16 じじぃの狂気
地面が暑いのにもかかわらず、それよりも先に耳を押さえるほどの高音だ。
「アドベス!行くぞ」
おれはアドベスの手をとり、シーシと共に降りた窓目がけて走った。アドベスはヨタヨタとだが手を引っ張られてる方に歩いてきてはいた。
肘で窓を叩き割った。すると外から涼しい風が部屋に入ってきた。
よし!外に出るぞ。そう思った時だった。
「!!」
手を引いていたアドベスが動かなくなった。
「おい!どうした」
アドベスの方を見てみると片足だけが垂直に上へ吊るされており、うまく身動きできない状況だった。
上には蜘蛛がおりその雲のお尻から足に糸が絡まっていた。
この音と熱い地面と蜘蛛。まずは蜘蛛から対処したい所だが、手が届きそうにない。
アドベスの顔を見ると涙目になりながら何かを言っているが、爆音のせいで何を言っているかが分からない。
あ、別に良いかもしれない。
俺はアドベスを守らないといけないと思い逃げようと思ったが、違うかもしれない。
俺はそう思いアドベスから、手を離した。
するとアドベスの絶望的な顔をしながらこちらを覗いてきた。
そして俺が離したことでアドベスが宙吊りになってたわ。
「大丈夫だから」
多分聴こえてないがそういうと、俺は俺が入ってきたドアを蹴りあけ、ドアを開けた。
するとじじぃが手の上に蟻を乗せた状態で立っていた。
俺はすぐ様そのありのマナの中心に手を伸ばした。
そしてそのマナを引き抜き自分にそのマナの中心を取り入れた。
すると蟻は泣き止み手の上で失神している。
「クソジジィ!歳のせいか反応しきれてないな!イッた10秒後に感じ始めるタイプか!?」
「…」
じじぃは何も答えなかった。
俺はじじぃに近づいたそして。
先程のありのように叫んだ。
すると俺の口から先程の鳴き声が鳴り響いた。
どうだクソジジィ。老体にはきついだろ。
そう思ったが、ジジィはまるで何も動じなかった。
立ったまま失神したか?それとも…
じじぃは俺の方を睨みつけた。
マジで効いてないのか!?
そう思ったも束の間ジジィの手から、丸っぽいオレの拳ほどの虫が出てきた。
するとその虫が俺の方へ飛んできた。
「やべ!」
反応しきれずに腹にその虫が飛んできた。
やばい!吐きそうだ…
腹を抱えながら、何とか立ち上がる。
その虫は自分の力が強すぎたのか、潰れて死んでいた。
「何かわしに話しかけていたのか?すまん。何も聴こえてないのだ」
ジジィの耳を見ると耳から血が流れていた。
こいつ耳を自分で壊したのか…
でもよくよく考えてみるとあんな鳴き声を一番近くで聞いていても大丈夫ってことを考えてるべきだった。
「いいのう。動きが若い。羨ましいことじゃ…」
「うっせぇ!難聴で人の話聞く気ないなら喋んじゃねぇ!」
俺はつぶれた虫を拾い上げ、ジジィ背を向け教室の中に入った。
そしてアドベスの真上にいる蜘蛛に目掛けてつぶれたむしを思いっきり投げた。
すると蜘蛛のお尻に当たり尻が潰れた。
「よし!」
するとアドベスについていた糸が少し緩んだ。
俺はアドベスの胴体を抱え込み、また窓へと走った。そして追撃がないか後ろを振り向いた。
するとジジィは俺らに何をするわけでもなくその場に立ち尽くしていた。
…おかしいぞ。
俺は窓についた時、窓の下を見た。
すると教室の下には何人かの生徒がいた。
だが何も言ってないし、ただ眺めているだけだ。
てことは窓の外に何かがあるわけでもないってことか。
「少しわかったかも」
あいつの目的を考えるべきだった。
「悪りぃアドベス。投げるぞ」
「え?」
「おめぇら人殺したくなければ誰か受け止めろよ!」
そう叫ぶと俺はアドベスを外投げた。
「ふざけるな!」
そうは聴こえたがもう遅い。投げちゃったんだから。
よし、あのジジィ殺しに行こう。
そうして俺はジジィの元に向かった。
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