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リンネちゃんの凄さ

「「「「――♪」」」」


 モグモグ……。


「ラナ、ごはんだよ〜♪」


「コンコンッ♪」


 モグモグ……。


「……」


 現在私たちは地下2階層へと繋ぐ地下1階層の休憩部屋で食事を取っているんだけど、そんな中で私ことフローラはしばらく考え事をしていたの。


「う~ん……」


「どうしたのフローラちゃん? そんな難しい顔して」


「もしかして何か考え事?」


 私が考え事をしていると、『イレイスベスパ』のパーティを組んでいるアリスさんとエドワードさんが声をかけてきました。


「うん……。実はそうなの……。リンネちゃんのことについて少しね……」


 そして私はリンネちゃんのことについて考えていたことを2人に話したの。


「あ〜……、なるほどね……。まあ確かにそんな考えになるのも無理ないかも……」


「リンネちゃんの能力を初めて知る人からすれば、その凄さぶりを見て未だに驚きを隠せないのも当然だよね」


 私がリンネちゃんのことについて考えていたことに、2人は共感しとても納得してくれました。


「そうなんだよね……。リンネちゃんが実はあんなに凄い人だと分かってその衝撃が今でも残ったままなの……」


 エドワードさんの言う通り、私は今でもリンネちゃんに対して驚きを隠せず、その凄さぶりを間近で見た強烈なインパクトが現在も頭の中から全然離れないままなのです。


 私が『フルーツパンケーキ』の担当になったばかりの頃、どうしてリンネちゃんがこのパーティーのリーダーだったのか最初は不思議に思っていました。リンネちゃんは小さな狐のラナをテイムして戦いで活躍させているみたいだったから、テイマーとしての実力はとても凄いと知っていたのだけど、正直トップクラスの攻撃力を誇るミーナちゃんやグレースちゃん、それかしっかり者のレオナちゃんの方がリーダーに相応しいんじゃないかと私は思っていたの。


 ところが今回のダンジョンでのリンネちゃんの活躍ぶりを見て、私の目は節穴だったんだなと実感しました。あのワナ感知と索敵能力の凄さは目を見張るものでしたし、まさにリーダーの実力に相応しい無双ぶりでした。


 冒険において、探索面はまず絶対に欠かせない存在ですし、戦闘面においてもテイマーとしての実力はもちろんのこと、更に自身も武器を駆使して魔物を倒せるぐらいとても優秀だったのです♪


 以上のことから、リンネちゃんがパーティーのリーダーになったのも頷けちゃうね♪ うんうん♪


「あっ……、あはは……。フローラちゃんにここまでのインパクトを与えるなんて、改めてリンネちゃんがとても凄い人だと再認識させられるわね♪」


「そうだね。実はリンネちゃんの凄いところはそれだけじゃないんだよ」


「えっ、そうなの?」


 エドワードさんの口ぶりから察するに、どうやらリンネちゃんにはまだまだ凄いところがあるみたいです。


「そうだよ。以前僕とアリスで『フルーツパンケーキ』のみんなにこの中で一番必要な人は誰なのか、それを1人1人個別に聞いてみたんだ」


「エドの言う通り、確かに以前聞いていたわね♪」


「へぇ〜、そうだったんだ」


 そんな重要なことを聞いていたとはとても驚きです。これはかなり興味深いですね。


「そしたらリンネちゃん以外のみんなは即答でリンネちゃんと答えたよ」


「えっ!? そうなんですか!?」


 そして何とビックリ! パーティーのみんなが即答で答えちゃうぐらい、リンネちゃんが一番必要な存在であることが分かったのです。


 それだけリンネちゃんが如何に凄いのかを理解させられちゃいますね♪


「ニヒヒ〜、そうだよ♪ しかもおまけに、みんなリンネちゃんの凄さを熱弁していたの♪ サポート面の貢献ぶりもそうだし、かなり心強くて頼りになるって言ってたわ♪ あと、チャーミングでとっても可愛いところとかもね♪ それぐらいみんなリンネちゃんのことがとっても大好きなの♪」


「そっ……、そうなんだ……」


 リンネちゃんってみんなからとても慕われてるんだね……。まあ今回の冒険を見てるとそれが充分に伝わるのは確かです。


「それとラナちゃんもリンネちゃんが一番必要な人だと言ってたね」


「えっ!? ラナちゃんもですか!?」


 するとこれまたビックリ! 何とラナちゃんもリンネちゃんが一番必要な人だと思ってたみたいです!


「実はそうなの♪ 嘘みたいな本当の話だよ♪」


「そっ……、そうなんだ……。あれ……? でもどうしてエドワードさんもアリスさんもラナちゃんの言葉を理解出来たのでしょうか……?」


 ここで私はふとある疑問を浮かべました。


 そもそもラナちゃんは小さな狐さんで鳴き声しか発さないため、何を言ってるのか私たちには分かりません。


「あ〜、それは単純にテイマーであるリンネちゃんが翻訳してくれたからだよ♪」


「あっ……、なるほど……」


 その答えはとてもシンプルなものでした。


 テイマーであるリンネちゃんならラナちゃんの言葉を理解出来ても何ら不思議ではないですね♪ ここでもリンネちゃんの凄さが証明されてます♪


「リンネちゃんに質問の答えを聞こうとした際、せっかくなので一緒にいたラナちゃんにも聞いてみようと思ってそれで分かったんだ」


「そうだったんだ……。ん……? ラナちゃんがリンネちゃんと一緒にいたということは、ラナちゃんの答えをリンネちゃん自身が聞いているということよね?」


「まあ、そうなるわね♪」


「やっぱりそうだよね♪ その時のリンネちゃんの反応、何だかとっても気になるかも♪」


「ん〜、リンネちゃんはそれを聞いてとっても顔が赤くなってたよ♪」


「そうなんだ♪ 何だかとっても可愛い♪」


 どうやら少なからずかなり驚いていたみたいですね♪ ラナちゃんから褒められて照れるリンネちゃん、私もちょっと見てみたかったかも♪ きっとこれ以上ない可愛さだと思うし♪


「あと慌てて謙遜もしていたね」


「そうそう♪」


「そうだったんだ♪ ちなみにリンネちゃんは誰が一番必要だと答えたの?」


 みんながリンネちゃんと答えたのに対し、リンネちゃん自身はどう答えたのかとても気になります☆!


「リンネちゃんはパーティーのみんなって答えたよ」


「えっ、そうなんですか!?」


「ニヒヒ〜、そうだよ♪」


「すっ……、凄い……」


 もうそれってまさしくリーダーの鑑じゃない……☆! あの頃勘違いしていた自分を恥じたい……。 『フルーツパンケーキ』はまさに完璧なパーティーです♪



「これでフローラちゃんはリンネちゃんの凄さをますます理解することが出来たね♪」


「そうですね♪ 改めて理解することが出来ました♪」


「うんうん。リンネちゃんの凄さを分かった人が増えて僕たちはとっても嬉しいよ。そういえばアリス、そろそろ地下2階層に潜っても良いんじゃないかな?」


「そうだね♪ みんな食事を済ませているみたいだし、もう地下2階層に潜っても良いわね♪ さてと♪ お〜い、みんな〜☆! 次の地下2階層に潜って行くよ〜☆!」


「「「「は~い☆!」」」」


「コンッ☆!」


 そしてその後、食事を済ませた私たちは次の地下2階層へとそのまま潜り始めたの♪


 これからもリンネちゃん率いる『フルーツパンケーキ』の活躍を陰ながら応援しつつ、しっかり見届けていきたいと思います♪

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