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北里の白日夢②
堤防沿の遊歩道を二人でゆっくり歩いた。
「北里くん!私の事、好き?」
青年はくちに出すことは男として敗北宣言をする様な気がして一瞬躊躇ったが、夢と分かっていたので即答した。
「あゝ、小学生の頃からね。」
「やっぱり!そうだと思った。」
初恋の彼女は、話を続けた。
「でもね、もう私の事は忘れていいんだよ。私も北里くんの事は忘れるから。私もあれから色々あって辛い思いはしたけれど、北里くんを思い浮かべて頑張ったんだよ。幸せな時間をありがとう。」
夢から醒めた北里の頬に一筋の涙が伝っていた。そして、新しい人生の一歩を踏み出せそうな気がした。