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ホラー短編シリーズ

道交わる双子の姉妹

作者: 斎藤由希



 私達は双子の女の子。


「おねーちゃん、今日もかわりっこしよ」

「いーわよ。めいっぱい皆に悪戯して楽しみましょ」


 顔も声もそっくりだから、入れ替わっても誰も気がつかない。


 だから、学校で家で、時々入れ替わる遊びをしているの。


「えっ、妹の方だったの?」

「えっ、お姉ちゃんの方だったの?」


 大人たちがあたふたしているのを見ると、とても楽しいわ。


 私達は互いのことを完璧に把握してるから、入れ替わりなんて、呼吸する次くらいには簡単にできる。


 すごいでしょ?


 互いが互いにそう。


 分かり合ってる。


 だから、自慢の相方なの。


 きっと誰も、ずっと……私たちの入れ替わりを見抜くことはできないわね!






 無邪気だった子供の頃の回想を終えて、現実を直視する。


 ずっと二人で生きていくものだと、あの頃は思っていたけれど……。






 大人になった私は、会社の屋上に立っていた。


 スーツを風になびかせて、過去の出来事を頭からふりはらう。


「私、実はいれかわってたの」


 そう言った私の目の前にいる人物。一人の男は、うろたえてしまう後ずさった。


 男は、会社の社長だ。


 けれど、立場をふりかざして、人に好き放題している。


 たくさんの人が被害にあった。


 私の相方もそう。


 だから制裁を加えなければ。


「あなたが虐めた女の子達の一人は、私の妹なの。ずっと子供の頃から一緒だった、大切な……ね。社会人になったら、一緒にいられることが少なくなって寂しい思いをしていたから、このあいだ久々に会って来たんだけどね」


 大人になったら、いつまでも一緒にはいられない。


 とある大学の合格人数の制限。


 そこから私達の道は驚くほど別れて、別々の道を歩むことになった。


 今では、別々の場所で働き、別々の場所で住んでいる。


 けれど、ある日相方からの相談で、私たちの道は再び昔のように交わることになった。


 私はにっこり笑いながら、相手を屋上のふちへと追いやった。


「ベッドの上から起き上がれないあの子も、これで浮かばれるわね」


 大丈夫、平気よね?


「これくらい対した事ないだろ?」っていつもイジメてたんだから。


 怖がらないでよ。


 これからあなたが味わう苦しみは、どうってことないものよ。



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