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18 不信


ユンがいた。


「ユン。危ないから早く出るぞ」


「まって。少し待って…」


後ろにいるジジィが気になって仕方ない。いつ爆発するかと考えると怖い。


「…どうしたんだユン?」


ユンは何かを言いたげにしているが口籠っている。


やっとユンが口を開いた。


「…コペルどうしちゃったの?」


「どうしたってどういう事?」


「わからないけど…コペルがコペルじゃなくなったような気がするの」


「え?俺は俺だよ。昨日で17歳になった。石拾いが趣味のコペルだよ」


何を言ってるんだ。俺そんなに変わったか?それはこの数日で強くなったと思うが…


「コペルはもっと…なんか、違かったとと思うの」


「…」


…俺にもわからないがきっとユンには何か感じることがあったのだろう。


「ハグしちゃいなさいよ。それで誤魔化せるわよ!」


エネムがそんな事を言ってきた。


こっちがいて欲しい時にはいなくて、いてほしく無い時には姿を隠す。辞めて欲しいわ。


でもハグはなしだ。ユンが嫌がるし関係が崩れる。


ユンを見るとユンは寂しそうな顔をしていた。



「別に全てが変わったわけじゃ無い。少し変わったことがあったんだよ。ただそれだけだよ。今はすぐにでもここから出ないと危ないから、外に出たら話すよ」


「…うん…わかった出よう」


そう言ってユンはドアへと向かった。 


その時だった。


「帰すわけにはいかないのじゃよ」


振り向くとジジィが起きていた。


「おい!やばい逃げるぞ!」


「まて!コペル」


「待って。コパル」


ユンも俺が逃げようもするのも止めた。


…仕方ないな。


「なんだよクソジジィ」


「ちょっとした疑問なんじゃが…お前さんのその能力はなんじゃ?」


いや、聞いたところでこのジジィ耳の鼓膜破れてるんだろ?


「無視だ無視無視。このジジィ鼓膜破れてて何も聞こえてないぞ」


ジジィを眺めているユンの背中を押し外に出ようとした。


「まて!クソガキども!」


後ろからクソジジィの辛そうな声が聞こえるが無視だ無視。


俺はそう思い馬小屋から出てドアをしめた。



「じゃあ、ユン。帰ろーーー」


その時いきなり馬小屋が吹き飛んだ。


「え…」


爆発ってこんなに吹き飛ぶぐらい爆発するのかよ!



「コペル。これは一体何!」


「いや、俺にもわからん」


わかるが説明できる自信がない。


しばらく砂埃が止むまで待ち続けた。




砂埃がなんだその先にはもう何も残ってなかった。



「…危なかった〜!」


死ぬところだった。思っていた爆発の40倍危ない感じだったぞ。


横にいるユンは訳もわからずその場に座り込んでしまった。


「大丈夫だからユン。これで終わりだよ」


そういうとユンは俺の足に捕まってきた。


「大丈夫二じゃないよ!」


その叫び声は村の奥までこだましたり


「人が死んだんだよ!しかも見知った使徒が死んだんだよ!大丈夫なわけがない!」


え…あ、そういえばそうだ…


「コペル変わっちゃったよ。すこしまえだったなら人を死ぬことに躊躇があったはずなのに、また今は人が死ぬことに対して動揺もしてないよ!おかしいよ!」


そういうと、ユンは泣き出してしまった。



…確かにどこか俺麻痺してたかもしれない。


マータンを殺す気で戦って以降命が俺の中で軽く感じているやかもしれない」


なんて声をかけよう…


ユンはまだ泣き続けている。


…ダメだ。


「とりあえず、帰ろ」


俺はそういうとユンの共に家に向かった。


ユンは歩けないらしくおんぶして背負っている。


ユンはまだ鼻を啜っている。


最高に気まずい。だがきっと俺が思っている事をそのまましゃべるしかないんだろうな…



「…すまんなユン。俺やっぱり俺が知らないうちにどっか変わっちゃったかもしれないわ。俺も全てを話したいが、俺の中でもまとまってないんだ。だから、少し待ってくれないか?まとまったら一番にユンに会いに行く」


鼻を啜っているユンはスンと頷いた。


「絶対だよ?」


「あぁ、絶対に教える。約束するよ」



そういうとユンが俺の首に回していた腕に力が入り、とても密着したことに気づいた。


「…」


いや、多分そういう意味じゃないことはわかる。俺は勘違いしないぞ…



そうは思うが心臓が高まった。


「コペルの心臓早いね」


「そうか?そこも変わっちゃったのかもな」



早く話をまとめてユンに話そう。そのためにも【探索】の技能や龍の瞳とかの能力を全て解析しなければ。


よし!明日からは能力分析をするぞ!



俺たちはそんなこんなで家に帰った。


ただ、学校の先生が一人消してしまったことを気に留めなかったのは後で後悔する羽目になるかもしれないと、少し思う。

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