俺と謎の奴ら
こうして俺とゆきほは様々な形で愛を育みあった。
最初はゆきほに妹のパンツを履かせ、ほんとうに生きているかのように接した。
昼はゆきほに好きなアニメの事を語ったり逆にゆきほの好きなことを訪ねたり夜は二人で抱き合ったり当時を振り返ると本当に楽しい日々だった――。
――しかしある日俺が目を覚ますといつの間にかゆきほが俺の部屋から消えていた。
部屋に勝手に入るなときつく言ってあるし掃除した形跡もないことからからまず母さんではない。
妹の夏紀は臭い匂いが移るとか言って絶対に入らないだろうし‥。
ではいったい誰だ‥。
もしかしてゆきほがほんとうに命を宿して自分の足で出て行ったのか――。
いつの間にか俺はその場に立ち尽くし目から溢れるほどの涙を流していた。
その後のことはよく覚えていない、ただ微かに覚えていることといえば三日三晩泣き散らした俺はゆきほの墓を家の庭にひっそりと作り、パソコンを開き再び新しい愛人形を注文したことくらいだ。
そして今現在――。
俺くらいの性欲マスターになるとどんなイライラな気持ちもムラムラに変換してしまうということができる。
押し入れに向かった俺は新しく購入した愛人形、名をあきなと付け一発致そうと押し入れを思いきり開けた時、俺の目にはとんでもない光景が映った――。
「――また、無くなってんじゃん‥‥。」
嘘だろ、流石に洒落にならないぞ。
俺は一度自分の部屋を見渡した。
しかし何処を見渡しても周りにはカップ麺や弁当のゴミ山しか目に付くものがない。
もはや悲しさや虚しさや寂しさを通り越し怒りという感情がこみ上げてきた。
「ふ、ふっざけんじゃ‥――。」
俺は大声でそう叫ぼうとした瞬間、いきなり扉が開き全身黒ずくめの男達に身体を拘束された。