承.クルマがバレた!
さらに翌日……。徳島カートランド。
久里は昨日買ったばかりのC34ローレルでドリフトしていた。
ここで車の説明をしよう。
C34型ローレルは93年にモデルチェンジし、初代から数えると6代目に当たる。
ローレル伝統だったピラーレス構造が廃止され、この代から4ドアピラードハードトップになる。
グレードは2.5クラブS、搭載エンジンは直列6気筒の2.5リッターエンジン、RB25DET。
「イェーイ! 最高だぜぃ~!」
ドリフトをすることは今日が初めてなのに、それとは思えない素晴らしいドリフトを久里は素晴らしいドリフトをする。
「うわぁッ! 新人に負けるなんてェ……!」
一方、亜久は相変わらずのヘタクソぷりだ。昨日や一昨日みたいにスピンの連続だ。
新人に負けるなんて、情けない……。
スタートライン……。
「どうしたんですか~亜久さん。ヘタクソですけど、うちはすぐ上達しました」
「く~! なんですぐ上達したのォ?」
どうして、まる1日で上達したのかを聞く。
「ドリフト雑誌でプロの運転を覚えて、それを真似したからですわ」
上手くなった理由を久里は言った。
「じゃあドリフト勝負しましょー!」
「勝負かー! いいよ! ただし、経験者をなめんなよッ! ドリフト勝負は甘くないらッッ」
ドリフトしたいと久里は突然言い出す。
亜久はこれを承諾した。
そして勝負が始まった。
亜久のA31は300馬力、
久里のC34は320馬力。
パワーのほうは久里のC34が上で、パワーの高さで久里が先行した。
「亜久さ~ん うちは勝ちますよッ!」
最初のコーナーでは久里が綺麗にドリフトをする。
亜久のほうは逆で、汚い。フラフラしている
というか、ドリフトしていないッ!
「待ってェェ!」
どんどん離されていく亜久。
しかし、亜久はとんでもない行動をする……ッ!
「行くでェ!」
次のコーナー、久里はドリフトの準備で、車をスライドさせている。
(バァンッ!)
久里のC34に何かが当たった。この反動でコースアウトしてしまった。
久里を襲ったのは紫色の物体……亜久のA31だッ!
亜久は反則行為といえるバンパープッシュで久里のC34をコースアウトさせたのだッッ!
勝負の結果は……亜久の反則行為で終わった。
「なんでぶつかってきたんですかァ! あなたは反則負けですよ~ッ!」
どうしてバンパープッシュしてきたのか、久里は聞く。
「ごめんごめん……! それは……勝ちたかったからだよ!」
「なんでやねんッッ!」
謝ったのはいいが、
これは理由にならんだろォ!
亜久ッッ!
「じゃあ帰りましょうよ亜久さん」
「そうだね」
今日の勝負は亜久の反則負けに終わった。
2人は徳島カートランドを後にすることにした。
帰り道。
2人は久里が車を預かってもらっている家へと向かう途中、事件が起こる!
(シィ~)
「あれれ……どうしたんやァ!? C34ッ!」
久里のC34が白い煙を吐きながら故障してしまった!
このC34は10万円の安さで買ったので、この時は言われていないが、価格が安かったので故障が心配されていた。
その心配が襲いかかってきたのだった。
「様子を見てみよう」
A31を道の端に置いて、亜久は久里のC34へ向かった。
「うわあァ……私はメカに詳しくないから治せないよォ……」
C34のボンネットを開けてエンジンを確認する。
メカに詳しくない亜久は治せないから、ちょっと深刻な問題だ。
しかし、そんな2人の前に救世主が現れる!
故障しているC34の前に、1台のタクシーが来る。と言っても、タクシーのベースとしてポピュラーな日産クルーのドリ車だ。ボディカラーはサンセットオレンジ。フロントバンパーはC33ローレル、リアバンパーは100チェイサー、ボンネットはBNR34GT-Rの純正ものをそれぞれ加工したものを装着している。ウィングはD-MAX製、ホイールはエンケイ製だ。
日産・クルーとは日産がタクシー用に販売していた車。ローレルのタクシー向けの後継に当たる。タクシーだけでなく、パトカーとしても使われた。
1994年から2002年までの間、自家用向けに「クルー・サルーン」が販売された。現在久里のC34の近くにいるこれがそうだ。
地味な車だが、急速に減らしつつあったFR+マニュアルトランスミッションという組み合わせで選べれる理由でドリ車のベースとして人気が高い。
クルーの運転席のドアから1人の女の子が降りてくる。容姿は、髪型はオレンジ色のストレートのロングヘア、体型は胸と尻は大きく小さくもなく、平均的だ。
服装は上下ともジャージ姿で、ジャージの色は髪型やクルーと同じオレンジ色だ。
「ハッ、HAHAHAァァ! 細川圭ィ、参上ォ!」
女の子の名は、細川圭。年齢は19歳だ。
彼女は「細川タクシー」の社長の娘で、久里のC34の管理をしている人だ。
「あっ、細川さん来てくれたんですかァ! このC34を治してくださいよォッ!!」
このC34は故障している。
早く、圭に直してもらわないとッ!
