バルサムにて
すみませんm(_ _)m
言い訳になります
併用して3つの話を書いていたらごちゃ混ぜに
。゜(゜´Д`゜)゜。
夕方に到着したバルサムは埃臭い町だった。
歩いてる人の大半はおじいさんかおじさんで仕事終わりの不機嫌を張り付けた顔をして歩いていた。
兎に角宿を探さなきゃ。
祠を見付けるまで滞在するつもりだから清潔な宿に泊まりたかった。
馬車が着いた広場には屋台も出てなくて聞こうにも話し掛けられそうな人が居ない。
どうしようか迷っているうちに乗り場から人の姿が消えてしまっていた。
焦ってる処へ大通りから左の路地に曲がる人が見えて、急いで追い掛ける。
入って見ると引き返したくなるくらい汚い裏通りで食堂らしい店と今にも壊れそうな宿屋?が10以上固まって建っていた。
宿に入っていく人たちを見ればみんな坑夫のように見える。
最悪野宿かも…折角バルサムまでの馬車が何も無く着いたのに。
ガックリしながら食堂らしい店に戻る。
入ってみればやはり食堂でその日のメニューと壁に書かれていた。
「飯かい、水かい」
奥から太ったおばさんが出てきてつっけんどんに聞いてくる。
この町でも水を売るんだと聞いたら嫌でもあの村を思い出して嫌な気持ちになった。
「食事を」
壁を指して頼むと硬いステーキと鉄臭いスープがドンドンとテーブルに出てきた。
「金貨1枚だよ」
信じられないくらい高い。
これで宿も高ければ最悪だった。
「あの、この町の宿屋は裏の…だけですか?」
恐る恐る聞いてみた。
「あるけど高いよ」
「いくらですか?」
少しくらい高くても我慢するつもりで天の助けと聞いてみた。
「2日で大金貨1枚」
「え?」
日本なら一泊7、8万以上の高級な宿だ。
この埃だらけの町にそんな宿があるとは思えなかった。
「それは何処に?」
「家の上だよ。泊まるかい?」
「そんなにお金が…」
慌てておばさんに言った。
「なら裏に行くんだね」
吐き捨てるように言われて最低な気分になった。
野宿の準備をもっとしっかりしてから王都を出るべきだった…。
ベルに教えて貰ったのに毛布に蝋も塗ってない。
もし雨が降ったら…そう思ったら溜め息しか出なかった。
それに、広場に屋台が出て無かったからアブサンで買ってきた食料なんてあっという間に無くなりそう…半月と言わずもっと大量にストックしておくべきだったと今になって後悔した。
「この町に祠は無いですか?」
「祠?そんなもんここには無いよ」
おばさんはサクッと否定した。
商業ギルドも冒険者ギルドも見当たらない。
誰に聞いたら良いのか分からなくて町を歩き続けた。
町の左側の外れから坑夫が歩いてくる。
きっとその先が鉱山だろう。
これ以上行っても無駄に思えて馬車の乗り場までがっかりして戻ったら丁度国境からの馬車が着いた所だった。
何気無く降りてくる人を見ていたら馬車に乗っていた警備の冒険者パーティーは右の路地へと歩いて行く。
金持ちらしい身なりの人も右に行って他の人は左に行ってた。
もしかして…もしかしたりする?
急いで冒険者パーティーを追い掛けた。
ギリギリ建物に入るのが見えてその前まで走った。
見上げたら『冒険者ギルド』とあって体から力が抜けた。
最初から右に行けば良かったんだ。
前で立ち尽くしていたら追い掛けてきた冒険者パーティーが出てきて何処かに行くらしい。
タイミングが良かったら宿屋に行くかも…と淡い期待を抱いて後ろを付いて行った。
なのに冒険者パーティーは近くの酒場に入ってしまっていくら待っても出てこない。
待ちくたびれて冒険者ギルドに戻った。
ギルドで聞くのは嫌だけどその時は出てくるまで待っている方が嫌だった。
「何か用?」
警戒しながら受付のお姉さんに宿の紹介を頼んだ。
駄目なら冒険者パーティーが酒場から出て来るまで待つしかない、と覚悟していたら事務的な声が投げられた。
「紹介する前にギルドカードを提示して」
嫌な感じの対応だけど来てしまってから引き返す勇気も無くて渋々冒険者ギルドのギルドカードを出したら身元確認みたいにしつこく聞かれた。
喉元まで出ていた『もういいです』はやはり小心者には言えなくて聞かれた事に短く答えた。
「問題は起こして無いようだけど…」
途中まで横目でチラチラ見て来たのに回されてきた書類を見てからは態度が変わった。
「あなたBランクの仲間なのね。それなら早くそう言ってよ」
お姉さんはガラリと態度を変えて丁寧に宿までの地図と狼討伐の報酬の話をしてきた。
ため息が出る。
またシンに助けられた、と思いながらこの世界がもっと嫌いになっていた。
受付から離れ掛けて…祠の話を聞いてみた。
「この町に祠は有りませんか?」
「祠?町の両端に2ヶ所有りますよ」
「地図を頂けますか?」
受付お姉さんは質の悪い紙に印刷してあるこの町の地図に2つのばつを書いた。
「ありがとうございます」
「夜は行かない方が良いですよ。特に鉱山側の祠は無法者が根城にしてると聞きます」
あ…これってフラグ?
