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01 かわってる少年

「またあいつやってるよ」


「無駄なスキル伸ばす時間あるなら【剣術】のスキルでも上げればいいのに」


「だからクラスでもずっと最下位なんだよ」


遠くからそんな声が聞こえてきた。


だが俺ことコペルは陰口を言ってくる奴らのことを無視して川に足まで使っていた。

川の中から【探索】のスキルを使い完全に丸い石を探していた。


「あった!」


石を拾い上げた。


それは完全に丸い石だ。


スキルの精度も良くなってきたな。


そう思いその石を川の上流に投げた。


また明日もその石を【探索】のスキルで探すためだ。


「今日もやってるの?」


後ろから女の声が聞こえてきた。

そこには黒髪でツインテールの女の子。幼馴染のユンがいた。


「石も積もればなんとやらだ。毎日やらなきゃ意味ないだよ」


「そんな【探索】みたいな意味がないもの伸ばさないでもっと【剣術】とか【魔術】とか伸ばせばいいのに」


「それはユンに任せるよ。俺はそういうの向いてないから向いてる物を伸ばしたいんだよ。それに」


「それに?」


言おうか少し考えたが、今はやめておくことにした。


「なんでもない、もう遅いし帰ろ」


「うん」


川から出て家に帰ることにした。


俺は空を見ながらユンと並びながら歩いた。


「何見てるの?」


「空見てるんだよ。綺麗だなぁて」


俺は本当は空なんて見てなかった。宙に舞う流れの様な物を見ていた。

それは宙を漂う長い糸の様な物なのだが、たまに見える。

どこまで続くのかとその線を目で追っていルと唐突に消えてしまう。


これは【探索】のスキルが伸びてきてから見え始めた。

きっとまだ完璧じゃないからその全貌が見えてないのだ。


「明日には極めるぞ…」

心でそう誓った。

それを隣にいたユンが微笑ましく見ていた。


次の日、俺は今日も今日で、川で【探索】のスキルを伸ばしていた。


「おい!お前今日もやってんのかよ!」


うわ…今日は運が悪い…

同じクラスのいじめっ子3人組がやってきた。横の2人の名前は知らないが真ん中にいるやつは、マータン。みんなにやにやとわかるそうな顔をしている。

金持ちの出で、この村の中では自分が一番偉いと思っているやつだ。


「お前今日も石いじりか?だからいつになっても成績低いんだよなぁ〜」


「うるさい、俺には俺の生き方がある。ほっておけよ」


「お前は一勝石掘っておけよ」


そんな事を言って腹を抱えてゲラゲラと笑い始めた。


少しむかっとくる。


「お前もいつも男ばかり連れて男のケツでも掘ってれば?」


そういうとマータンの後ろの男がクスッと笑った。


「は?」


マータンが後ろにいる2人を睨むと急に真顔になった。


「貴方たち!何やってんの!」


ユンが遠くからこちらに向かってきた。


するとマータンは舌打ちをした。


「ちっ、ユンが来たぜ。コペル。お前も女の影にばっか隠れて、裏では女に掘られてたりしてな!」



「マータンさんそれよくわからないっすよ」


後ろにいる男がそう言った。


「うるせぇ!筋肉女がくる前に早く逃げるぞ!」


そういうとマータンはそそくさと逃げてしまった。


入れ替わりにユンが来た。

だいぶ息が切れているみたいだ。


「コペル大丈夫だった!?」


珍しくユンも川の中に入ってきて俺の方を掴んだ。


「大丈夫だよ。あいつら服が汚れるのが嫌だから川の中には入ってこないから」


「そうなんだ…」


「でも、ありがと。実際ユンにはかなり助けられてるよ」


そういうとユンは顔を真っ赤にして俯いた。


「そ、そうかな?」


「そうだよ。クラスでもトップなユンがいつでもついていてくれるから、僕はいじめられずに済むんだから」


そういうとどこか嬉しそうにユンは自分の髪を触り始めた。


「あ、丸い石みっけ」


その時体で何かが変わった気がした。


「コペルどうしたの?」


ユンが心配そうにこちらを見つめていた。


「あ、多分あんまり人と言い合いとかしないから疲れたんだと思う」


多分そうだろう。


手に持った石を川の上流に投げた。


「今日はもう帰ろ」


「うん」


またいつもと同じ帰り道を歩いた。


「あ、コペル。明日がなんの日か覚えてる?」


ん?明日か…何かあったっけ?


「もしかして模擬戦闘か?」


「ぶっぶー、違うよー。わからないならいいや。明日のお楽しみ!」


明日?なんの日だ?

まぁ、明日になってみればわかるだろう。


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