神降ろし
私は大広間の中心に正座をしていた。周りには円形になるように蝋燭が立てられている。窓も扉も締め切っており、空気が回ることはない。しかし、蝋燭の焔はゆらり、ゆらりと左右に揺らめいている。
かれこれ数百回。神を降ろすのも楽な仕事ではない。百回なんて、寧ろ軽い方だと自分に言い聞かせながら、今日も祈る。全て無にして、体に霊気を循環させる。
――来て。私の声が届くなら、どうか応えて。
体が熱くなる。ゆっくりと瞼を持ち上げると、蝋燭から魔法陣のような光の線のような物が放たれた。あと、少し、もう少し。
「ぐっ..............ああああああああああ!!」
霊格が暴走。耐えろ、耐えてくれ。その願いが通じたのか、私の前に光が集まってきた。それは段々と輝きを増し、一つの人型を顕現させた。
鋭い眼光。宵の刻を示した髪の色。初めに私と契約をむすんでくれた式神を連想させるような、イカつい雰囲気を放っていた。まぁ、そんな事はどうでも良い。私の呼び声に応えてくれたんだ。心からの歓迎を。
「今日からお前の主となる、時節色季だよ。宜しく」
相手に不快感を与えないように、目一杯の笑顔で手を差し出す。しかし、相手は手を取ることをしない。寧ろ困惑したようにこう呟いた。
「女人が主なのか?」
「嫌.......かな?」
「嫌というか.......」
帰りながら、準備をすることが出来ませんでした。
と言うわけで滑り込みです。
もっとトーク力身に付けたい。