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前とは違う特別感とは?

「何かこうなったからにはやらねばならんことがあると思うのだが・・・」悩みに悩む夫ともっとぐいぐい来てほしい妻。今日は一体何に悩むのか。

 うむ、前と同じでよいのだろうか。付き合いと結婚、この差はなんだ!?何かこういつもとは違うことがあってもいいのではないのだろうか。しかし、そういうことは期待すればするほどむなしくなってゆくもの。人は少しハードルを低くしておくことによって現実が壮大なものに見えてくるものである。しかしそういうのは自分だけで決めることではない気がする。そう・・・それこそ「身勝手」とか「わがまま」である。俺は自覚があるうちはしっかりしておかねばならない。しかし、相手に聞いてみること自体は悪いことではないから聞いてみるか。


「ゆっちゃん。なんか・・・結婚したんだし付き合っていたころとは違うこととか・・・ある?」


 途中で照れてしまってあいまいな聞き方になってしまった。


「明君。私たちは付き合ったこともないはず。」


 ・・・そうでした!


 俺がちょっと強引なプロポーズをしたために「付き合う」という段階を飛ばして結婚してしまった。やっべ、まずは付き合ってすることをせんといかんのか!?何をすればいいのか・・・。


「雪さん何かしたいこととかあります?どこか行きたいでもいいのですが・・・。」


「なんで敬語になっちゃったの?」


 ハハハ・・・申し訳なさだ。俺の思考は論理的にぶっ飛んでいる。どうすべきか・・・。


「雪ちゃんとりあえずどうしよう。散歩とか買い物とか行かない?と思ったけど・・・やっぱり何でもない。」


 雪は勉強中。うむ、勉強中の人を誘うのはよろしくない。集中できるときに集中させることが大切であるがゆえに俺はないもできない。


「明君、呼び方統一してくれない?」


 うむ・・・まいっちんぐ。呼び方の話まだ続いていたのか!?


「ゆったん。」


 一番かわいい呼び方を考えまくって編み出した結果ゆったんと呼んでみた。


「哀昏君?」


 あ、俺のことを苗字で呼んだ。これ怒ってるパターンだ。


「その呼び方痛いからやめて。」


「・・・申し訳ない。」


 即謝罪した。さて、どう呼ぶか。ゆっくんって言ったら多分ぶっ飛ばされるだろうし。さて、困ったぞ。


 とりあえず雪の勉強への集中力も切れているから何か遊びに誘ってみるか。


「ちょっとピクニックにでも行かないか?」


 ちょっと壮大なことを言ってしまった。ピクニックというとまあまあの遠出になってしまうじゃないか!


「明君・・・外は雨。」


 あれぇ!?まじかよ。窓少ないから全然わからんかった。


 現在進行形でリビングでダラダラしている二人。これじゃいかん。何かしないと体がなまってしまう。


「・・・あっくん。」


 ん?


「今なんか言った?」


 雪がなんか言ったがギリギリ聞き取れた程度で正確に聞き取ることはできなかった。


「・・・バカ。」


 うん!しっかり聞き取れた!俺今悪口言われた!


「雪ちゃんすまん。不満があるならば早急に言ってほしい。治せることであったらすぐ直したいからな。」


 俺は決してしっかりした人間ではないができるだけしっかりした人間に近づこうと努力はしているものだ。それゆえ雪の不満はほっておけない。


「・・・あっくん、て呼んでも・・・。」


 うむ、それは「哀昏」のあっくんなのか「明」のあっくんなのか・・・苗字と名前の頭文字一緒なんだよ!マジでごめんね!


「かまわない。ゆっちゃん。」


「な!・・・うん。」


 ・・・なんだか恥ずかしいな。何が恥ずかしいって俺が叱られる時も「哀昏」の方の「あっくん」が適用されることによってゆっちゃんが本当に怒っているのかどうかがわからない。やばいな。


 しかし・・・外は雨か。室内でできることは・・・なんだろうか。


「あっくん、なんか話してよ。」


 おや!急なむちゃぶり!そうだなぁ。


「じゃあ結婚についてでいいか?」


「・・・うん。」


 ゆっちゃんは恥ずかしそうにうなずいた。うむ、じゃあ頑張って話すか。


「結婚とはな、夫婦になることだ。婚姻こんいんとは、社会的に承認された夫と妻の結合なんだ。「婚姻」は配偶関係の締結のほか配偶関係の状態をも含めて指しているということになっている。これは現代社会においての結婚の解釈だ。まずこれをベースとしてみてみるとな。」


「え?いや、あっくん・・・私これからのことを・・・。」


「まずは婚姻の成立要件について話そうかな。日本法は、婚姻の成立に法律上の手続を要求する法律婚主義を採用しているんだ。実質的要件として当事者の婚姻意思の合致及び婚姻障害事由の不存在が必要なんだ。。また、形式的要件として戸籍法に基づく届出が必要でな、まあこれはこの前やったばっかりか。次に婚約後合致についてだが・・・。」


「ストップ!」


 む?


「どうした?どこかわからないことがあったか?まあ確かに成立条件というものの詳細の情報を言い忘れた気がするな。もうちょっと掘り下げてみるとな、」


「違う!」


 むむ・・・怒られちゃった。


「すまない。何か違っただろうか。」


「これからの話を・・・したい。」


 うむ・・・これからの話とは・・・年金事情か?税金事情か?どっちも二十歳にならんと適用されんぞ。それかもしくは・・・。


「もう墓を買うつもりか?」


「違ーーーう!」


 ゆっちゃんが今日一番の大声を発した。ハハハ・・・やっべ、怒らせたかも。


 今日も妻はむすっとしている。こりゃ対処せんといかんな。さーて、どうやって仲直りしようか・・・。


 今日も俺は妻目の前に悩む。

悩みを解決すれば新たな悩みが発生して・・・永遠に悩み続ける定めだったりする。

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