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詰め合わせギフトパック  作者: たまさ。
おあそび企画
5/58

陽だまりCM&コネタ

実は以前陽だまりの宣伝を他の作品のweb拍手の中に入れてました~

そこから三つ。あと、他に+……ラストはぷちいやんな表示ありなので、駄目な人は見ない!

「はじめまして、私ファティナと申します。

――宣伝の為に御邪魔させていただきました」

にっこりと微笑むのは翡翠の瞳と緩いウェーヴのかかる金髪の少女。

齢十三歳のファティナ。たまさ。が書いている【陽だまりのキミ】のヒロインです。

「【陽だまりのキミ】は私と旦那様との愛を綴った恋愛物語です」

「嘘をついてはいけません」

冷ややかな言葉を発する男の姿に、ファティナはふわりと微笑んだ。

夫に良く似た面差し。色素の薄い金髪に冷たい碧玉の瞳のヴァルファムは、ファティナの継子です。

「ヴァルファム様もいらしたの?」

「貴女に宣伝などさせてはどうなるか判りませんからね。案の定、そんな見え透いた嘘をおつきになる」

「嘘なんて」

「【陽だまりのキミ】は私が八つも年下の義母であるあなたを育てる涙ぐましい育児の物語です」

「……ヴァルファム様」

「なんですか、義母うえ」

「言ってて切なくなりませんか?」

「――」

「それに私は義母ですよ? 育てるといえば、私がヴァルファム様を育てるのが筋というものではありませんか」

「八つも年下の小娘に育てられる覚えはありません! そもそも、あなたときたらっ」


――陽だまりのキミは八つの年齢差の義母と継子の日常を書いた物語です。年下の義母に振り回されるヴァルファムの、もしかして禁断の恋?かもしれませんが、まぁ、基本的には育児かもしれません。


***

――自分が何を見ているのか、メアリは正直理解できなかった。


階下と呼ばれる場所がある。

邸宅・屋敷の半地下を示す言葉で、一般的には厨房や洗濯場、リネン室、使用人の為の部屋がある場所を示し、主筋の人間がそこを訪れることは滅多にない。そこを取り仕切るのは女主ではなく、執事の仕事であるからだ。


 だから、その階下の一室で執事を目にすることは何の問題も無い。

あるとすれば、その執事の口には細身の葉巻タバコが咥えられ――軽く手を添えて火をつけているというの現状だ。


「煙草――吸うんですね」

「すみませんが、嫌いでしたら他をあたって下さい」


 クレオールはほんの少しだけ眉間に皺を刻み、中指と人差し指に煙草を挟むようにして言った。

 メアリは逡巡したが、その珍しい光景に思わず退出ではなく留まることを選んでしまった。

自分はただ、菓子鉢を取りに来ただけなのだが。

「意外です」

「何がでしょう」

「煙草ですよ、勿論」

「――」

「ファティナ様はご存知……ではないのでしょうね?」


 半眼で睨まれ、思わず言葉が小さくなる。

しかし、クレオールは深く煙草を吸い込み、ゆっくりと紫煙をくゆらせながら壁にもたれた。

「問題でも?」

「ありませんけれど。でも」

 くすりと笑みがこぼれてしまった。

「普段のクレオールさんからはちっとも想像できませんから」

「時々、ほんの時々――吸うだけですよ。精神安定剤のようなものです」

 嘆息するように言われ、ふとメアリは好奇心にかられてしまった。

「胃痛にもききます?」

「――」

「いえ、あの……最近ちょっと、胃が痛くて、ですね」

 思わず視線を逸らせれば、クレオールは煙草を灰皿に押し付け、自らの上着の内側から小さなピルケースを取り出し、中からいくつかの丸薬を取り出して顎先でメアリに手を出すようにと示した。


「胃薬です」

「ありがとうございます」


そう告げながら、メアリは手の中の丸薬をしげしげと見つめてしまった。


クレオールさんもストレスがたまるのね。

――そしておそらく、二人の胃痛の種は同じものだろうと容易く推察できた。


「お互い苦労しますね」

愛想笑いで言った途端、クレオールは半眼を伏せてメアリを睨みつけた。

……もう少し打ち解けたいものだ。

メアリは切実にそう思うのだった。


***


たまさ。が毎週水曜日に更新を(予定)している【陽だまりのキミ】は、八つ年下の義母と八つ年上の継子の物語です。


「義母さま……」

「駄目ですっ、私とあなたは親子なのですよ」

「血だって繋がっていない。何の障害があるというんだ」

「お辞めになって、私は旦那さまをっ、ああっ」


――という物語ではありません。

「馬は危ないと何度言えばいいんですか!  あなたのような体力の無い人間が乗馬などとあつかましい!」

「いいじゃないですかっ、ヴァルファム様の意地悪っ」

「怪我をしてからでは遅いんですよ、ちょっとそこに座りなさい!」

「――怒りんぼう。男のヒステリー……」

「聞こえてますからね! 今日はおやつ抜きです!」


という――継子であるヴァルファムが義母であるファティナを育てる涙ぐましい育児日記です。

今のトコロは……まぁ、うん?


