5.とりあえずの方針
毎日の図書館通いと先生への質問でわかったことがある。
どうやら群衆にとっては、学園生活が一番危険度が高い。
一クラス四十人のうち大体十人くらいが色付きで、三学年でそれぞれ五クラスずつ。
合計で大体、百五十人くらいの色付きが生徒として通っている計算になる。
これだけ多くの色付きが一ヶ所に集まるのは他にないらしい。
この三年間……私は二年生だからあと一年と少しさえ生き延びて卒業すれば色付きと関わる機会は格段に減る。
ただし、就職するつもりならここでアピールしておく必要がある。
色付きからするとどれも同じ群衆には就職面接なんてない。学園でのつながりがそのまま雇用につながるわけだ。
委員会や生徒会の手伝いは格好のアピール場所というわけ。
でもなあ、先生おすすめの生徒会はなあ……攻略対象たちの巣窟なんだよね。
今のところ、生き延びるためには強い色付きにはできるだけ近づかないのが一番だというのが結論だ。だけど今後のことを考えると、色付きと一切関わらないのは難しい。
弱い色付きだと強い色付きに命令されれば逆らえないし、何かあったときの保障も弱くなる。
できれば強い色付きに雇ってもらえるのが生活の安定的にはいいんだけど……。
とりあえず、身の安全と今後の就職のために主人公と攻略対象たちの動向には気を配っておこう。
最終的に近づかないといけないにしても危険度の少ない人にしたいし。
観察するとしたらそれぞれのクラスと生徒会かなあ。