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「やった!!砂嵐を抜けた。『夜』を吹っ切ったんだ」
影が歓喜の声を上げる。
しかし、その時突然ロボ男が失速して墜落すると砂漠の急斜面に滑り込む様に音を立ててめり込んで転がった。
砂の中を影とロボ男が転がり、やがて音を立てずに止った。
ゆっくりと砂を払いながら影が起き上がる。
「おい・・ロボ男・・」
砂に半身埋まったまま、ロボ男の頭部が回転して影を見た。
「どういう事だ?お前、一人ぐらいは乗せて飛べるタイプなんだろう。それが何で失速して墜落すんだよ」
影が肩を震わす。
#すいません。良く分からないですが、失速してしまいました。
「馬鹿野郎!!お前は一体何のためにここに居るんだよ!!俺は期待してたんだぞ!!もし『夜』が迫ってきたらひとっ飛びに引き離してくれるとよぉ!!」
言い放った影に風が吹く。
見れば引き離した砂嵐がそこまで迫ってきており、はっきりと『夜風』の三角とその後ろから両手を広げて迫りくる『夜』が見えた。
「ああ・・駄目だ・・」
影がうなだれる。全身が震えていた。
「こんちくしょー、こんちくしょー。ここまでやって来たのに」
砂嵐が影とロボ男を再び包み込む。もう、これから訪れる悲劇から逃れる手立ては見つからなかった。
『夜風』が無数に見え、それが影のからだに一枚、一枚と付着していく。
影は唯、なすが儘だった。




