をさっき刺さなかった理由はそこの男をおびき寄せる為だった、悪いな彼氏刺しちまってさ」
この女には個人的に腹が立つことがあった、だから俺は皮肉混じりの事を言ってやった、でもこれはさっきまでこいつらがしていた事を俺はしていた、つまりこいつらと同じクソ野郎って事だ
「っ、汚いやり方・・・」
「・・・あぁ、俺は弱いからな、頭を使わないといけないんだよ、ちなみにだがお前らを逃がす代わりにもう俺達に付きまとうなよ?今度また襲い掛かってきたら本当に殺すからな」
本当の所は、俺も焦っていて何も考えていなかった、最初はこの女を囮にして逃げてもらう予定だったが、それじゃあ愛月の復讐ができないと思い男を刺したんだよな、女を刺した所で縛られていて何の意味もなし、なら動ける方を刺せばいいと、そう思って男を斬ったんだよな
「っ、わかったわよ・・・、でも、私達が兄ちゃん達を殺しに行かなくても他の人達は来るよ、絶対に」
「・・・その時はその時だ」
俺はそう言いながらロープを解いた、結構固めに結んでいたのか俺の手は皮がめくれていた、と言っても腹の傷に比べれば全然ましな方だ
「っまた、卑劣な手を使って倒すの・・・?」
「・・・さぁな、その敵さんが来るまでに強くなってるんじゃないのか、後、アドバイスをくれてやるよ」
「・・・なに?」
流石に少しやりすぎたかと思い、この女には教えてやろうと思った、男という生き物はもしかしたら敵だとしても少し同情してしまうのかもしれない、そう、俺は敵さん、この女の顔が結構好みな方だった、だから同情してしまっていた
「そこのクソ男とは別れた方が良いぞ、いつかあんたはそこの男に良い様に使われ、捨てられる、そこの男は無駄にプライドが高くてでしゃばりなヤツだよ、本当は弱い癖して強がっている臆病者だからな、一瞬にしてわかったよ」
ここまで言っておけばこの男とも別れるだろう、本当の事2割に対して嘘8割と言ったところだな、そんな一瞬にしてこの男の事なんてわかるわけがない、つまりあれだ、脅しみたいなもんだな
「っ、そ、そんな、こと・・・」
「実際にさっきお前見捨てられそうになったじゃねぇか、助けを呼んだのに見捨てた、しかも自分の彼女をだぞ?」
「っ・・・ぅ」
周りからしたら随分とボロクソに言ってるだろうがこの男とだけは絶対に付き合わない方が良いと思う、根から腐ったヤツなんかと付き合うと碌な事なし、この女はまだおそらく根から腐っていないだろう、救いはある
「そこの男を助けたらさっさと別れちまえ、あんたはまだ本当の意味では腐っていないからな、他のちゃんとした男探せよ」
自分で言っておいてうざいヤツだと思う、おそらく俺は調子に乗っているのだろう、勝った事によって優越感を浴び上から目線で恋も今愛月にしたばかりのド素人が
「っ・・・兄ちゃん、よく敵である私にそんな事言ったね、尊敬するよ・・・」
「・・・俺はただ後悔してほしくないから言っただけだ、お前がいくらクソ野郎だとしても・・・」
・・・俺、何言ってんだろ、何でこんなヤツに同情してるんだ・・・気持ちが悪い
「・・・?なに、言ってるの・・・?」
「うるせぇ、それよりそこの男を早く連れてけ、後この刀は俺が貰うからな、生憎手持ち無沙汰なんでな」
この男を斬ってわかった事がある、この刀はかなり使いやすい、そして切れ味がかなり良い方だと
「・・・別に、良いけど捨てないでよ・・・それ、大切な刀だから」
「・・・ん、形見が何かだったのか?」
形見や何か他の理由だった場合は返さないといけない、そこら辺は流石にまずいと思うからな
「・・・ううん、違う愛刀だった、から・・・私が最初に買った刀だから」
「・・・なるほどな、でもよくそんな大切な刀敵の俺なんかにくれるよな」
・・・愛刀ってお前は武士か何かかよ
「・・・一応私を助けてくれたから、私の事を思って弦歌の事を言ってくれたから・・・」
篤姫はそれだけの理由で刀をくれるらしい、随分と安い理由だった
「・・・そうか、わかった、そこの男連れて早く行け、この刀は大事に使わせてもらう、一番最初の敵にして最初で最後の敵からのプレゼントと言う事で」
「!・・・うん、ぁ、ありがとう、それじゃあ」
篤姫は弦歌を連れて去って行った、敵ながら中々に可愛い奴だと思ってしまった、そして篤姫が使っていた刀、その刀は見た目は特に傷もなし、だが長年使われていたのはなんとなくわかった
「・・・大事に使わせてもらうぞ、篤姫」
そんな臭い台詞を口にだし愛月の元へ行こうと振り向いた瞬間だった、背中に柔らかい感触が体全体に走った
「っ!!え・・・あ、愛月!?」
「・・・ねぇ、悠月、その刀、なに・・・?」
先程まで腹を刺され大量に出血していたはずが傷口は治り血も止まっていた、それよりも今は怖い事がある
「えっ・・・、あ、いや・・・ただ、戦いに勝利した品として、後、これから戦っていくために、と・・・貰いまして・・・っ」
「・・・そうなんだ、凄いね悠月、あの二人を倒したんだ、あ、でも何でその刀そんなに大事そうに握ってるのかな?」
顔をニコニコとしながら言っている、この笑顔は相当怒っているらしい




