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【フェアリーテイルズ・オンライン】~人狼の騎士と琥珀の謳姫~  作者: 月影琥珀


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2/2

満月の夜に


時は西暦2080年。

 

 【ドリーム・ギア】・・・このハードが世界に爆誕したことにより、ゲームの歴史は大きく変わった。インカム型のこの小型デバイスは、スマートフォンの概念をこえ、首元につけたインカムからメール・動画視聴・ゲームまでマルチに活躍する画期的なデバイスが発売されたのである。


そしてゲームのハード(本体)が発売されたとなれば、各ゲーム会社はこぞって、ゲームソフトを生産し始めた。その中でもとくに人気なのが、没入型ゲームVRMMOの誕生である。


そんななか、近年爆発的売り上げをあげているのが、まだ若い開発運営株式会社【タイタン】がリリースした【フェアリーテイルズ・オンライン】であった。通称【FTO】としてプレイヤーから長年愛され続けている。【FTO】はドリームギア初のオンラインゲームである。







黒い闇の中を、赤いローブを着た少女が、ランプを片手に最下層・旧廃棄場をさまよっていた。

「ねえ、ハーヴィ――――!!どこぉ?どこなのぉ?」

「こっちだって、ハスヒメ!!こっちこっち!!」

ハーヴィと呼ばれた、小さな妖精=サポートAIはくるくる光って見せながら、ハスヒメという女性プレイヤーを誘導していた。

「ほんとにこっちで音がしたの?」

「間違いないって!!アタシの勘がいってる!この先に、ものすんごい【お宝】があるってささやいてる!!」

「ゲームのサポートAIに勘とか言われても・・・・」

赤いローブを着た【ハスヒメ】はしぶしぶ旧廃棄場への奥へと足を踏み入れた。

すると・・・・・。


うーーーーーー・・・・・


         うーーーーーー・・・・・



と、どこからか低いうなり声が聞こえてくるのである。

「ね、ねえ!ハーヴィ!!今の聞いた!?なんか怖いモンスターでもいるのかなぁ?」

「はあ?そんなわけないでしょ?ここは住宅区に属する【安全地帯】なんだから!」

「そ、そうだけど・・・・じゃあ、この声、誰の声なんだろ?」

「それは行ってみればわかるわよ!!さーてお宝!お宝~!!」

「ま、待ってよぉ~!!ハーヴィ!!」


そして、赤いローブを着た少女のたどり着いた先には。

真っ暗な旧廃棄場に、そこだけまあるく満月の光が差し込んでいた。

・・・その中に。



「すごい・・・・綺麗な人」



白い肌が月光に反射して、それそれは端正な顔立ちの美青年で黒髪短髪の青年が宙に浮いていた。・・・しかし、その青年の体には。



黒い鎖がびっしりと巻きついていたのである。それはある種異様な光景だった。女性プレイヤー【ハスヒメ】の目からも怨嗟と憎しみが込められた鎖だというのが、見ていて分かった。すると鎖から黒い炎が燃え上がり、青年の体を絶えず焼き続けていた。


「うわ、あ・・・あああああああッ!!」

「ひどい・・・!!誰がこんなこと・・・!!」

「ど、ど、ど、どうしよう~。どうやったらこの炎消せるのぉ?」

「ハーヴィ!!なんとかできない?」

「・・・ごめん。アタシもわかんないわ。でも炎なんだから、水ぶっかけりゃ消せるんじゃない?」

「あ!そっか!!」


【ジョブチェンジ=嘔姫ウタヒメ

【水のうた】=効果 何もないところから水を生み出せる


すると、何もない虚空から大量の水が現れたのである。ハスヒメはそれを青年の頭上に水を容赦なくぶっかけた。


「ごほっ・・・げほっ!!」

「あい、つら。絶対、許さない・・・・!!」


ようやく鎖からでていた炎の消火がおわり、ハスヒメは恐る恐る鎖でぐるぐる巻きの青年に近づいた。

「あ、あの・・・大丈夫ですか?」

「あ?・・・・ああ、あ、あああ!!フ?フッ・・・・・・・ッ!!」

そういうと青年は、ぐったり気を失ってしまった。




この二人の出会いが、のちにFTOの根幹をゆるがす、大きな事件へとつながることになることを、まだこの二人は知らない。






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