02 嫌な予感
明日になったが…やはりなんの日か思い出せない。
「はぁ…今日も退屈だった…」
やっと昼ごはんの時間だ。今は外の木影でご飯を食べている。
こんなにも天気がいいのに屋内でひたすら勉強するなんてもったいないよ。もっと陽の光の元でだなぁ…
「何気を落としてるのら」
ユンが急に顔を近づけてきた。
「わぁ!びっくりした〜いつからいたんだよ」
「ついさっきから。今日って日になんでそんなしょげた顔してるの」
ユンは横に座ってきた。
「だって〜こんなに天気がいいならもっと外に出たいだろ」
「でもコペル、【剣術】も【魔術】もからっきしじゃん」
「うぅ…」
そう言われると辛いが、そういう事じゃない。
「授業するにしても青空の下でやりたいって事だよ。なんか最近教室じめじめしてないか?」
「そう?」
ユンは俺のいう事を聞き流しながらパンを口にした。
「マジ?あのじめ〜っとした感じを感じるの俺だけ?」
「最近暑いからじゃない?私はあんまり感じないけど」
あれ?俺だけなのか?まぁいいか。
「あ、それよりユン。昨日行ってた明日が今日来たけど全く分からないんだが」
「ごめんコペルが言ってることの方がわからない」
ん?今俺なんて言ったか。
「えっと。ユンが明日わかるって言ってたことが今になってもわからないんだが…ってどうだ!?」
「どうだって、ちゃんと伝わったよ。本当に分からないの?」
「見当もつかん」
そういうとユンは頭に手を置いた。
「どうした頭が痛いのか?」
「えぇ、貴方のせいでね」
もしかして俺忘れちゃいけない事を忘れてるのか!?なんだ?なんかの記念日か?
「まぁ、いいわ…コペルは今日も川に行くの?」
「あ、うん…行くけど?」
「ならいいわ。夜にはわかると思うわ」
「夜?夜に何かあるのか?」
そう聞くとユンは立ち上がった。
「内緒だよー」
そういうとどこかに行ってしまった。
はぁ…今日何かあったか…
て、あれ?
気づけば手から俺のパンが消えていた。
「あいつ最近【窃盗】のスキルを覚えたからって俺に使う事ないだろ…」
はぁ…まぁいいか。
俺は立ち上がったその瞬間だった。
何かが起きた。体のどこかで何かを感じた。
なんだこの感覚…
胸騒ぎにも似た変な感覚だ。
その感覚を沈めようと目を瞑り深呼吸をした。するとユンの顔が強く浮かんだ。
「ユンが危ない!」
俺はそう思いユンが向かった方角に走り始めた。
なんだこの感覚はユンに会えば無くなるだろうか?
途中別れ道もあったが、どちらにユンがいるのかも直感的に理解できた。
ここだ。俺がついた先は戦闘訓練で使うものが入っている物置だ。
きっとこの中にユンがいると直感で理解できた。
「ユンいるか?」
息を整えながら物置のドアを開けた。するとそこにはマットの上で倒れているユンがいた。
顔は赤く息が荒い。とても苦しそうだ。
「ユン!」
「あれ…コペル…? 」
「あぁ俺だ!」
「やっぱり来てくれたんだ…やっぱりコペルはすごいなぁ…」
彼女は一言一言とても苦しそうに言葉をつづる。
「そういうのはいいから何があったんだ!」
「分からない…でも、多分、コペルのパンが腐ってたんだよ…」
「そんなわけないだろ!とりあえず先生を呼ぶぞ!」
そうして俺は猛スピードで先生のところまで向かい、ユンを魔法治療室まで運んだ。
として一通りユンの見た後に先生が言った。
「ごめんなさい…私にも分からないわ。でもすぐに死ぬ様な症状ではないわ」
「そうですか…」
ユンは疲れきってしまい寝てしまった。
「コペルくん。悪いけど、ユンさんを家に返してあげたいから教科書を持ってきてくれないかしら?」
「…はい。わかりました」
できればそばにいてやりたいが俺にできる事は何もない。
仕方がない。先生の言われた通り、ユンが家に帰れる準備をしよう。
そう思い教室に向かった。そしてユンの道具入れの中から教科書を取り出した。
すると教科書の上に4つ折りになった紙を見つけた。
なんだこれ、なんかのメモか。
その紙を広げてみると、こう書かれていた。
今日コペルが倒れたのはユン、お前のせいだ。
お前が誠意ある行動をしなければコペルが死ぬことになるだろう。
放課後、一人で馬小屋にこい。脱ぎやすい服でな。
と、書かれていた。
こんな事をする奴は1人しかいない、
…マータン。
「あいつ!」
きっと俺のパンに毒をもったんだ。それをユンが食べたから…
くそ!
俺は机を殴りつけた。
でも、これは不幸中の幸いだ。マータンの仕業とわかった。そしてこの紙を見る限り解く方法もありそうだ。
馬小屋に向かおう。
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