「かしこまりィーッ!」
久里に頼まれ、圭はC34を治す。
(ブオン!)
圭の修理により、久里のC34はエンジンが掛かるようになり、また動けるようになった。
「ありがとうございます! 細川さん!!」
C34を修理をしてくれたお礼を言う。
「困ってるなら、また呼んでくれぜ。呼べばすぐ治すぜッ!」
そしてこの決め顔だ。
ドヤッッ!?
「ロ●リーダ●ヤモンド20●6の情報を言うぜ日までは頭痛かった……がッ! 今日治ったらしい!」
ある小説家のエピソードを圭は言い出す。
くだらないが、圭が言っているこの話は実話だ。
「君、誰!?」
亜久が圭を見る。
「亜久すわあァァァァァァァァァァァァァァァァァァんッッッッッッッッ!!」
圭が亜久の身体に抱きついてくる。
亜久の名前を言ってきた!?
どうして亜久の名前を知ってるだァァ?
「離せ!」
(バタァ!)
抱きついてきた圭を振い落とす。
「何をするッスかァ!? 亜久さんッ! こうなったら、主役の座を奪ってやるぜェッッッッ!!」
振い落としてきた怒りで主役の座を奪おうと圭は考えた。
「亜久さん主役の時間が短かったな! 江戸幕府7代将軍みたいに! 次回からこの物語のタイトルは「波乱爆走のタクシー少女細川圭」になりますッ!」
いや、これはないだろ……。
「わたせないよ! 主役の座はッ! タイトルに「私の名前」がついているからわたせないよ、わたせねーよ!」
この物語のタイトルは「波乱爆走の人情少女三好亜久」というものだ。
タイトルに「三好亜久」というのがついているから亜久が主役だ。そのスピンオフ作品ができるまで細川圭の主役の座はない。
あと、メタ発言しまくりだが、大丈夫かァ?
「あ、うちがファンだと公言する声優のラジオが始まるから帰らなあかん! じゃあな、細川圭はクールに去るぜ」
自分がファンだと公言する声優のラジオを聞くため、某漫画のセリフを言いながらクルーに乗って去っていった。
「あの人、誰? 私の身体に抱きついてきたんだけど……」
「ああ、あいつは細川圭というタクシー屋の娘です。うちのC34の管理をしてもらってますで。亜久さんの名前を教えたのはうちですわ」
圭のことを久里は説明する。
亜久の名前を圭に教えたのは久里だ。
「久里めえェ……! 許可なく車を買いやがって、わしは車なんか大の付くほど嫌いや! 車を乗るなんて自殺するより嫌やッ!」
久里が車を購入したことを見て、腹を立たせている中年オヤジが1人。
久里の名前を言っているから久里のことを知っていると思われるが、実は彼、久里の父親だ。
実の娘が車を買ったことで、車嫌いの親にとっては許せない。
車嫌いの親にバレないように、久里は細川タクシーに自分のC34ローレルを預けている。
しかし、それが親父にバレてしまった……。
久里はそれを知らないが、これが久里にとってはよくないことが起きる序章だった……。
時は過ぎて、夜7時。
久里は亜久も連れて、自分のC34と亜久のA31を細川タクシーに預けて、家に帰ってくる。
しかし……。
「おい久里ッ!」
家の前には久里の父親が火山のように噴火しそうなほどの真っ赤っかな顔で怒っている久里の父親が待っていた。
「見たで! お前、わしの許可なく車を買うとは……車が嫌いなわしをなめんな!」
「すまん……とぉちゃん……」
許可なく車を買ってしまったことを謝るが……。
「すまんですむと思うかァ!」
全く許してもらえず、父の怒りは治まらない。
「久里のお父さん……私が悪いんです。この子に車を買わせたのは私です、私が謝ります……すみません!」
久里が車をきっかけを作ったのは自分であり、その責任は自分にあると思って亜久が謝りだす。
「うちの娘に車を買わせたのはお前かァ! 何回謝っても許さへん! さっさと家に入って説教じゃァ!」
亜久も謝っても許されず、怒りが亜久にも向けられた。
さらに久里の父は2人の少女を家の中に入れて説教を始めた……。
どうなる、亜久たち!
許可なく車を購入したことがバれ、久里の父親に説教されてしまった2人。
果たして2人のその運命は!?
遅れてすみません!
実は風邪を引いた&頭が痛かったので、書けませんでした……。
最後の所、実は書く途中、緊張間を感じてしまいました。
2人の女の子を助けてやりたいほどの緊張間でした。これぐらい執筆中に緊張間を感じたのは初めてです……。
ネタバレになるかもしれないですけど、起承はコメディ路線でした。しかし、次回の転は内容はシリアスになります……。覚悟がいるかもしれません……。
あと、遅れてしまった投稿日なんですが、23日までに結の投稿に間に合わないかもしれません……。悪い場合は時期未定の近日中になるかもしれないです……。