起.ドリ車に乗ろう!
私の名前は三好亜久、年は19歳で、髪型は群青色のロングヘアをポニーテールに結んでいる。
身長は高くて、170cmあるけど……これは私のコンプレックス……。胸は大きめ。
高校生だった頃までは大阪の岸和田で住んでいたけど、卒業後は大学に行かず就職もせずに、ただドリフトをしたいという理由だけで、徳島に来てしまった。
こちらは私の愛車、日産セフィーロ。型式は初代のA31型。色は私の好きな青紫色。
ドリフトに使う愛車でもあり、普段の足でもある。
外観はORIGIN製のエアロで武装し、ボンネットはD-MAX製。リアスポイラーはなし。エンジンはRB20DETを300馬力にチューニングしている。
A31型セフィーロとは昭和の終わりの1988年に登場し、某有名ミュージシャンが出演しているコマーシャルで話題になった。キャッチコピーは「くうねるあそぶ」。
同時期に登場した初代シーマ、BNR32型GT-Rなどとともに大ヒットし、日産の経営状態を回復させた。
2代目のA32型のほうが初代よりヒットしたけど、駆動式が全モデル唯一のFRで、パーツがたくさん発売されている理由で人気は初代のA31型のほうが上、ドリ車がメインだけど、ドラッグースやサーキットレースにもよく使われている……。
「着いたッ……。大阪から徳島までのドライブは長かったよ」
現在午後1時15分、長距離ドライブをしていた亜久は徳島県のサーキットの一つ、モーターワールドに着いた。
ここは小さなサーキットだが、ドリフトの名所でもあり、某ドリフト雑誌ではよく大会の情報が載っている。
「入るよ。徳島のサーキットで、大阪から来た私のドリフトがここでも通用しているか、試してみようッッ!」
サーキットに入る。
亜久の顔は「自信満々だ」の表情している……。
しかし、主走する前に……。
「皆さんお元気ですかー!? 失礼しますゥ」
運転席の窓開けて、A31のCMに出演していた某有名アーティストの真似をしてしまった。
それの後、やっと亜久のA31は主走する。
「私とA31のドリフトを見せるよォォ! 見てて見ててェ!」
最初のコーナーに入り、車をスライドさせてドリフトの準備をするが……。
「うわ……うわあァァ!!」
スライドが強すぎたせいか、クラッシュしてしまった。
「ここは無理か……。諦めないッッ!」
クラッシュしても諦めない亜久。
だが、その後のコーナーもクラッシュしてしまう。
亜久はサーキットから出た。
「君、小さくてかわいいな。僕の彼女になってや!」
「嫌や、いやァ!」
亜久がサーキットから出ると1人の女の子が、チャラい男からの痴漢に遭っていた。
女の子の特徴は黒髪のセミロングで、身体は小学生と変わらないほど身体は小さい。
服装は黒いジャケットに白いシャツ、藍色のミニスカートを履いている。
「あの娘から離れろ!」
「なんやねん。この青髪女ァ!」
亜久は痴漢に近づく。
近づくなと亜久は迫る。
「女の子は嫌がっているじゃあないか! もっとしたら、もっと嫌われるぞォ!」
どんどん亜久は痴漢に迫っていく。
「なんやとォ! これは僕の娘やァ! 絶対に離れへんッ!」
「止めてやァッ!」
なんと女の子は叫ぶッ!
「あの人はの言うとおり、うちはお前が嫌いやァ!」
痴漢から離れ、女の子は亜久に近づくゥゥ!
「怖くないよ。さあァ私の車に乗って」
亜久は女の子をA31の中に連れて行く。
「くゥっそッ! 僕の女の子がァァ!」
女の子が亜久に取られたことにより、痴漢の男は悔しがる。。
A31の車内。
「助けてくれてありがとうございます。あとんたのおかげで助かりましたわ~」」
女の子はお礼を言う。
「君のことが好きだから助けたんだよ!」
「何でやねん!」
そんな理由じゃないだろ!
「君が困っていたから助けたんだよ」
これが正しい理由。
「うちは曽我部久里やで、よろしく」
「こっちは三好亜久、大阪から来たんだよ」
女の子の名前は曽我部久里という。
亜久も自分の名前を言う。
「三好亜久さんか………亜久さんと呼びますで! 後、大阪から来たのに関西弁使ってませんね……」
亜久が関西人なのに関西弁を使わないのを気になった。
「なぜかな……私は大阪生まれで大阪育ちだけど、関西弁で喋ってないよ。後、君はどうして徳島県民なのに関西弁を使っているのォ?」
自分が大阪府民なのに関西弁を使ってないのを疑問に思う亜久。
答えた後、「なんで徳島県民なのに関西弁を使っているの」と質問を返す。
「いやァ、これは阿波弁ですよ! 関西弁と似とおけど、これは阿波弁ですわ! 阿波弁と関西弁の違いが分からんのか!」
これは阿波弁だと久里は否定する。
だが、交差点に入ると、亜久のドリフターとして有るまじき行為をすることになる……。
「亜久さんッ! 亜久さあァァん!! ブレーキ、ブレーキ、ブレェェーキィィィッッ!」
久里がブレーキと注意するッ!