また自分で立てちゃったかも…。
ズン、と重くなった足を引き摺って地図にある宿屋まで歩いた。
先に鉱山側の祠に行こうか…絶対こっち側の祠には有りそうもない。
「何で自分で立てるかなぁ…」
声にしたらもっとズンと重くなってしまった。
紹介された宿は王都アラックの半額だった。
泊まる前に色々言われたけど部屋は綺麗だし今日2回目の食事は美味しくは無いけど残さず食べれた。
鉱山のせいでどんな作物を作っても鉄の味が強いので食事には期待しないで欲しい、と最初に宿の店主に言われた時は驚いたけどそう思って食べると納得してしまった。
最初2泊で個室を取った。
明日鉱山側の祠で封印の石が見付かったとしてもその日の馬車に間に合うとは思えないから2泊は確実だった。
行ってもホントに見付かるかは分からない。
でも、見付からなかったらこの世界に私を連れてきた誰かの話は続かない気がする。
石は無くてもヒントはある。
それだけは確実だと思う。
翌朝地図を便りに鉱山側の祠を探した。
坑夫の出掛ける時間より遅かったみたいで祠までの道に人は居なかった。
道の両脇には背の高い枯れた萱みたいな草が切れ目無く続いていて視界を妨げている。
町も近いし狼もこんな所には居ないだろう。
もし絡まれても応戦出来るように最初に着ていた汚い囚人服のような服を着て最初の剣を差してる。
本当はシンと買った剣を差したかったけどこの服には似合わなくて最初の剣にしたのだった。
これなら坑夫でも狼でも何とかなる気がした。
少しでも女の子に見られないようすっぽりかぶる帽子まで宿の店主に借りてきていた。
町から少し歩いたら鉱山へ向かう道と祠に向かう道に別れていて警戒しながら祠に向かった。
怖い人が本当に居たら…想像するだけで嫌な汗が全身に流れる。
こんな時本やゲームで定番になってる『転移』とか使えれば良いのに。
使えたらいざって時は転移で逃げられる。
「あ…」
その時頭の中に『転移石』の単語が点滅した。
シンに聞いてみれば良かった、と思いながら逆に思い出さなかった事に疑問が生まれた。
何かが思い出さないよう邪魔している?
もしかしたら…私に何かをさせたくてこの世界に放り投げたんじゃなくて人を間違えた、とか?
それなら日本へ帰る道なんて有るわけ無い。
思わず背筋が冷たくなって悪寒のような身震いが出た。
連れてきた奴のバカヤロー!!
文句言ったからじゃないと思いたい。
乾いた草を踏み付ける音に振り向けば枯れ草の間からグレーのウサギが飛び出してきた。
「え?…え?」
有り得ない、あって欲しくない現実に頭の中はパニックになっていた。
それが良かったのかも。
気が付いたら3匹のウサギが目の前に倒れていた。
流石にもう驚きもない。
ウサギより狼の方が速いから襲われても何とか対応できた。
ちょっと欲が出て毛皮を高く買って貰いたくなって首を狙って失敗したのは秘密。
倒した3頭を倉庫にしまった後周りを見て他には居ない事を確かめた。
このグレーのウサギも白いウサギと同じ値で売れたら良いな。
周りを警戒しながら着いた祠は水が塞き止められて腐った沼の臭いがした。
回りには誰も居なくて、祠の中にも人の気配は無い気がする。
冒険者ギルドのお姉さんはここに無法者が住んでると言っていた。
居ないのは昼は坑夫として働いているから?
疑問符を浮かべながら祠の中を覗き込んで見れば、中は人が5人も入れば満杯になる広さしか無かった。
入った瞬間臭いの凄さにむせて動けなくなった。
じっくり調べる余裕何て無くて涙目になりながら祠から飛び出した。
!!
空気を切る悪意に思わず斜め後ろに飛んだ。
見ると前にまたグレーのウサギが待ち構えていてそれからは必死であんまり記憶に無い。
気が付いたら地面に倒れてるウサギを見ていた。
兎に角倉庫にしまおう。
手をかざしてウサギを倉庫に入れた。
ついポンポン入れてしまったけど何匹入れた?
手のひらを見てステーキを出せば何かが点滅していた。
何かが変わった?
「…え」
レベルが『3』になってる。
ふっとレベルが『5』になったら…とか本の書き込みが甦ったけど…無いな。
温い目で
お読み下されば幸いです




