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波乱爆走の人情少女 三好亜久  作者: まとら 魔術
第1幕「あッA31セフィーロッ! C34ローレル乗りてえ」
3/6

起.ドリ車に乗ろう!

 私の名前は三好(みよし)亜久(あぐ)、年は19歳で、髪型は群青(ぐんじょう)(いろ)のロングヘアをポニーテールに結んでいる。

 身長は高くて、170cmあるけど……これは私のコンプレックス……。胸は大きめ。

 高校生だった頃までは大阪の岸和田で住んでいたけど、卒業後は大学に行かず就職(しゅうしょく)もせずに、ただドリフトをしたいという理由だけで、徳島に来てしまった。

 

 こちらは私の愛車、日産セフィーロ。型式は初代のA31型。色は私の好きな青紫色。

 ドリフトに使う愛車でもあり、普段の足でもある。

 外観はORIGIN製のエアロで武装し、ボンネットはD-MAX製。リアスポイラーはなし。エンジンはRB20DETを300馬力にチューニングしている。


 A31型セフィーロとは昭和の終わりの1988年に登場し、某有名ミュージシャンが出演しているコマーシャルで話題になった。キャッチコピーは「くうねるあそぶ」。

 同時期に登場した初代シーマ、BNR32型GT-Rなどとともに大ヒットし、日産の経営状態を回復させた。

 2代目のA32型のほうが初代よりヒットしたけど、駆動式が全モデル唯一のFRで、パーツがたくさん発売されている理由で人気は初代のA31型のほうが上、ドリ車がメインだけど、ドラッグースやサーキットレースにもよく使われている……。

 



「着いたッ……。大阪から徳島までのドライブは長かったよ」

 現在午後1時15分、長距離ドライブをしていた亜久は徳島県のサーキットの一つ、モーターワールドに着いた。

 ここは小さなサーキットだが、ドリフトの名所でもあり、某ドリフト雑誌ではよく大会の情報が載っている。


「入るよ。徳島のサーキットで、大阪から来た私のドリフトがここでも通用しているか、試してみようッッ!」

 サーキットに入る。

 亜久の顔は「自信満々だ」の表情している……。


 しかし、主走する前に……。


「皆さんお元気ですかー!? 失礼しますゥ」

 運転席の窓開けて、A31のCMに出演していた某有名アーティストの真似をしてしまった。

 それの後、やっと亜久のA31は主走する。


「私とA31のドリフトを見せるよォォ! 見てて見ててェ!」

 最初のコーナーに入り、車をスライドさせてドリフトの準備をするが……。


「うわ……うわあァァ!!」

 スライドが強すぎたせいか、クラッシュしてしまった。

 

「ここは無理か……。諦めないッッ!」

 クラッシュしても諦めない亜久。

 だが、その後のコーナーもクラッシュしてしまう。


 亜久はサーキットから出た。


「君、小さくてかわいいな。僕の彼女になってや!」

「嫌や、いやァ!」


 亜久がサーキットから出ると1人の女の子が、チャラい男からの痴漢に遭っていた。

 女の子の特徴は黒髪のセミロングで、身体は小学生と変わらないほど身体は小さい。

 服装は黒いジャケットに白いシャツ、藍色のミニスカートを履いている。


「あの()から離れろ!」

「なんやねん。この青髪女ァ!」

 亜久は痴漢に近づく。

 近づくなと亜久は迫る。


「女の子は嫌がっているじゃあないか! もっとしたら、もっと嫌われるぞォ!」

 どんどん亜久は痴漢に迫っていく。


「なんやとォ! これは僕の娘やァ! 絶対に離れへんッ!」

「止めてやァッ!」

 なんと女の子は叫ぶッ!


「あの人はの言うとおり、うちはお前が嫌いやァ!」

 痴漢から離れ、女の子は亜久に近づくゥゥ!


「怖くないよ。さあァ私の車に乗って」

 亜久は女の子をA31の中に連れて行く。


「くゥっそッ! 僕の女の子がァァ!」

 女の子が亜久に取られたことにより、痴漢の男は悔しがる。。


 A31の車内。

「助けてくれてありがとうございます。あとんたのおかげで助かりましたわ~」」

 女の子はお礼を言う。


「君のことが好きだから助けたんだよ!」

「何でやねん!」

 そんな理由じゃないだろ!


「君が困っていたから助けたんだよ」

 これが正しい理由。


「うちは曽我部(そかべ)久里(ぐり)やで、よろしく」

「こっちは三好(みよし)亜久(あぐ)、大阪から来たんだよ」

 女の子の名前は曽我部(そかべ)久里(くり)という。

 亜久も自分の名前を言う。


「三好亜久さんか………亜久さんと呼びますで! 後、大阪から来たのに関西弁使ってませんね……」

 亜久が関西人なのに関西弁を使わないのを気になった。


「なぜかな……私は大阪生まれで大阪育ちだけど、関西弁で喋ってないよ。後、君はどうして徳島県民なのに関西弁を使っているのォ?」

 自分が大阪府民なのに関西弁を使ってないのを疑問に思う亜久。

 答えた後、「なんで徳島県民なのに関西弁を使っているの」と質問を返す。


 

「いやァ、これは阿波弁ですよ! 関西弁と似とおけど、これは阿波弁ですわ! 阿波弁と関西弁の違いが分からんのか!」

 これは阿波弁だと久里は否定する。


 だが、交差点に入ると、亜久のドリフターとして有るまじき行為をすることになる……。

「亜久さんッ! 亜久さあァァん!! ブレーキ、ブレーキ、ブレェェーキィィィッッ!」

 久里がブレーキと注意するッ!


