嘘つきな嘘
打ち捨てられた
グランドピアノに
詩人は
雨傘を指してあげるけれど
小は大をかばえない
雨に濡れて
グランドピアノは
海辺のカモメのように
遠くの音を
通過して
山の方へ
飛んでいく
未来から過去へと
通過する
追憶する現在
写真家の
映像作家の
記録した
美的そねみ
醜悪なやさしさ
正直なウソ
嘘つきな嘘
それは真実の虚構
心理の化学
科学の倫理学
アカデミックな
パンデミック
まだ200字にたらない
午前0時
を過ぎた頃
詩の調べを聴く
これまでの
感想に感謝を想う