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影野くんside
彼らの闘う様子を観覧場から眺められるが
何が起こっているのか、ついていけないでいた
(‥これ‥どうなっているんだ?)
自分が友達と思っている優哉を見ていたのだが
沢山の敵が遠い筈なのに倒されていて
何が起こっているのか理解が出来ないでいたのだ
俺が理解も出来ずに見ていると
「おっ‥ちゃんと見てるな〜」と
後ろから馴染みのある声で思わず振り返ると
そこには市川先生が立っていたのだ
「市川先生、どうして此処に?
試合、見ないでいいんですか?」
「転入生が居るクラス担任は
生徒の採点などは免除されるんだよ
その代わり、指導しないといけないから大変なんだが
影野は渡来を見てるんだろ」
「良く分かりましたね」
「まぁな、初めて見る奴らは基本的に
良く仲の良い奴を見る傾向があるからな
渡来を見るのは勉強になるが
理解が出来ない事が多いだろ」
「それは‥そうですね‥何が起こっているのか
全然‥分からないです」
「見る相手を間違えてはないぞ?
渡来は遠距離に強いんだ
最初に見るには向いてないが‥
気をつけるべき相手として
注目するのは良いとは思うぞ」
「そうなんですね‥で、何で
凄い離れている相手が
倒されているのか教えてくれませんか?」
「自分で考えて理解が出来なくて聴くのは、えらいな
さっきも言ったが渡来は遠距離の敵が得意
遠距離の敵が見えて撃っている事になるんだ
スナイパーとしては優秀なんだが
近距離の相手には隙が出てしまう事になる」
「確かに‥遠くを見てると近くが見れませんね
それに‥ずっと同じ場所から撃たれていたなら
場所を特定さえ出来たら攻撃されに行かれてしまう」
「おお、良い着眼点だな」
「だから優哉の側に御影先輩が居るんですね」
「ああ、その通りだ
タッグは助け合いなんだよ‥それは忘れるな」
「はい、そう言えば‥先生も昔は
タッグを組んでヒーローをしていたんですよね?」
「ああ、そうだな」
「どんな人と組んでたんですか?」
「‥‥‥‥」
「先生?」
「影野、英雄学園では他の先生には
その事を聴くのはタブーの人も居るんだ
敵に倒されている奴らが多いのもあるのと
大切だった相手の事を思い出してしまうからな」
「‥すいません‥知らなくて」
「いや‥構わないさ‥俺は事故が原因だったからな
そうだな‥良いヤツだった…失うのが辛いぐらいには
不慮の事故だったが‥俺は忘れられずに
誰とも組む気にはなれなくて‥先生をしてるんだ」
「先生にとって大切な良き相棒だったんですね」
「そうだな‥生きてたら‥会わせてやりたかったよ」
そう言って少し寂しそうに笑った先生
何処となく不器用だけど優しくて
自分を指導してくれる先生が龍鬼に似てる気がした
何故かは分からないけれど‥先生は
試合が終わるまで俺に色々と教えてくれるのであった‥




