ファティナ&ルティア対談。
企画! ルティアとファティナを会わせてみた。
二人の名前は実に似ている。そして、二人の性格は正反対。
ということで、お二人を会わせてみることにする。
【あたしの魔法使い。】ルティア。
【陽だまりのキミ】ファティナ。
「こんにちは、ファティナと申します。現在十六歳、夫と義息二人がおります」
蜂蜜色のゆるいウェーブのかかる髪に翡翠の眼差しでほやんっと微笑むのがファティナ。対して、淡いブラウンの髪に同色の瞳の女性はヘッドドレスに侍女服、いわゆるメイドさんのような姿のルティア。
「ルティアですわー、二十四歳独身。婚約者アリですぅ」
二人はにこにこと言いながら小首をかしげた。
「名前は似てますけど、外見は随分違いますわねぇ。年齢もちがいますしぃ」
外見ではなく、格好が違うが正解。
「ですわね。ルティアさんは婚約者の方とは仲が宜しいの?」
「ルティとエディ様は相思相愛のらぶらぶですわよぉ」
あっさりと答えたが、ルティアの婚約者のエルディバルトは少し離れた場所で「ちょっと待て!」と声を荒げているが、完全無視。
「よろしいですわね」
ちょっと寂しそうなファティナは瞳をそっと伏せた。
「ファティナさんは旦那様と仲良しでいらっしゃる?」
「旦那様と仲良し……かはちょっと判りません。ですが、義息とはとっても仲良しです」
気を取り直すようにファティナが元気に言うと、ルティアは小首をかしげた。
「旦那様との間にお子さんの予定は?」
「ふふ、今度旦那様に授けていただけきまわっ」
「まぁっ、素晴らしいですわね」
ルティアは嬉しそうに言い、ファティナの手をぎゅっと握った。
「産み分けの方法とか、私知ってますわよー。知ってるだけでいまのところ役立たずですけどぉ」
「産み分け? あの、子供を産み分けるのですか?」
ファティナの常識の中では未だコウノトリ説が有力です。男女が同衾すると子供ができるという説はどうやら嘘だと学びました。何故なら義息と同衾しても子供ができないので、これは嘘なのです。
「そうですわー。あのですね、女性の方が上のほうが――」
「女性が、うえ?」
ファティナはきょとんっと瞳をまたたてしまった。
「それに一回目と二回目では、二回目の方が新鮮ですから、断然二回目のほうが良いと思いますのよぉ。ですから、一回目は、口でしてさしあげると宜しいですわぁ――エディ様は上のほうよりも下の……」
「え、あの……?」
「でも一回目の方が濃厚っていう説も捨てがたいのですわぁ。ファティさんはどう思いましてぇ?」
「あ、あの……?」
ルティアの背後からエルディバルトの手が伸び、その口をがしりとふさぎ、ファティナの背後からは彼女の義息であるヴァルファムがぐいっと力任せにファティナを抱き込んだ。
「よけいなことを吹き込むな!」
「バカなことを言ってるんじゃないっ!」
ルティア・ファティナ対談失敗……
このまま放置していたらファティナが許容量一杯で寝込む畏れアリ。
ファティナには当分今まで通り無垢――というおばかさんでいてもらいたいと思います。