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アダラートって事故ったこと、あるんですかね?

どうも、HALです。

このたびは、この物語を読んでくださり、本当にありがとうございます。

どうか、この物語を読む時間が、少しでも楽しいものになれば嬉しいです。

それでは......

「確か、この車に乗っておけば良かったんだっけ?」

 レナは空港の駐車場の済に止まっている黒塗りの車を見て、そう言った。周りには人気がなく、どこか不気味な雰囲気のある場所だ。

「はい、レナ様。お乗りくださいませ」

「ひゃっ!や、やめ......!」

 後ろからいきなり声をかけられ、レナは悲鳴を上げた。

「レナ様、確かに後ろから声をかけた私も悪かったのですが、凍らせるのはどうか止めていただきたいのですが......」

 レナが恐る恐る後ろを振り返ると、そこには氷の彫像と化した緩井さんがいた。顔だけが氷から出ていて、生首が喋っているようでなかなか面白い。

「す、すみません......」

 レナは解除の魔法をかけながらそう言った。

「問題ありません、レナ様。それよりも早く、お車にお乗りください。人に見られてはいけません」

「わかりました......」

 そう言って、レナは車に乗り込んだ。



                       ◆



「今、トゥエルブ・セインツのアダラート特別魔術師が、到着ゲートから出てきました」

「ものすごい歓声です。トゥエルブ・セインツというものがどういうものなのか、それがよく分かる光景です」

 アダラートが一歩踏み出すと、そこには大勢の観衆が待ち構えていた。湧き上がる歓声を受けながら、アダラートは秘書のヴォルフに呟いた。

「なんだ、これは。俺はこんなもの聞いてないぞ。そもそも、プライベートで来ていることになってるのではないか?」

 アダラートは不機嫌そうにそう言った。彼は大雑把でいい加減な人間だが、流石の彼でも出てきた瞬間あんな歓声を受けたら気が滅入るというものだ。

「すみません。こちらの不手際です。どうか、お許しください」

 ヴォルフはそうアダラートに謝ったが、

(だから、マスクをしてほしいと言ったのですが......ドイツで日本行きの空港乗るところを撮られて......一瞬で拡散してしまったじゃないですか!もう少し、自分の影響力というものを考えてください!)

 心のでは、そうアダラートに文句を言いたいと思っていた。

「ふん、まあ良い。それより車はどこにある?早く運転させろ」

「車は駐車場です。お持ちいたしますか?それとも......」

「いや、良い。自分で運転したいからな」

「わかりました。アダラート様」



                       ◆



「おい、白い髪のちっこいの。久しぶりだな」 

 アダラートは車の後部座席に乗っているレナを見るやいなや、普通に失礼なことをレナにぶん投げた。

「ひっ久しぶりです......アダラートさん」

 レナはビクつきながら、そう答えた。ちなみに、この会話は日本語をで行われている。トゥエルブ・セインツは、海外任務なども多いので、世界の主要な言語を少なくとも8つ以上は離せないといけない。だが、レナはコミュ障のレナがコミュニケーションのための言語など学べるわけもなく、講習3回目で挫折。それから、レナだけは特別に話せなくても良いことになっている。

「よし、じゃあ行くか!」

 運転席に乗り、ハンドルを握ったアダラートが言った。レナはその言葉に覚悟を決めたが、一向に車に乗ろうとしない緩井さんとヴォルフを見て、疑問に思ったレナは二人に聞いてみた。

「あれ、緩井さんとヴォルフさん、乗らないんですか?」

 すると緩井さんは涼しい顔をして言った。

「はい、私達は別の車で行かせてもらいます」

「はい、アダラート様の運転に乗るほど、人生を悲観していませんからね」

 そう言って、二人は車から離れて横に止めてあった別の車に乗ってしまった。

「ちょ、ちょっと!緩井さん!?私もそっちに......」

「それじゃあ、行くぜ!」

 レナの必死の願いも儚く、アダラートの運転する車は急発進してしまった。

「んーーーーーーーーー!」

 レナは声にならない悲鳴を上げたが、それも虚しくアダラートの運転する車はスピードを上げていくのであった。

ちなみに、車の車種はGT-Rです。車好きのアダラートために、ヴォルフが頑張って手配しました。

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