5 そんな話、信じられる訳がないでしょう!
「何度でも言います、ランディー様。あなたのおっしゃることは信じられません。」
「僕は嘘などついてない!!
信じてくれ、エミリア!」
「登校中、あなたと女生徒が抱き合っている姿を多くの人が見ているのです!」
「誤解だ!!転びかけた子を受け止めただけだ!」
「ありえません!」
「その女生徒は、あの広い道で、よりにもよって、王太子であるあなたの前で偶然転んだと言うのですか!」
「・・・わざとかもしれないだろう?」
「それもありえません!」
「2年前、同じ様な方法で王族に近づこうとした不届きものが不敬罪でお家取り潰しになったこと、幼子でも知っています。この学校に来るような貴族が知らぬはずがありません。平民でも入学はできますが、それは極めて優秀な場合のみです。当然、学校の情報を集めているはずです。」
「それでも、私は本当に嘘をついていないんだ!」
「なにより!」
「ただの女生徒がライアン様が護衛しているあなたの元に辿り着けるはずがないでしょう!
あなたが許可しない限り、絶対無理です!」
「そう思うのはわかる。わかるんだが・・・本当に私は嘘を言っていないんだ!」
「王様、ライアン様って誰なんだ?」
「ランディーの護衛だ。10歳の時にドラゴンを単騎討伐した天才中の天才。その剣は、光さえ切り裂くと言われている。」
ナニソノバケモノ・・・
「ライアンは、『気がついたら女生徒が私の前にいた。女生徒が転んだ時には体がなぜか動かなかった。一生の不覚』と話していた・・・」
「そんなこと、絶対ある訳ないでしょう! 神速の剣聖ライアンに気づかれず近づくことができる女生徒がいてたまりますか! しかもそんな動きができる人間が王太子の前で偶然転んだなんて・・・信じる人がどこにいます!!」
【完結】兄妹そろって断罪中のヒロインの中に入ってしまったのだが
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【完結】ざまあ、してみたかったな
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