表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薔薇の鍵  作者: 射月アキラ
02.マドンナの秘密
PR
13/16

08

 サイラスの声が飛ぶ。思わず振り返ったキースの視線の先、窓の向こうには、ヘリの側面、開け放たれた扉が良く見えた。

 ヘリの内側にある手すりを掴んだ男が、黒い物体──アサルトライフルをキースへ向けている。

 キースの背筋を悪寒が駆け抜けた。死に直面した脳が、視覚情報の処理速度をフルスペックで実行する。普通ならば見えるはずのない、銃の引き金を引く指の動きすら視認する。メインローターの回転数すら数えられそうなスローモーション。

 その中で、

「キース!」

 ローザの声が、硬直する体を動かした。

 時間が元に戻る。脳の処理能力が通常時のそれへ。

 キースが転がり込むようにデスクから離れ、壁に近づく。と同時、ヘリに搭乗した男が、トリガーを引き絞った。

 連なる銃声。伴って吐き出される弾丸が、キースのいた空間を貫いていく。その内一発が頬を裂いた。転がった勢いそのまま、背中から壁に突撃。呼吸が一瞬止まる。

 永遠に続くかと思われた弾幕は、反対側、デスクの向こう側からの一発で呆気なく終わりを告げた。ヘリからの襲撃者を麻酔弾で眠らせたサイラスは、猟銃を放って腰の拳銃を抜き、デスクを乗り越えてヘリのコクピットへ銃口を向ける。

 空気の抜けるような銃声が三度。方向転換を図ろうとしていたヘリコプターは、その行動が災いしてコクピットからの視界を半ばほどペイント弾で埋め尽くされた。

 サイラスは銃をホルスターに収め、足元のキースに目を向ける。

「生きてるか?」

「……なんとか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