道中にて
5ヵ月も投稿できなくて申し訳ございませんでした……
理由としては、アイデアが思い付かなかったのと、他の作品を書いていたりしていたからです。
アルマス領のカルバンの街を出て数時間が経った。
私とイリスが歩いている街道は夕日の光で赤く染まってゆき、元々誰も歩いていない街道は寂しさが増していった。
「イリス、どうする?ここ辺りで野宿の準備を始める?」
「確かにここ辺りで野宿にした方が良さそうだねお姉ちゃん。
じゃあまずは火を起こさないとね。」
イリスは懐から2つのそこ辺りに落ちていそうな石を取り出した。
「その石何?」
私が不思議そうに聞くと、イリスは少し呆れたようにため息をつきながら。
「……これは火打ち石。お姉ちゃんも料理する時に使ったでしょ?」
「えっ…私、火魔法で火を付けていたんだけど?」
イリスはそれを聞くと、目をカッと見開いて
「ちょっとお姉ちゃん、それどう言う事!
火魔法じゃあ威力が強すぎて薪ごと消し炭になるはずじゃあ…」
イリスはカゲコの非常識さに頭を抱えて、うんうん唸りだした。
「……ライターをイメージしながらやればできたんだけど。」
その後、復活したイリスから薪を集めるように言われて、私は誰も余り入ってきていないと思われる近くの雑木林の仲間に入ってとりあえず適当にジャンジャン枝を沢山拾った。
15文は拾い集めていると、少し先の1メートルという背の高い良く解らない草の生い茂っている所から何かがこちらに向かって来ている気配がした。
私は拾った枝を置いて、腰に刺していた剣を抜いた。
「ぎ……………ギ……」
だが、草の生い茂っている所から聞こえたのは、弱々しいゴブリンの鳴き声だった。
(ゴブリン?他の魔物に襲われたのか?道理でさっきから濃い血の匂いがしたんだ。
…まぁでも棚ぼたじゃん!ラッキーっ!)
私は剣を適当に凪ぎはらってどんどんと草を切って行った。
すると、いきなり剣に何か当たった感触がした。
私はその感触があった所を見た。
「うえっ!死体っ!」
そこにはまだ殺されてそんなに経っていなさそうな、長い髭の男が倒れていた。
「なんでこんな所に……」
私が不思議に思っているとガサゴソと草が揺れながら、ゆっくりだかどんどんとこちらに何かが向かって来ていた。
(そうだ、ゴブリンが向かって来ていたんだ……
そうするとこのおじさんは魔物に……私もイリスのためにもこうならないようにしないと!)
私は剣を構えてゆっくりと接近してきているゴブリンを待ち構えた。
「……………………………」
茂みの中から出てきたゴブリンは満身創痍で片腕が無くなっていて、体の至る所から緑色の体液をだらだらと流していた。
だが、そんな状況でもゴブリンの目は諦めておらず杖のように使っていた鍬を振り上げようとしていた。
「……今楽にしてあげるよ……」
私はおもいっきり、剣を横に凪ぎはらった。
ゴブリンの首は宙に舞いながら、重力に逆らわずに落ちた。
「……魔物も生きるのに必死なんだ……」
私はそう呟くと、ゴブリンの持っていた鍬を使って穴を掘り始めた。
ステータスの高さもあってか僅か20分で深さ30センチの穴を2つ掘った。
もちろん埋めるのは人間と、満身創痍でも逃げずに戦いを挑んだ勇敢なるゴブリンを埋めるためだ。
ちなみにおじさんの持っているギルドカードと持っていた鉄の剣と、ダガー、鎧、それにお金をもらって、ゴブリンからは魔石を剥いだ。
「『炎よ 我の敵を燃やし尽くせ ファイアーボール』」
私はファイアーボールを消し炭にならないように威力を調整して飛ばした。
ファイアーボールはゴブリンとおじさんの体に当たり、どんどんと燃やしていった。
すると焼けている死体からは吐き気が少しするような匂いがしてきた。
私は顔をしかめながらも、燃えていく死体を眺めていた。
辺りが闇に包まれた頃、火がだいぶ収まり骨を回収しようとした。
しかし、骨にはまだ肉が残っていて余り気分は良く無かったが、それでもちゃんとおじいさんとゴブリンの骨を混ざらないようにどんどんと穴の中に入れていき、15分もすれば埋め終わっていた。
「安らかにお眠りください……」
私は埋め終わった墓に目をつぶりながら手を合わせた。
「………行かなきゃ。イリスが待っている。」
「……お姉ちゃん……」
私は雑木林から帰って来ると、イリスに正座をさせられていた。
「なんで、薪を集めてきてって言ったのに、鎧とか剣をもって帰って来るかなぁ!!」
その後、こってりとイリスに絞られた私はもう一度薪を取りに行ったが、「生木が結構ある!」と、焚き火なんてしたこと無い私ではあんまり見分けがつかないのに無理を言わないで!と心の中で叫んだ。