表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四季神  作者: 秋暁秋季
6/35

将としての器

「銀庭」

「どうした? 惣領」

私は部屋にあるありったけの服を引っ掻き回しながら、式の名を呼ぶ。辺りには箪笥、クローゼットから引っ張り出した服が散乱している。事情を知らぬ者が見たら、泥棒にでも入られたのか? と疑問を投げかけられそうだ。

颯爽と現れた銀庭に、ヒラヒラとした服をぶん投げながら、こう言った。

「今から男物の服を買いに行く予定なんだ。付き添いを頼めるか」

「昨日も言ったが気にする事はない。君が自らの意思でそうしたいと言うならなら止めはしないがね」

何時に無く真剣な眼差し。本心に探りを入れる様な尋問官の目をしていた。彼は.......気付いている。十割私の意思では無いことを。

銀庭は服に塗れて足の踏み場も無い床を指差し、座るように促した。説教を垂れる時の態度。私は渋々膝を折って、誤魔化すように目を逸らした。

「私は別に.......。でも不快な思いしてる奴がいる方が座りが悪いから.......」

「色季」

言い訳がましい口調に釘を刺す。「お前のその思考が気に入らない」と、感情をおくびにも出さず、真っ直ぐに私を見つめてくる。逸らしているのが申し訳なくて、恐る恐る目を合わせた。静寂な怒り。その目力だけで人を殺れる。恐ろしい神。

「将が兵に合わせるのではない。兵が将に合わせるのだ。逆はいけない」

「.......」

分かってるよ。そんな事.......。

「決心がついたら声を掛けてくれ」

個々に合わせていたらキリがありません。

だから自分を持つことが大切なのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