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11 蜘蛛と雲

次の日、いつも通り、学校に向かっていた。


なんかこの2日は疲れたな…


「なんか退屈んだけど。何か面白いこと言ってよ」


横にはべちゃくさしゃべるうるさい自称精霊のことを殴れるようになる魔法とかはないのか?


「ねぇ?聞いてるの?」


聞く気がない。てかまじでどっか行ってくれないかな…


そんなことを思っていると遠くから声が聞こえてきた。 


「おーい。コペルー」


そちらを見ると遠くからユンが向かってきていた。


それを見てユンがこちらに着くまで待った。


「おはよう。コペル」


「あれ?もう大丈夫かのか?」


「うん大丈夫そう。昨日はーー」


そこまで言うと顔を真っ赤にした。


そしてモジモジし始めた。


「昨日はありがと…」


俯いたままそんなことを言われた。


「お、おう.どういたしまして…早く行こうぜ」


「うん…」


なんだ?少しやりづらい。


「あれれ?朝から生殖行為一歩手前ですかー?お盛んですねー」


マジでエネムを殺したい。


エネムを睨みつけるも、エネムはにやけ顔をやめない。


はぁ…


ついため息が出た。


「コペル疲れてるの?」


ユンがそんなことを聞いてきた。


「あ、全然疲れてない疲れてないよ。でもなんか色々あったなぁ…って」


透明なビッチがうざくてため息が出たなんて言えないので適当に嘘ではぐらかした。いや嘘とは言いきれないが。


「やっぱりコペルいろんなことあったんだね…少し変わったもん」


「本当か?」


自分じゃ分からないけどなぁ…


「私もね、すこし変わったんだよ」


ユンが話し始めた。


「あ…うん、、そうかな?」


あんまり分からないが本人がそう言うならきっとそうなのだろう。


「私ね。本当に死ぬ思いして、このまま死にたくないってずっと祈ってたの」


まぁ、本格的に危なかったしな。マータンみたいなバカはやっていい事と悪いことの範囲をわきまえてないのが一番怖い。


「でね。治ったけど明日死んでも悔いないように生きなきゃって、考えたの。だから…」


急にユンが足を止めた。


「だからなんだ?」


「……」


ユンは何かを言おうとしてるが口に出さない。


「やっぱり何でもない」


そう言うとユンはスタスタと先に行ってしまった。


「なんだ?もしかして空元気でまだ本調子じゃないのか?」


病み上がりであんまり体調が良く無いのかもしれないな。今日はそばにいてやらないとな。


「あんた…ロクな死に方しなさそうね」


エネムが呆れた顔をしながらそんなことを言ってきた。


「え?マジでお前…」


「いや、これはあなたが悪いわよ。あーあ、私しーらない」


そういうとエネムはユンの後を追いかけた。


「何だ?よく分からん」


まぁ、いいか。


今日からはまた平和に過ごせるんだ。エネムの言葉にいちいち反応してられない。


そう思い学校に向かった。


そして教室に着き、クラスに入った。


するとクラスメイトはこちらに気づいたかと思うと、急に黙り込んだ。そしてこそこそと何か話し始めた。だが俺はそんな事よりも気になったことがあり、目に映らなかった。


「なんだこれ…」


それは黒い雲のように教室の地を這っていた。


だが何なのかは分からない。


「コペルここやばいわね。巣にされてるわよ」


エネムがそんな事を言った。

前に感じたジメジメした感じの正体はこれだったのかもしれない。今【探索】のスキルを極めたから見え始めたのか。


「今は気づかないふりをしておくべきよ。気づいたことに向こうが気づいたらどうなるか分からないし」


そう言いながらエネムは上に指を刺した。


恐る恐る上を向くとそこには蜘蛛のようだが足が12本あり、体長が2メートルほどの虫のような何かがいた。


俺はとっさに視線を下げエネムを見た。


「あれみんなに見えてないの?やばいわよあれ」


マジかよ。俺がいつも通っていたクラスにあんなものが巣を作ってたのかよ…


俺はゆっくりとクラスに入った。クラスメイト全員の視線と同時に何かが睨みつけてくるのも感じた。

地に這う雲はすこし粘着質で、クラスメイトの足を見るとゆっくりと徐々に上に動体に上がっていっていた。その雲は糸の様に伸びているマナを少しずつ吸収しながら動体にへ向かっていた.


やばいって…何ここ地獄か?


「コペル、朝はごめんね」


ユンが話しかけてきた。


俺はユンの横に座った。


「おう、別にいいよ」


大丈夫か?おれちゃんて普通に応答できているか?


ユンの足にも雲が徐々にだが、上がってきている。


「大丈夫か!?」


やばい、つい、声を上げてしまった。


クラスメイトの視線をより集め、ユンはびっくりしていた。


「別に大声を出すことでもないよ。でも大丈夫だよ。体調は戻ったよ?」


「あ、あぁ、なら大丈夫か…」


そんな会話をしているとチャイムが鳴った。


マジかよ。これから学校が始まるかよ…


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