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道中にて2

私とイリスは火の番をしながら、朝日が上るのを待っていた。


しかし、見た目は成人していないか弱い女の子2人組、魔物に狙われるのは仕方がない事だった。


「うぉりゃ!」


「ていっ!ていっ!てやーっ!」


私とイリスは今スケルトン10体に襲撃されていて、その撃退をしていたた。

ちなみに今回はイリスも戦闘に参加しており、武器は薪を拾いに行ったときに手に入れたダガーを使ってスケルトン3体を圧倒していた。


「7体目っ」


私は剣を凪ぎ払うようにスケルトンの首に剣をバッサリと入れた。

スケルトンは魔石がある頭と胴体が離れた事で魔力が切れて力なく倒れた。


「イリス。終わった?」


「はいっ。お姉ちゃん。」


イリスの方を確認すると所々罅が入っていたり、骨が折れていたりするスケルトンの亡骸が3つ転がっていた。


「はぁぁーっ。やっぱ野宿とかしていると襲われたりするものなの?」


焚き火に戻って来て、一息つきながらイリスにそう聞いた。


「まあスケルトンとかあんまり自分の意志が無い魔物は生き物を察知すれば襲って来るけど、ゴブリンとか意志が完全にある魔物はやっぱり私とお姉ちゃんみたいな弱そうだったり女の人を狙ったりするらしいよ。」


それを聞いた私はため息しか出なかった。
















朝日が上り始めた頃、保存食の朝ごはんという悲しい朝を迎えた私とイリスは火を新しく覚えた水魔法で消して歩き出した。


「それにしても魔物の襲撃が3回もあるとか私とイリスが吸血鬼の血じゃ無かったら睡眠不足になっていたよ。」


私は背伸びをしながらそうぼやいた。


「でもそのお陰で魔石が結構手に入ったから、それを売って美味しい物でも食べようよ。」


イリスはゴーストとゴブリン、スケルトンの魔石と、討伐の証が入った2つの袋を見せた。


ゴーストの魔石はスケルトンと一緒に襲って来たゴーストから採取した物で、やはり剣とかの物理攻撃が全然効かなく攻撃魔法が少しだけ効くという中々厄介な魔物だったが、地球に居たときのRPGなどで培った経験で回復魔法をかけてみると効果は抜群。大ダメージを与えられた。


ちなみにゴーストの魔石は普通のよりも高額で取引されると言う中々嬉しい物だ。



そんなこんなで街道を歩くこと数時間がたった。


「……ねぇ、あの集団って……」


私は街道を私とイリスよりも少し遅く動いている普通のよりも大きい馬車と冒険者の集団を指差した。


「…あれは奴隷商人の馬車だね。」


私はそれを聞いた時眉をひそめた。


「奴隷かぁ…やっぱりいつ聞いても嫌な気持ちにしかならないな……」


「でも奴隷がいるから回っている社会もあるんだから仕方が無いって割り切るしか…」


そんな会話をしていると後ろからこっちに来ているのに気づいた冒険者の1人がこちらに向かって来た。


「嬢ちゃん達は2人で旅しているのかい?」


「ええ、そうだけど何か?」


「じゃあ途中まででも良いから、俺達と一緒に来ないかい?」


男はにっこりと笑いながらそう言った。


「お姉ちゃん。護衛なんて必要無いよね?」


イリスは私にそう言って手を引いてさっさと馬車を通り過ぎようとしたが、男が私達の前に周り込んで


「でも盗賊や魔物に襲われたらどうするんだ?嬢ちゃんみたいな弱そうなのは格好の餌食になるぜ。」


「心配はしなくても大丈夫なので!」


イリスと男の言い争いはこのままでは平行線をたどるだけなので、私はイリスの口を右手で押さえて


「確かにそう言われると心配になってきたのでそんなに距離はありませんが、ヘウレーカ領のリィディアまで一緒に同行させてください。お願いします。」


「そうか!なら早速俺達の仲間に伝えなきゃな!ついてこい。」






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