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初登校...あれ、二回目?

「良かった…、今度は何もなくついた…。」

 レナは校門の前に立って、安堵の声を上げた。

「とりあえず、職員室に寄ってと言われたんだけど…。」

 そう言いながら、前回職員室に行ったときのことを思い出す。

(さすがに、今回は迷わない…よね?)

 自信を持って迷わないと言えないのが悲しいレナだった。





「良かった…今度はちゃんとたどり着けた…。」

 職員室に着き、レナはホッとして安堵の声を上げた。ただ、昇降口から職員室までは10メートルちょっとなのだが…。


ガララララ


 ドアを開けて職員室を見渡すと、机に座って何やら作業をしていた佐野先生が、レナに気づいて手を振ってくれた。レナが佐野先生の方へ歩いていくと、佐野先生は明るい声でレナに言った。

「久しぶり、この間は災難だったね。せっかくの最初の登校日があんな爆発で休校になっちゃうなんて。だけどもう原因もわかったらしいし、大丈夫だそうだよ。」

「…」

 レナはその言葉を聞いてものすごく気まずい気持ちになった。

(すみません…!その爆発の原因、私です…。)

 爆発の原因は学校の防御結界の誤作動ということになっている。魔法連盟の人たちが根回ししてくれたようだが、レナはロバート会長からこってりと怒られた。

 「それじゃ、先に教室に行っちゃおうか。そっちのほうが緊張しないだろうし。」

「はっ、はい…。お願いします…。」

 先生とレナは、立ち上がると教室へ行くために職員室を出た。





「僕が担任をしているクラスは2−Dだからね。D組は殆どは他のクラスと変わらないけれど、魔法科の授業を取っている人はD組になるんだ。魔法科に特化したクラスだね。」

 教室へ向かっている途中、佐野先生がそんなことを言い始めた。

「なんで、クラスが分かれているんですか?あんまり分ける意味が内容に感じるんですが…。」

 レナがそう聞くと、佐野先生は少し真面目な顔をして答えた。

「それはね、魔力酔いを防ぐためっていうのが一番の理由かな。」

「魔力酔い?それって滅多なことでは起きないやつじゃないんですか?」

 レナは不思議に思ってそう聞き返した。魔力酔いとは、魔力量の少ない人が魔力量の多い人のそばに長時間いることで起きる障害である。平衡感覚の欠如、倦怠感、頭痛などが主な症状だ。しかし、それは魔力量にあまりにも大きな差があるときだけであり、普通は起きることはない。

「いや、うちの学校には魔力量の多い生徒がたくさんいるからね。そういう子たちと一緒に授業を受けるには、やっぱりある程度の魔力がある生徒しかできないんだよ。」

 そう答えた佐野先生だったが、レナの言葉を聞いて心のなかで苦笑した。

(いや…、君みたいな魔力量の子だと、魔力量の少ない子だったら気絶しちゃうんじゃないか?)

 レナの魔力量を知っている佐野先生からすると、レナの言葉は冗談にしか思えなかったのである。

(まあ、D組の子たちなら大丈夫だろう。あの子達も、白木さんほどじゃないけど魔力量多い。D組の子たちでもだめならば、もうお手上げだな。)

 佐野先生はそう思い、心配するのをやめた。





「よし、ついた。ここが教室。席は…そうだな、あそこの窓際の後ろの席が空いているから、とりあえずそこに座って。」

 教室についたレナに、佐野先生はそういった。

「えっと、もう座っちゃって良いんですか?」

「うん、ちょっと今から職員室に戻らないといけなくてさ。ずっと廊下で待たせるのも悪いし、中にはいってもらっちゃうほうが良いかなって。んじゃ、ちょっとごめんね。」

 「え、ちょって待って…。」

 レナが止める暇もなく、先生は行ってしまった。

(え、どうしよう…、とりあえず入った方が良い?でも…。いや、廊下で待ってる方が目立つ。早く中にはいっちゃおう。)

 レナはそう思い、恐る恐る教室の中へと入った。すると、

「わ、誰?あのめっちゃ可愛い子」

「先生の言っていた編入生じゃないの?」

「うわあ、すごい綺麗な髪の色」

 周囲から、レナの容姿に対して驚きの声が聞こえた。

「ちっちゃくてかわいいー!」

「え、こんな可愛い子が来るなんて聞いてないんですけど!」

「うわ、すっげー。めっちゃきれいな娘。」

「彼氏とかいるのかな?」

 女子も男子もレナの容姿に驚きを隠せない様子だった。彼らの反応のほとんどが好意的なものだったが、

(な、なに!?みんな何を話してるの?ちょ、ちょっと…。)

 残念ながら、人見知りのレナには逆効果だった。持ち前の人見知りスキルが暴走し、まともに前も見れなくなっている。

(う、うわぁ。やっぱり教室に入るんじゃなかった…。あれ、なんか意識が…)

 レナはあまりの緊張に、意識が遠のいてきた。

(あ、倒れる...)

 レナがふらついて倒れかけたその時、

「大丈夫?」

 レナを受け止めた人が居た。


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