「わああああァァァァ!」
交差点をはみ出してしまい……、
「うわぁ! 死ぬ死ぬ死ぬ死ぬゥゥ!」
前のトラックと接触してしまったッ!
「大丈夫!? 私は車を止める時はブレーキじゃなくて毎回他の車や壁にぶつかって止めているけど……」
久里がケガがないか確認する亜久……。
「いけますで! けど、スリルが欲しかったです……」
久里は無事で、怖くなかったというが、
スリルが欲しかったという。
どこかの駐車場……。
「ドリフトをしているんですか……こりゃスリルを感じれますで!」
亜久がドリフトをしていることを久里は知る。
これはスリルを感じれると知る。
「だけど、私は運転がヘタクソだよ。さっき見たじゃん、私がトラックにぶつかって車を止めてるのを……」
実は亜久は運転がヘタクソだ。ドリフトをしようとしたらスピンしまくったり、車を止める時は他の車にぶつかって止めている……。
「それでも、私の運転を見てくれる……? 明日徳島カートランドで待っているよ」
それでも見てくれてもいいかなと亜久は言う。
「ヘタクソでも構いませんわ。明日行きますで! 徳島カートランドにッ!」
絶対徳島カートランドに行くと久里は約束した。
そして翌日、徳島カートランド。
亜久は久里をA31を助手席に乗せて走っていた。
ここ徳島カートランドとは四国でもっとも歴史のあるサーキットであり、ドリフトの名所でもある。
全国規模のドリフト大会でも使われているサーキットだ。
「行け、A31ッ!」
第1コーナーに入る。
亜久のA31は勢いよく突っ込んだ。
「すごいすごいッ! これこそ真のスリルやッッ!」
久里にはスリルを感じてるように見える……。
しかしッ……!
(ヒュウウウウウウン!)
「うわあァァ!」
昨日のモーターワールドでドリフトした同様にスピンしてしまった。
だがコースに復帰して走り出した。
「久里を興奮させるんだッ!」
そう思いながら攻めたが……、
またスピンしてしまった。
(なんでスピンばっかりや、ドリフトはまだか?)
ちょっとはスピンせず、ドリフトをしてと久里は心の中で亜久に言う。
「もうちょっと! まだまだ攻めるゥッ!」
まだ諦めてはいない……。
今度は亜久はブレーキも利用し、コーナーを攻める。
「行け行けェェ!」
亜久は本気だ。成功させたいと思って!
成功するか!? しないのかァ!?
(バアァァァァン!)
亜久の全力のドリフトは失敗に終わった。
コースアウトし、しかもバリアに当たってクラッシュしているじゃあないかッ!
「痛たたァ……尻打ったよ」
クラッシュの影響で亜久はお尻を痛めたようだ。
しかし、久里は……!
「これがスリルですわ! スリルッ! クラッシュは最高のスリルやァッッ!」
さっきのクラッシュでちょっとスリルを感じたようなのか、大興奮だ。
カートランドの出口……。
「どう? 私のドリフトでスリル感じた?」
亜久は久里にさっきのドリフトでスリルを感じたのかを聞く。
が、亜久はドリフトをしていなかったのじゃあないかッ!
「はいはいドリフト……していないやんか! 最後のクラッシュでスリルを感じましたで。あの興奮は忘れませんわ。あと運転ヘタクソでしたね、けどうちもドリフトしたいでッ!」
久里ナイスツッコミ。亜久は本当に一度もドリフトをしていない。
久里は最後のクラッシュであのスリルを忘れられないと言う。
さらにはドリフトをしたいと言い出す。
「ドリフトしたいの!? そうか……しかし、それは車が必要だよ。できれば新車より中古車がいいよ、駆動式はFFよりFRで!」
「なんで中古じゃい!」
「中古のほうが魅力的だよ!」
「ドリフトするなら車が必要ですか……。免許持ってますけど、実は親が車嫌いで……車を持つのが難しいですわ……」
実は親が車嫌いだったと久里はカミングアウトした。
「大丈夫! これは秘密にすればいいよ! 車を買うお金は私のお姉ちゃんからくれたお金で買うから!」
車を買ったことは、車嫌いの親に秘密にすればいいと亜久はアドバイスする。
「秘密にすればいいですか~! 分かりましたで、買ったら親に秘密にして誰かに預かってもらいますう!」
絶対車を買ったら、誰かに預かってもらうと言った。
中古車ディーラー……。
「さあァ久里……君の買いたい車を探すんだ!」
「どれどれ……あァ! これ欲しい!」
久里が目を付けたのはフロントバンパーはECNR33純正、リアバンパーはBCNR33純正、サイドステップはC35クラブS純正、ホイールはBNR34純正など、様々なクルマの純正パーツを付けた、チョコレートのよう茶色い95年式のC34型ローレルだ。
C33以降のローレルはドリ車のベースとして人気が高いが、C34はC33、C35と比べるとややマイナーで、アフターパーツを販売している会社は少ない。
「このC34が欲しいんだね? 本当にいいのォ?」
亜久の姉のお金で、本当にC34を買ってしまうけどいいのって聞く。
「はい! いいです! 買いますでッ!」
久里は買うと答えた。
こうして曽我部久里はC34型ローレルを購入した……。
このC34の価格は10万円と安い。