暴君
「はー、最初から認めて貰うなんて無理だよね」
「上手く行かなかったのか?」
此処は私の部屋。砂と岩で出来た枯山水の庭が今日も美しい。砂利の上に波紋を示すように描かれた線をぼんやりと眺めながら、思わず弱音を吐く。そんな私に銀庭は僅かに目を見開いた。
「いや、愛想は良かったんだけど.......」
飄々としているようで、その実、品定めをしているようだった。お手並み拝見。まぁ故に儀式踏んではくれなかったんだけど。
「まぁ、応じてくれただけでも上出来か」
認められないなら、認めて貰うまで粘るまで。そうやって宵闇も呼び出したんだ。私は自慢じゃないが諦めが悪い。覚悟しろ、明昼。
闘志を燃やす私に対し、銀庭は顔を強ばらせた。厳つい顔が、眉間に皺を寄せることで殊更厳しく見える。
「明昼か..............。悪いヤツじゃない」
「知ってる」
「ただ非常に傍若無人」
「..............それも知ってる」
前当主、今はご隠居の前で、堂々と焼酎を直飲みし、掻っ食らう式神なんて、明昼ぐらいなもんだろう。少なくとも代々仕えてくれる式神の中では明昼はだけだ。
諦めはしない。絶対に。何より不可能じゃない。
「聞こえてんぞ、君達ぃ」
人を揶揄うような声が頭から降ってきた。驚いて後ろを振り向くと、焔火の様な赤毛。彼女は茶褐色の焼酎瓶を片手に、私達を上から見下ろしていた。
「嘘は言ってない」
「いいね。真心こもった言葉は好きだよ」
だって暴君だし。
本人に言ったら「はぁー?」とか言われそうですが。
ここまで性別曖昧路線突っ切るきっかけとなったのは、とある漫画から。
とても素敵な漫画です。皆可愛い。