***


「添い寝は平気ですか?」

「親子ですから」

「キスは平気ですか?」

「親子ですから」

「御風呂は平気ですか?」

「――どうでしょう?」

 翡翠の瞳の少女は小首をかしげてしばらく考え込みました。


どうやら回答が思いつかないようです。

「ヴァルファム様に聞いてみますね」

にっこりと微笑んだ少女でしたが、彼女の八つ年上の義息に小首をかしげて尋ねてみました。

「ヴァルファム様、御風呂は一緒に入れます?」

「親子ですから」

「……でもちょっと駄目な気がするのですけど」

「義母うえも子供の頃はご両親と御風呂に入ったりしたでしょう?」

「しなかったと思います」

それに今は子供ではないと思います。

「私はしましたよ。義母うえのご家庭ではそうしなかっただけで、うちでは普通にありました」

絶対に嘘だと思われます。

「普通は一緒に入ったりするものでしょうか?」

「ええ普通は」

だから嘘ですよね。

「恥ずかしい気がしますけど」

「何が恥ずかしいんですか?」

恥ずかしいでしょう。

「……だって」

「義母うえにとって私は恥ずかしい存在なのでしょうか? とても悲しいですね」

「そんなこと思っておりません!」

「では何も恥ずかしいことはありませんね」

――そんな義理親子の二人を、執事クレオールが生あったかい眼差しで見つめています。


ほややんなファティナと最近ちょっと「親子」の上に胡坐をかきだした息子の――下らない日常。それが【陽だまりのキミ】です。

毎週水曜日更新【予定】で連載中。


***

以下は暑中見舞いでweb拍手にして掲載されていたもので、ちょっとぷちいやんな表現があります。

そういったものがダメダメ! な方は下に行かずにおとなしくバッテンクリックが心の平穏の為だと思われます。

***

 白い肌にシーツをまとわらせ、胸元でそれを押さえ込んだ指先。

見上げてくる瞳には戸惑いが溢れ、ぬれた唇は誘うように薄く開いていた。

「ヴァルファム……さま?」


 問いかけが、甘い。

いつもは結い上げられた髪がピンや飾りを全て取り払われ、その蜂蜜色の豊かな髪が白い肌の上でさらりと揺れる。

 触れと――それは命じているのだ。

きしりと片膝を寝台の上に乗せ、伸ばした指先がみっともなく震えやしないかと口元に笑みが浮かんだ。

「義母うえ……」

伸ばした手に白手があり、直に触れたい欲求にもどかしげにもう片方の手で白手を抜き去ろうとしても、みっともなく白手の上を指が滑る。

 緊張と、期待に胸が震えていた。

咄嗟に自分の指に歯を果てて白手に緩みをつくり、今度こそ反対の手で一息に白手を抜き去った。

 

 そのままの勢いに任せ、彼女の細い首筋にふれ、うなじの辺りをなで上げた。

ファティナの瞳が不安にゆれ、こくりと喉が上下する。

――わずかに見えるおびえが、ぞくぞくと体内に新たな熱を呼び覚ます。喉が無意識に動き、いつの間にか溜まった唾液をごくりと飲み干した。

「何を、なさいます」

「――黙って」

逃げないで……

囁きがかすれ、そのままの勢いで唇を押し当てた。


華奢な体をのけぞらせ、その唇をむさぼる。

――唾液が、甘い。進入した舌先が相手の舌を捕らえようと奥へ奥へと侵略をしかけても、おびえた相手は必死に逃れるように身をよじり、舌さえ萎縮するように奥へと引き込む。

 更に力を込めて抱きしめ、意地悪くあいた手でファティナの鼻をつまんだ。


 口付けしながら酸素をむさぼるなどということができない小娘は、すぐに苦しさに身を震わせて体をこわばらせた。

 力が抜けそうになったところでふさいだ鼻を自由にしてやれば、慌てたように身じろぎし、その舌が動く。途端に自らの舌を絡ませて引き出し吸い上げる。

 自分の口腔にファティナの舌を招きいれ、ついで彼女の唾液を吸い上げた。腕の中の少女の体温があがる。もっともっと反応を引き出したくて、わざとぴちゃりと音をさせた。

 小さな吐息が耳に入り込み、羞恥に身もだえする義母に自身が固く強い欲望を募らせるのを感じた。

――こうすれば良かったのだ。

笑い顔を護る?

 泣いた顔だって愛しいのだから……もとから、こうして閉じ込めてしまえばよかった。


 そのまま肩を押して寝台の上に倒せば、ファティナの潤んだ眼差しが不安ばかりをにじませて自分を見上げ、ゆるく首を振った。

「なにをなさいます」

「――あなたはそうやって知らぬふりをして、私を苦しめたいだけなのでしょう?」

 首にかかるアスコットタイをしゅるりと引き抜いて、放り出す。

「意地悪で酷い女だ」

「ヴァルファ……」

「無知のフリで私を惑わし、私が慌てふためく様を冷静に観察していたのでしょう?」

――意地悪なことを言っているのは自分だ。

言葉を操りながら、どんどんと自分の中で膨れ上がるものに笑みがこぼれる。

「悪い子には、しおきが必要でしょう」

シーツの下にはっきりと判る胸の膨らみ。その先端をそっとなぞるようになぞりあげ、きゅっとその形と弾力とを楽しむ為に包み込む。

 自分の下で息を飲み込む翡翠のいとおしい娘を前に――敗北の狼煙をあげよう。



「おはようございます」

「……」

カーテンが引かれる音で目を覚まし、ヴァルファムは上半身を起こして前髪をかきあげた。

部屋には一人きり。いや、クレオールがいるが自分の隣に愛しい義母はいない。

「ふ……ふふ、ふふふふふ」


夢オチ!

夢っ!?

――……許さんっ。


 無意味な怒りに奇妙な含み笑いをする主を前に、クレオールは無表情で持ち込んだ湯桶に水差しの水を足し、温度の調整をしながら不気味な主の様子にそっと吐息を落とした。


なんだか判らないが、とりあえず気持ちが悪い。


***


夢オチ!!

石をなげてはいけませんよーっ。


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