「わああああァァァァ!」

 交差点をはみ出してしまい……、


「うわぁ! 死ぬ死ぬ死ぬ死ぬゥゥ!」

 前のトラックと接触してしまったッ!


「大丈夫!? 私は車を止める時はブレーキじゃなくて毎回他の車や壁にぶつかって止めているけど……」

 久里がケガがないか確認する亜久……。


「いけますで! けど、スリルが欲しかったです……」

 久里は無事で、怖くなかったというが、

 スリルが欲しかったという。


 どこかの駐車場……。

「ドリフトをしているんですか……こりゃスリルを感じれますで!」

 亜久がドリフトをしていることを久里は知る。

 これはスリルを感じれると知る。


「だけど、私は運転がヘタクソだよ。さっき見たじゃん、私がトラックにぶつかって車を止めてるのを……」

 実は亜久は運転がヘタクソだ。ドリフトをしようとしたらスピンしまくったり、車を止める時は他の車にぶつかって止めている……。


「それでも、私の運転を見てくれる……? 明日徳島カートランドで待っているよ」

 それでも見てくれてもいいかなと亜久は言う。


「ヘタクソでも構いませんわ。明日行きますで! 徳島カートランドにッ!」

 絶対徳島カートランドに行くと久里は約束した。

 

 そして翌日、徳島カートランド。

 亜久は久里をA31を助手席に乗せて走っていた。


 ここ徳島カートランドとは四国でもっとも歴史のあるサーキットであり、ドリフトの名所でもある。

 全国規模のドリフト大会でも使われているサーキットだ。


「行け、A31ッ!」

 第1コーナーに入る。

 亜久のA31は勢いよく突っ込んだ。


「すごいすごいッ! これこそ真のスリルやッッ!」

 久里にはスリルを感じてるように見える……。

 しかしッ……!


(ヒュウウウウウウン!)


「うわあァァ!」

 昨日のモーターワールドでドリフトした同様にスピンしてしまった。


 だがコースに復帰して走り出した。


「久里を興奮させるんだッ!」

 そう思いながら攻めたが……、

 またスピンしてしまった。


(なんでスピンばっかりや、ドリフトはまだか?)

 ちょっとはスピンせず、ドリフトをしてと久里は心の中で亜久に言う。


「もうちょっと! まだまだ攻めるゥッ!」

 まだ諦めてはいない……。

 今度は亜久はブレーキも利用し、コーナーを攻める。


「行け行けェェ!」

 亜久は本気だ。成功させたいと思って!

 成功するか!? しないのかァ!?


(バアァァァァン!)

 亜久の全力のドリフトは失敗に終わった。

 コースアウトし、しかもバリアに当たってクラッシュしているじゃあないかッ!


「痛たたァ……尻打ったよ」

 クラッシュの影響で亜久はお尻を痛めたようだ。

 しかし、久里は……!

「これがスリルですわ! スリルッ! クラッシュは最高のスリルやァッッ!」

 さっきのクラッシュでちょっとスリルを感じたようなのか、大興奮だ。


 カートランドの出口……。


「どう? 私のドリフトでスリル感じた?」

 亜久は久里にさっきのドリフトでスリルを感じたのかを聞く。

 が、亜久はドリフトをしていなかったのじゃあないかッ!


「はいはいドリフト……していないやんか! 最後のクラッシュでスリルを感じましたで。あの興奮は忘れませんわ。あと運転ヘタクソでしたね、けどうちもドリフトしたいでッ!」

 久里ナイスツッコミ。亜久は本当に一度もドリフトをしていない。

 久里は最後のクラッシュであのスリルを忘れられないと言う。

 さらにはドリフトをしたいと言い出す。


「ドリフトしたいの!? そうか……しかし、それは車が必要だよ。できれば新車より中古車がいいよ、駆動式はFFよりFRで!」

「なんで中古じゃい!」

「中古のほうが魅力的だよ!」

「ドリフトするなら車が必要ですか……。免許持ってますけど、実は親が車嫌いで……車を持つのが難しいですわ……」

 実は親が車嫌いだったと久里はカミングアウトした。


「大丈夫! これは秘密にすればいいよ! 車を買うお金は私のお姉ちゃんからくれたお金で買うから!」

 車を買ったことは、車嫌いの親に秘密にすればいいと亜久はアドバイスする。


「秘密にすればいいですか~! 分かりましたで、買ったら親に秘密にして誰かに預かってもらいますう!」

 絶対車を買ったら、誰かに預かってもらうと言った。


 中古車ディーラー……。


「さあァ久里……君の買いたい車を探すんだ!」

「どれどれ……あァ! これ欲しい!」


 久里が目を付けたのはフロントバンパーはECNR33純正、リアバンパーはBCNR33純正、サイドステップはC35クラブS純正、ホイールはBNR34純正など、様々なクルマの純正パーツを付けた、チョコレートのよう茶色い95年式のC34型ローレルだ。

 C33以降のローレルはドリ車のベースとして人気が高いが、C34はC33、C35と比べるとややマイナーで、アフターパーツを販売している会社は少ない。

 

「このC34が欲しいんだね? 本当にいいのォ?」

 亜久の姉のお金で、本当にC34を買ってしまうけどいいのって聞く。


「はい! いいです!  買いますでッ!」


 久里は買うと答えた。


 こうして曽我部久里はC34型ローレルを購入した……。

 このC34の価格は10万円と安い。

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