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ーー普通の教室、普通の授業
何気ない普通の学校の風景を思い浮かべるならば
此処は普通の学校と言っても過言ではないが
集まっている者達は"普通"ではない
何故なら此処に通う者達は
星も人をも創り上げた創造の神様から選ばれて
特別な力の[天賦]を持つ
"ヒーロー"となるべく勉強している者達だから
--春の桜は満開に咲いて散りかけた頃
クラスに少し慣れた程度ぐらいの日に変化が訪れた
その日は天気も快晴で気温にも恵まれて
良い天気だと思いながら全寮制である学園の寮内の
食堂の窓から外の景色を見ながら
朝食を食べて教室に向かって歩いていく
丁度、8時を告げる鐘が聞こえ出した頃に
教室の中にと入るがクラス内は数人程度しかおらず
挨拶をして席に座ると
以前から交友のあるクラスメイトが
俺の所に話しかけてきた
「そういえば渡来は聴いたか?
今日、俺たちのクラスに転校生が来るらしいぞ」
「へぇ‥男?女?」
「イッチーせんせー何も教えてくんねーんだよ
渡来はイッチーせんせーと仲良しだろ?
何か情報とかないの?」
「特に何も」
「マジかよ‥女子なら嬉しいけどな」
「‥だな‥」
クラスメイトは俺から離れて
丁度よくクラスに来た人と会話をする為に離れた
次第にクラスメイト達も集まり
8時55分ぐらいのチャイムが鳴る前には
既に全員が揃って着席していた
9時のチャイムと同時に
このクラスの担任である市川先生が教卓に立つ
「おはようさん‥全員ちゃんと来てるな
知ってる奴も居るだろうが本日から
転校生が来ているから皆も仲良くするように
‥それじゃ‥転校生‥入ってこい」
そう先生が言って入って来たのは
灰色の髪が特徴的な黒瞳の男性だった
着慣れていないのか制服に着せられている感があるが
少し緊張しながら黒板に自分で名前を書く
「はじめまして‥影野誠です
高校入学前の健康診断で[天賦]を確認したのですが
手続きに時間がかかり今日になりました
知らない事が多いので教えて下さると嬉しいです」
「影野の説明にもあったように
既に高校の入学が決まってから天賦を得た者だ
本来なら授業開始から一緒だと良かったんだがな
既に始まっている授業もあるから
皆も様々な事を教えてやってくれ
‥席は‥そうだな‥渡来の後ろがあるな」
先生が指摘した俺の後ろに影野が向かって着席する
「あの‥よろしく‥渡来くん」
「ああ‥よろしく」
「渡来、ついでに彼に学校の説明とか
案内もしといてくれ‥
影野は渡来の説明とか案内とか終わったら職員室な」
「「了解です」」
俺と影野は先生の言葉に返事をすると
先生も安心したようにクラスの点呼をして
1時間目の授業の合図を行う
影野くんは教科書まで揃っていたらしく
必死に最初の授業の教科書を探しているので
俺が教科書の本の表紙を見せると
小さく「ありがとう」だけ御礼を告げられ
全員が揃ったのを確認した先生が
日直に合図をして号令を出させると
授業を始めるのであった‥