表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の彼女はノンセクシャル  作者: チェリり
1/2

ぼっちのライフスタイル

読もうとしてくれた皆さんありがとうございます。不束者ですが楽しんでいただければなと思います

「あの、上川さんは彼氏とか居るんですか?」



「いませんよ。しかし私はノンセクシャルなので、貴方がしたいと思ってることはできないですよ」


チキンな僕が勇気を振り絞った質問への答えは異質だった。なんだこの返信は??とりあえず調べるか。


ええっとノンセクシャルっと……ふむふむ。非性愛とは、他者に対しての恋愛感情は有り得たとしても、恒久的に他人への性的欲求を持たないことをいう。


なるほど、たったこれだけの短い文で僕の質問に答え、自己主張をし、尚且つ僕を性欲猿だと小馬鹿にしてくれたわけか。とんでもねぇ女だ……


そう思って考え込んだ。僕が連絡を取っている相手は上川里奈。


去年まで同級生だった頭の良くて知的な女の子だ。


そこそこ偏差値の高い中高一貫の進学校に高校から入学し、高校からの編入組として1年間だけ彼女と同じクラスになれたのだが、2年に上がると彼女は成績上位の50人を集めた特進クラスに配属されてしまった。ごく平凡な僕には到底入ることの出来ないクラスだ。しかし彼女のことが気になっていた僕は2年になって関係が薄くなってしまったこのタイミングでアタックを始めたのだ。


返信に困っていると


「あら 私に興味なくなっちゃいましたか?」


と彼女からの追撃があった。いやそんなことはないよ。そんなことはないんだけどね。こうも感情を揺さぶられたら返信にも困るよ! そんなことを思いながら


「そんなことはないですよw」


と返信した。僕にはこれが精一杯だった。


この日のやりとりは適当に終わらして寝ることにした。進学校なので難しい宿題があるうえに朝から小テストをされるのだ。


早起きして勉強しよう。


そう決心して携帯のアラームを5.30分に設定して寝た


7.30に鳴る爆音のクラシックでいつものように目が覚めた。というか目を覚まさせられた。あら、この音楽は寮生の目覚まし時計と言われている爆音……ハッ!宿題! ハッ!小テスト!


絶望しかなかった。


とりあえず朝ごはんを食べに行く。僕はこの学校の寮で生活をしている。実家が遠いので通うのは現実的ではなかったからだ。


いつものように飯なんだか家畜のエサなんだか分からないものが並んでいる。とてつもなく不味いのだ。お金に余裕があれば前の日にコンビニで朝ごはんを買っておくのだが、そんな贅沢を毎日できる訳では無い。仕方なく朝食を手に取る。


友達のいない僕は寝起きで会話も無いくせに固まってご飯を食べている同級生達と距離をとって座る。いつものことだ。1人でご飯を食べることなんてもう慣れた。無理やりまずい飯を腹に入れて部屋に戻り、いつものように学校へと向かう。そして学校では一言も口を開かず寮に帰ってくる。そんな人間だ。簡単に言うと究極のボッチだった。


最初の1年は高校から編入した人達で集まっていたから自然と友達も出来たが、2年からは文系と理系でクラスが別れた。仲の良かった友達は皆文系に進んでしまった。1人理系を選んだ僕は既に友好関係やスクールカーストが出来上がった中高一貫組の中に放り出され、馴染むことが出来なかった。


そんな僕でも楽しいと思える時間が4つだけある。

1つは上川さんと連絡を取ってる時


2つ目は1つ下の後輩、唯一の友達と呼べる尾崎と話している時


3つ目は実家に帰っている時


そして4つ目はインターネットカフェで中学生の頃から続けているオンラインゲームをやってる時だ。


リアルはボッチでもゲームの中には沢山のフレンドが居る。優しくしてくれる人が居る。話を聞いてくれる人がいる。その人たちと一緒にボスを倒したり冒険をするのは本当に幸せな時間だった。ぼっちを極めるに連れて益々ネトゲにハマっていった。


ダメ人間の完成である。


ここまで読んでくださってありがとうございます。設定説明はだいたい終わったので次回からガッツリ恋愛要素を入れていきたいと思います

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