7 お前だな
「おい!」
「・・・ハイ。」
妹の返事が固い。
「お前だな。」
「・・・ハイ。」
「ここからの会話は王様には聞こえないようにした。
さあ、何があったか言ってみろ。」
「私は悪くないんだよ~。
『登校中にヒロインが転びそうになったところを王子様が助ける』
王子様との出会いのテンプレ中のテンプレなんだよ。
選択肢ですらなくて、プロローグで全員が通る道なんだよ。こんなの避けられないよ!」
「剣聖とやらの護衛をかわしたってのは?」
「それこそ何の話かわからないよ!そもそも、ゲームでは護衛がいるなんて話題なかったんだから!」
なるほど。
やはり、ゲームと現実は違うってことか。
「だから、護衛をかわしたなんてことはなくて。ただ、転びそうになったところを助けられただけなんだよ。」
ただ、護衛や周りの人からは、全く違う様に見えていたという訳だ。
「もしかしたら、こういうのが主人公補正の正体なのかも。」
「状況了解。この件は解決できることがわかった。
一応、王様に伝えるか。」
「どうやって解決するの?」
「それはまだ秘密だ。」
「王様!」
「おぉ。いきなり声が聞こえなくなったから、見捨てられたかと思ったぞ。」
「確認したいことがあったから、ちょっとな。さっきの抱きつき事件については解決できそうだ。」
「そうなのか?それは本当にありがたい・・・。
ただ、どうやら他にも問題があった様なのだ。」
「そうなのか?」
「ちょうど話し出す様だから、聞いてみてはくれないか?」
どれどれ。
【完結】兄妹そろって断罪中のヒロインの中に入ってしまったのだが
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【完結】ざまあ、してみたかったな
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