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3輪目 山口香菜
花が咲いたら誰かが笑う
花が咲いたら誰かが泣く
花が咲いたら誰かが…
中学2年の春。
誰かと話しながら花を咲かせる人が素敵だと思った。
花を咲かせて話をする。
花を寄せながら歩くのは少しめんどくさそうだと思ったけど見てると羨ましい気持ちになる。
嬉しい気持ちや隠してる気持ちが花になって咲く。
教室や廊下が花の香りが溢れてる。
大人になったらこの香りがなくなって、代わりに加齢臭がするっていうのが信じられないくらい。
教室から眺めるグラウンドも花がよく咲く。
走りながら花が咲くと少し邪魔そうだなぁって眺めてるけど、
香りが強いとその子の真剣さとかわかりやすくて…
花が咲くからあの子の気持ちがわかって、
あの人は照れてて…
見てるとこっちまで幸せになる。
今日もだれかが花を咲かせる。
私はそれをみて、香りにうっとりして、
また誰かの花を見る。