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09 弱った体

「おはようございます。おじさんおばさん お邪魔します」


そう言って、ユンの家のドアを開けた。


「あれ?この時間はまだ学校のはずじゃ?」


「すみません、後で!」


おじさんのことを軽く受け流し、ユンの部屋に向かった。


部屋のドアを開けると顔を真っ赤にしてベットに寝ているユンがいた。


少し乱れた息を整えて、ゆっくりとユンの部屋に入った。


「ユン、起きてるか?」


そう聞くとユンがゆっくりと目を開けた。


「あれ?コペル来てくれたの…」


嬉しそうに笑ってみせるが、その声は弱々しく、いつもの元気はなかった。


「マータンから解毒薬奪い取ってきたから、これ飲んでくれ」


そう言ってポケットに入ってる薬を出した。


「マータンに勝ったの?すごいじゃん…強かった?」


「ラッキーパンチだよ。とりあえず状態を起こして」


そういい、ユンの背中に手を置き、ユンの状態を起こした。


「さぁ、飲んで」


薬の口に詰まっているコルクを抜き、ユンにゆっくりと飲ませた。


彼女は少し飲みづらいのか、口の端時から少しこぼれていた。


「よし」


飲み終わったので、ゆっくりとベットに倒した。


「多分これで良くなるよ」


「うん…ありがと…」


少し期待してたが飲んだら急になるってことはやっぱりないよなぁ…


【探索】で見てみてもまだマナの流れが遅いように感じる。


まぁそれでもひと段落だ。



「ねぇねぇ、私の話聞いてるのかしら?おーい!見えてますかー?」


見えない聞こえない。


ここまでの道中もずっと話しかけてくるが流石にうるさい。止める方法はないのか。


「ねぇ聞いてもう目玉ちょうだいとか言わないからこの子、この子が危ないわよ!ねぇ、気づかないの? 結構危ないわよ」


そんな言葉に対してユンに聞こえないぐらい小さな無声で言った。


「お前薬飲ませたのみてなかったのか?」


「やっと、話聞いてくれたわね!見えなくなったんじゃないかって心配したわよ。それはそうと、薬で明日には治るけど、それまでが危ないわ。薬が強すぎて今の彼女の体力じゃあ天に召されるわよ」


「マジかよ!」


「ん?コペルどうしたの…?」


「あ、いやなんでも…」


つい声に出てしまった。


「本当よ。嘘ついてどうするって言うのよ」


それもそうだ。こいつが嘘ついても特になることがなにもない。


「多分この子昨日からごはんを食べてないのよ。何か口に入れさせなきゃダメよ」


分かった。


俺はおじさんのおばさんの元に向かった。


「ユンが少し弱っている。何か食べるものとかないのか…ですか?」


やばい、つい敬語が抜けてしまっていた。


叔母が答える。


「食べるもの?ん〜昨日も食べなかったのよね」


「いいですから、何かないですか?」


「一様お粥を作ってるんだけど食べるかしら?」


「一様持っていきます!」


そういうとおばさんが装ってくれた。


「ありがとうございます」


そういい、お粥をユンのところまで持っていき溢さないようにそっとベットの近くに置いた。


「ユン、少し起きろ」


そう言うたユンは少しだけ目を開けた。


「お前昨日から全く食べてないらしいじゃんか。ダメだぞ食べなきゃ」


「私お腹減ってないもの…」


「でも食べなきゃダメだ。ほら起きて」


そう言いながら背中を押し、ユンを起こした。


「ほら食べて」


ユンの目の前にお粥とスプーンを持ってきた。


するとユンはスプーンを取る様子もないまましばらく止まっていた。


「え〜、私病人だよ…食べさせてよ」


あれ?ユンってこんか感じだっけ?少し頭が回ってないのだろうか?まぁ食べてくれるのなら何でもいい。


そう思いスプーンを取った。


「じゃあ、あーん」

そう言うとユンは目を閉じ口を開けた。


俺はお粥食べさせた。


「あれ?もしかして…」


エネムが途中で不敵な笑みを浮かべながらこちらをのぞいていたが、今はそれどころじゃない。


俺はユンが食べ終わるのを待ち、まだスプーンをユンの口の中に持っていった。


そんなこんなでユンは時間はかがったがお粥を全てたえらげた。




これで一安心かな?

マナの流れも良くなっている。安心してユンを倒そうとした時だった。


「やばいわ!まだダメよ!このままじゃまだダメよ!」


エネムがそんなことを言い始めた。


俺がエネムの顔を見るとエネムは、少しにやけていた。


「このままじゃダメよ。体力をつけるためには体を温める必要があるの。でもその声は汗でびしょびしょでしょ?その汗を拭かなくちゃ」


マジか…そう言われてみればそうだ。ユンのパジャマの背中は現に少し濡れていた。 


ユンのタンスからタオルを出し、ユンに言った。


「ほら、ユン脱いで、汗を拭くから」


「…え?」


ユンが少し目を見開いた。そして俺の顔を数秒見つめると、前のボタンを取り始めた。


そしてこちらに背中を向けてパジャマを脱いだ。


「背中だけでいいよ…」


「わかった…」


前は自分の服のだろう。


タオルをユンの背中に当てるとユンの丸まっていた背筋が少しのびた。そして背中を拭き終わるまでには、恥ずかしく感じ、自分の顔熱く感じた。


「ほら、もういいだろ。前は自分で拭いてくれ」


よく考えたら少しまずい状況だったかもしれない。おれは少しどうかしていた。


そう思い後ろを向き深呼吸をしていると、目の前にはエネムがいた。


それも腹を抱え必死に笑いを抑えようとしている姿のエネムの姿だ。

俺がユンの背中を拭いているときに後ろから見て楽しんでいたのだ。


俺がエネムのことを見たことにやっと気付いたのか、急に笑うのをやめた。


すると急に真顔になった。


「ごめんね。そういえば私用事あること忘れてたわ。友達に呼ばれててね〜」


そういうとエネムは壁を通り抜けてどこかにいってしまった。


あの野郎!もしかして俺が汗拭くの見て楽しむために嘘ついたのか!


後を追いかけて絞めてやる。


そう思いたとうとしたときだった。


「まって、コペル…行かないで」


ユンに裾を掴まれた。


「あ、そうだよな。うん、どこにも行かないぞ」


仕方ない。エネムを殺すのは後だ。

裾を掴んだユンの手を取った。


「大丈夫。どこにも行かないから安心して寝てな」


そういうと彼女は嬉しそうに目をつぶった。


そしてしばらくするとそのまま眠りについた。と思う。


俺もいつの間にか寝てしまったからはっきりしたことはわからないのだ。

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