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会議室内の序列 レナ>緩井さん&ヴォルフさん>アダラート

「緩井さん、ヴォルフさん、すみません。少し遅れました」

 レナは、ある会議室に入りながら、そう言った。ここはとある温泉街の一角にある、国際魔法連盟の支部。そこに作られた緊急対策本部である。

「大丈夫です、まだ時間に余裕はあるので......ところで、その右に浮かしている焦げたゴミのようなものはなんですか?」

 緩井さんが、レナが浮かしているアダラートを見て、そう言った。確かに真っ黒に焦げていて、ぱっと見誰か分からない。

「ああ、これですか。アダラートさんです。何回言っても温泉に入ると言って

、言う事聞かないので、無理やり付いてきてもらいました。大丈夫です。何も問題ありません」 

 レナは涼しい顔をしてそう言ったが、

「うう、お前やりすぎだろ......」

 横でそう呻いているアダラートの声は、聞いていなかった。

「ありがとうございます!レナ様。アダラート様にはどこかでお灸を据えなければと思っていたのですが......おかげでいい薬になったと思います!」

 黒焦げのアダラートをよそに、そう喜んでいるのはヴォルフだ。普段からアダラートに振り回され、心のなかで不満を貯めていた彼は、かなり嬉しそうな顔をしている。

「レナ様ってたまにエグいことをしでかしますよね......」

「ん?なんか言いました?」

 思わずそう呟いてしまった緩井さんに、レナはどこか怖く見える顔を振り向かせ、そう聞いた。

「何でもありません。早く次に進みましょう。時間があるとはいえ、それは有限です」

 さすがはプロ。怯まず、そう言った。しかし内心では、

(この人、怒らすとヤバい人なんだよな......適度に機嫌を見なければ......)

 そう怯えていたのは秘密である。

「では、最初に魔王軍基地に突入するメンバーの確認です。まずはレナ様とアダラート様。それに、レナ様には私が、アダラート様にはヴォルフさんが補佐に入ります。」

 緩井さんはそこまで言うと、ヴォルフさんに話し手を変えた。

「その他に、国際魔法連盟の職員を20名ほど連れてきています。彼らは外に待機して、逃げてきた魔王軍などの捕獲の役目です」

「レナ様とアダラート様ですが、お二人とも突入の役に入ってもらいます。アダラート様が前線、レナ様は後方支援でお願いします」

「突入開始は2時間後です。その前に、その黒焦げの物体をどうにかしてもらえると助かります。どうにかならなくても、前線に放り込むので大丈夫です」

 最期に緩井さんがそう言って、会議は終わった。

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